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キラキラネーム

ここにきてまたキラキラネームの是非が議論されているらしい。
親からの最初の贈り物でもあるし、良しにつけ悪しにつけ親の意向、見栄やエゴが反映されるものである。特殊な場合を除いてほぼ日本では改名できないので一生ついてまわるものでもある。

某氏は名前について「道具の一つに過ぎず、単なる分類語なんだから林一番、二番、三番で十分だよ」と語っていた。もちろん極論ではあるが。
相手の名前を間違えるのは失礼にあたるが、そもそもキラキラネームはすぐには読めないのが圧倒的。いちいち相手に読み方を尋ねる、その煩わしさが相手には一生ついてまわる、とも語っていた。

 名前とは、ということに関してはヘレン・ケラーを思い出す。「世の中の全ての物には名前があり、それがヘレンにとって光になる」というアニー・サリバンの言葉だ。(当然誰かの日本語訳だが)
かつて、某声優学院に通っていたとき、私は取らなかった某先生ゼミはこのヘレン・ケラーを取り上げていて、最終的に卒業公演として披露するのが常で、言葉を扱う仕事として、言葉の大切さを学べる最適教材として取り上げていたのだなと今更にして思う。
物質に限らず、感情から気持ちから自然現象にまで、そう範囲を広げると、日本には本当にたくさんの名前(言葉)がついたな、と思う。日本にしかない言葉がある、と言われるように。

第三者と共用するという意味でも名前。あるモノコトに対してこれを指すんだよ、という他のモノコトと区別する、区分けする、切り離す、固定する、などの機能を果たす、正に分類。
懐かしい、木漏れ日、津波、どれも外国語にはないとしてる言葉だが、日本人にとってその感情や光景やどういったモノコトかは、大筋で合致するはずである。


さて、ある年代の人にとっては忘れられない名前に纏わる騒動を思い出すだろう。そう、悪魔くん問題だ。

知らない人のためにサラッと説明しておくと、我が子に「悪魔」と名前をつけようとしたのだ。揉めに揉めて結局は受付られなくて別の名前をつけて決着。
親は今どうしているかというと離婚していて父親は(やはりというのか)法を犯して捕まっている。元・悪魔くんもあまり幸せといえる人生を歩んではいないようだ。

虐待とかをしている親の子供はキラキラネームが多いらしい。子供に与える贈り物でもあるが、やはり親の見栄やエゴが先に走っているのがキラキラネームだなと私は思う。

所詮他人事なのでどんな名前をつけようがどうぞご勝手に、というところが本音だが、先程も述べたように名前とは、他と区別をしたり、名前から連想するモノコトを不特定多数の人と共用する、というという役割を持つ。名前がついて世界を認識して、という、目の見えない人にとっては正に光。

その共用という役目を考えるとやはり悪魔はいただけない。悪魔そのものと、悪魔と名付けられた子供が、イコールで結ばれてしまうことになる。後々多大なる悪影響を及ぼすこと想像に難くない。

究極の話、悪魔が来ると言われて対面した瞬間にナイフを手に向かっていき、この人は悪魔という名前であって悪魔ではない、という訳のわからない反論をされて、ナイフを突き立てた方が悪いと言われてはたまったものではない。悪魔が人の名前だなんてまず思わない。

キラキラネームアクセスランキングトップ30

1位:昊空(そら)
2位:心愛(ここあ)
3位:希空(のあ)
4位:希星(きらら)
5位:姫奈(ぴいな)
6位:七音(どれみ)
7位:夢希(ないき)
8位:愛保(らぶほ)
9位:姫星(きてぃ)
10位:匠音(しょーん)
11位:美望(にゃも)
12位:奇跡(だいや)
13位:杏奴(あんぬ)
14位:祈愛(のあ)
15位:男(あだむ)
16位:頼音(らいおん)
17位:夢露(めろ)
18位:雅龍(がある)
19位:琉絆空(るきあ)
20位:黄熊(ぷう)
21位:天響(てぃな)
22位:泡姫(ありえる)
23位:本気(まじ)
24位:皇帝(しいざあ)
25位:火星(まあず)
26位:緑夢(ぐりむ)
27位:姫凜(ぷりん)
28位:宝物(おうじ)
29位:大大(だいだい)
30位:今鹿(なうしか)

