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【VCの視点】ベンチャー経営者の評価軸

こんにちは。ベンチャーキャピタリストJです。

本日は「ベンチャー経営者の評価」について。

ファイナンスの相談を受ける時、事業内容はもちろんの事「経営者」「チーム」も重要な評価項目として見ています。

日々相談を受ける中で、「優秀な経営者≒資金調達できる経営者」は、

大きく分けて3つの軸で評価できると思うようになりました。

全てのVCが、これからお話しする評価軸【だけで】判断しているとは思いません

しかし、全てのVCは【必ず】以下3つを含めて、経営者を評価しているはずとです。

このnoteは、主に起業予備軍~シリーズAまでの経営者、ルーキーキャピタリストの方々に役立つと思いますので、お付き合い頂けますと幸いです。

それでは、ベンチャー経営者の評価軸を見ていきましょう。

目次

1. 評価軸① 「why you」の視点

2. 評価軸② 「巻き込み力」の視点

3. 評価軸③ 「インサイト」の視点

4. おわりに

評価軸① 「why you」の視点

そのビジネスにおいて、

「なぜ、あなた(起業家)がその事業をやるのか」

もっといえば、

「なぜ、あなたならその事業が成功するのか」

という視点の評価軸です。

例えば、あるサービスが

「何十年もいた業界の課題を解決しようとする起業家」

「全くの門外漢だけど、ロジカルに考えて見えた課題を解決しようとする起業家」

どちらの起業家が作ったサービスの方が期待できるかは、一目瞭然かと思います。

この評価軸は、ピッチスライドでいえば「役員紹介」の部分に記載がありますが、よくある「職務経歴の記載」だけでは不十分です。

「どんな経験をしてきたか」「こんな原体験にもとづいている」など、

起業家がその事業に取り組む意味・意義みたいなものをVCは知りたいと思っています。

評価軸② 「巻き込み力」の視点

「巻き込み力」は、採用・調達・セールス・アライアンスなどの

全てグロース要素にプラスに作用します。

起業家は、例えエンジニアであっても「1人の優秀なアイデアマン」で

そのアイデアを実現するには第三者の力が必要になります。

巻き込み力は「こうすれば身につくよ」と教えられるものではなく、

「素養」に近いものがありますが、

巻き込み力のある人に共通して感じる「におい」みたいなものはあります。

評価軸③ 「インサイト」の視点

私はこれを、経営者の思考力を評価するうえでは非常に重要視しています。

ちなみに、私はインサイト(洞察・物事を見抜く力)を「深さ」と表現しています。

「深さ」と表現すると「いかに掘り下げて考えているか」と捉えられそうですが、ここでいう「深さ」は少し異なります。「多面的」と言った方が良いかもしれません。

「単純な深さ」は「Why」の繰り返しで掘っていけると思いますが、

ここでいうインサイトは「Whyの繰り返し」では深める事ができません。

ここ最近はバーティカルSaaS領域のスタートアップが多くなっていますが、

領域がバーティカルであっても、インサイトは深く(多面的に)あって欲しいものです。

※バーティカルとは「一定の(特定の)領域に」という意で。例えば、ある商流やオペレーションプロセスの中の特定の部分の事

私はインサイトの深さを測る際、「サービスの代替可能性」や「横展開の可能性」「競合とのポジショニング」に関する質問を投げかけるようにしています。

おわりに

さて、いかがでしたでしょうか?

以上の3項目は、

普段ピッチを受けている中でフォーカスして説明を受けない項目です。

ところが、ピッチスライドの中にはこの3つの軸の、いわば「深さ」(また深さw)が如実に表れます。

これらの項目が深いと、いい意味で「この起業家、なんか違うゾ」と前のめりになります。

読者のみなさんも、ぜひお時間あるときにでもこの3項目を振り返ってみてください。

今回の投稿に関して、具体的にわたくしの投資先事例も踏まえて聞きたい方はお気軽にコンタクトしてください。

その他、VCの方々からのディスカッションもできたら嬉しいので同業者様もお気軽にコンタクトしてください。

ご覧頂き、ありがとうございました。