2年前から、人のセックスでご飯を食べている。

はじめまして、こんにちはカキヌマと申します。
現在私は絵本を作っています。題名は「人のセックスでご飯を食べる」。

題名だけ聞くと、「なんちゅう絵本を作ってるんだ!」と私のお婆ちゃんとか身内からすごいお叱りを受けそうなのですが、この題名にしたのには訳があります。

私は現在大学3年生。2年前からラブホテルでアルバイトをしています。

2年前、私は実家がある茨城県から東京の大学に近い所に引っ越したいと考えていました。当時、アルバイトをさせてもらっていた居酒屋だけではお金がたまらないと思った私は、ラブホテルと掛け持ちすることを決意したのです。

居酒屋の店長も従業員の皆さんも優しくて、すごく可愛がってくれました。でも私はバイトに行くのがすごく怖かった。

当時の私は、人を見た目や振る舞いだけで怖いと勝手に判断してしまう所がありました。話すスピードが速いおばさん、ちょっとイカツイお兄さん、声がでかくて威勢のいいおじさん、常連のお客さんも含めて、居酒屋に来るお客さんがすごく怖かったのです。そんなお客さんを相手にして、手汗をかくくらい緊張し、ビビりながらも接客をする毎日。

怖がりな私にとってとんでもなく勇気のいることでした。

普段の生活では、友達や道を歩いている人に対して勝手に劣等感を感じて悲しくなってしまうことが多く、それはファッション雑誌や有名人が昔のことを喋る記事などを見ている時にも起こりました。

なので、美容院に行って店員さんが「雑誌をお持ちしましょうか?」と尋ねてくれても私は、「いいえ、大丈夫です。」と、“お持ちしましょうか”の“お”のあたりで返事を返すほど。

このくらい、怖がりで自分と誰かを比較しがちな私は、もう一つアルバイトを始めるなら絶対に人とあまり関わらないバイトにしようと心に誓いました。お客さんと会うことが少なく、お客さんも従業員にあまり会いたがらない仕事。

ラブホテルだ!
ラブホテルしかないじゃないか!
天職だ!と私は思いました。

人と会わないということにどこまでも貪欲な私は次に、フロントが無くてルームサービスもないラブホテルを片っ端から調べ上げ、見つけたのが今のラブホテルでした。

友達に「ラブホテルで働きたい。」と言ったところ、「汚そうだし大変そうじゃん?なんでラブホテルなの?」と聞かれました。私はラブホテルが“汚そうで大変”だということをすっかり忘れていました。確かに汚そうで大変かもしれない。でも、そんなことはどうでもいいくらい人に会いたくない。コンチキショウ!と啖呵を切り、すぐにラブホテルに面接の申し込みをしました。

無事に採用になり、ラブホテルで働き始めた私は、毎日が楽しくて仕方なかった。ここでも皆さんが優しくてくれて“汚くて大変だ”と言われていた仕事も私にとっては何の問題もありません。

そして何よりも嬉しかったのは、接客をしなくて済むこと。緊張もしなくていいし、怖がらなくてもいいということでした。こう言ってしまうとお客さんに申し訳ない気持ちでいっぱいになりますが、私が私なりに考えてお金を得るために行き着いたのがラブホテルの清掃という仕事だったのです。


そしてラブホテルで働く間に、自分の中に変化が起こっていきました。それは“怖さが薄れた”ことです。


毎日多くのお客さんが訪れます。早足のおじさん、ヒールが高くてかっこいいお姉さん、強面なおじさん。「お客さんの数ほど部屋の数がある。」とどっかの誰かが言っていたように部屋の使われ方がそれぞれ違うことに気づきました。

でもみんなラブホテルに来る理由は一つです。
セックスをしに、自分の性欲を放出しにくる。お客さんはそういう目的でラブホテルに来ます。

私は思いました。「みんな一緒じゃん」と。
そして私は少しずつ人への恐怖が薄れ、劣等感が悲しみに繋がることがなくなっていきました。

この絵本はこんな私の心の変化を、私が見てきたちょっとクスッとしちゃうようなラブホテルの部屋の使い方とともにお送りします。

絵本という、自分で読むのにも、プレゼントで誰かに贈るのにも、お家のインテリアにもできる、誰でも手に取りやすい物にする事で、私と同じような思いをしている人に優しく届けられたらなあと思っています。

そしてこの絵本を通して、人に対してつい劣等感を感じてしまったり、見た目などですぐに自分とは違うと思ってしまう人に、みんな違う所はあるけどみんな一緒だから大丈夫!って思ってもらえたら嬉しいです。

次回のnoteでは、実際に絵本の中身について公開しようと思っています。 

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凄く、凄く、嬉しいです。ペンを買います。

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カキヌマ

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