Resemomより抜粋

この中で個人的に「あり得ない」と思う名前を挙げようと思う。

8位 愛保(ラブホ)
正直言ってこの名前をつけた親の感性を疑ってしまう。ラブホでまず一般的に想像するものは何か、と考えたら、悪魔と同じ理由で絶対にいけない。子供に悪影響及ぼす可能性大。

12位 奇跡(ダイヤ)この字でこう読ますのかい、読めるのかい、当て字にも何もなってない。申し訳ないが、私の頭では奇跡とダイヤ(ダイヤモンド?)がイコールで結ばない。

13位 杏奴(アンヌ)これはもちろん、「奴」の字が持つ意味や、それに付随するイメージだ。他の文字を当てればいいものをなぜわざわざこの字を使うのか、理解に苦しむ。

22位 泡姫(アリエル)某キャラクターに合わせた当て字なのだろうけれど、泡姫はフーゾク嬢を連想させる。そう思うこちらが罪悪感持ちそうだが、その連想が浮かばないのは世間知らずというのか、想像力が貧しいというのか、あまりにも世の中を知らなすぎというのか。やはりつけた親の想像力の欠如を思わせる。

30位今鹿(ナウシカ)当て字なのだろうけれどセンスなさすぎ。

土筆と書いてつくしと読む、あるいは錯乱坊というキャラクター名に対してチェリーという愛称で漫画内で通り名になっていたりする、この日本人の感性が私は嫌いではない。なので、ここに上げた30通りの名前の中で、これはありなんじゃないの?と思う名前もいくつかある。なるほどと感心させられるような読み方もある。
ただそれと同時に漢字はそれ自体で意味を持つものでもある。その意味を全く無視した、あるいは深く考えもせずにつけるのはやはりどうかと思う。漢字、ひらがな、カタカナ、さらにローマ字表記に数字と、複数の種類の文字を使いこなす稀有な国日本人なのだ。もっと大切に扱ってほしいと同時に思う。

最後に、キャラクター名をつけることについて。
この30の中だとキティ、アリエル、ナウシカあたりか。更にこの中にはないが「光宙」を入れる。

なんて名前か?どう読むか?

答えは「ピカチュウ」

その時に流行ったモノコトを名前に入れるのは今に始まった事ではない。また、アニメのキャラクター名を用いることは昔もあった。(ただし、あくまでもヒト)

英語圏内では、聖書にまつわる名前をつける人がほとんどだそうだ。敬虔なクリスチャンはどうやら洗礼を受ける時に名前を授かり、それが正式な名前になるそうで。
人間は神々が創った創造物であり、人は誕生した時から人である、進化論を否定している者にとってはこのことは至極真っ当な事であることは理解は出来る。神が創ったものだから神が名前をつけるのは当然、という認識だろう。

話逸れるが海外の著者物はこの名前が入り交じりジュニアなどとついたりして誰が誰だかわからなくなるので早々に断念した記憶がある。

それはさておき、それでもデーモンだとかサタンだとかの名前の人がいるのだろうか?

聖書由来の名前をつけるのと、アニメキャラクターの名前を用いるのを同列に並べていいものだろうか。

違いは、聖書はこれからも人間がいる限りは語り継がれるあろう話に対して果たしてアニメはこの先、少なくても名前をつけられた子供がこの世からいなくなるまでの間と、この人が関わる全ての人がこの世からいなくなる瞬間まで通用する、語り継がれる話になるだろうか、という問題だろう。

聖書内で語られるエピソードが重なって、その人なり(というより、名に込めた想い)が推し量られる。(私は聖書はほとんど読んだことがない、念の為)

名付けられた者がやがて老人となり、物心つく年の子供と接する時、名前と由来を聞かれた時に、すくなくても前者は話が通じる。聖書由来の名前だよと。
果たしてピカチュウは、このアニメのこのキャラクターの名前だよと言われて通じるであろうか。ピカチュウというキャラクターがどのようなもので、そこに込めたであろう親の想いを第三者が推し量ることが出来るであろうか。

ポケットモンスターが過去のものとなり、誰も詳しい内容を知らない世代になった時にこの名前の漢字だけを見せられたら、宇宙飛行士にでもなってほしいのかな?とか思われそうだ。


#名前の由来



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