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朝涼と夕涼

最近の朝晩、窓を開けるのが好きだ。
ひんやりとした、でもやわらかい風が暑がりの私の横をすっと通り過ぎてくれるから。
その正体の名前を知りたくて調べてみたところ
朝涼(あさすず)夕涼(ゆうすず)というらしい。
そのままなのにあふれ出るネーミングセンスがキーボードを打つ手を速めてくれた。

もともと風は好きではない。
ごーーっと吹き荒れる風もぴゅーぴゅー鳴る隙間風も
まるで猫が毛を逆立てるように、本能で嫌ってしまう。

でも
冬から春にかけてのふわふわした、草花のにおいもセットの風や
秋になって温かい飲み物やニットがうれしいひやっとした風、
冬の特に朝、鼻が痛くなるほどのキーンとした張り詰めた風は
好きだ。

ふと枕草子を思い出す。
習った中学のころは、みんなに合わせて同じようにふるまうことに必死でこんなことを考える余裕さえなかった。
だが今なら清少納言の気持ちがわかるような気がする。
なぜそれがこんなに長い間教えられてきているかも。

四季のある日本に生まれてよかった。


ジリジリジリジリ、アスファルトの照り返しがつらい。
近所の公園の池で日向ぼっこしている亀に干からびてしまうぞと言いたくなる。
今年の梅雨は出るタイミングを失ったのか、梅雨はどこ行ったといいたくなる。(あったらあったでぴーぴーいうけど)
そんな暑い日にせめて涼しいことを書こうと思って。

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