見出し画像

BATTLE ARENA 4th 決勝ラウンド1回戦第3試合(黒緑速攻ミラー)に関するカバレージ

はじめに

当記事は4/18に開催されたBATTLE ARENA 4thの決勝ラウンド1回戦第3試合のみに焦点を当てたものとなっている。 そう、lotas選手VSそら選手の闇自然速攻によるミラーマッチである。

今回はテキストカバレージという形でこの対戦の経過を追いつつ、個人的な所感をまとめていきたいと思う。

また当記事はGrowcup様が主催する #デュエプレカバレージコンテスト への参加記事となっている。書くきっかけを下さったGrowcup様、及びデッキレシピの転載を快諾して下さったlotas選手、そら選手にはこの場をお借りして感謝を申し上げる。


1.試合開始まで

まずは以下の画像を見てもらいたい。

画像46

組み合わせ

これはBATTLE ARENA 4th(以下BA4thと略)予選のデッキ分布と決勝ラウンドの対戦表だ。使用率5.7%の闇自然速攻が2名抜けてきたこと自体も驚きなのだが、何の悪戯かその2名が決勝ラウンドの初戦に当たる組み合わせとなってしまった。

そしてこのマッチアップは「先攻が圧倒的に有利」との認識が多く、「勝敗は1戦目にランダムで決定される先攻後攻で決まってしまうだろう」と考えていた方も多く居たと思う。
ささやかながら予選終了から決勝までに筆者が採った(無駄に条件を付けてしまった)アンケートでも先攻有利の投票が多くを占めていたこと、そして公式解説者のはんじょう氏が「このミラーはマジで先攻有利です!めちゃくちゃに有利です!」と言い切ってしまったことからもこの世論が主流であったことを少なからず示しているだろう。

画像48

しかしそんな大勢の思惑を他所に、lotas選手はインタビュー映像にて「基本的にミラーマッチは後手が有利」と発言。続けてリソースを管理し打点を丁寧に揃えること、そして胆を据えてプレイすることが重要になるとコメントした。

そして、この先攻じゃんけんゲーになると思われたマッチアップは正にこのコメントのように、腰を下ろして睨み合う重い展開が繰り広げられたのであった。


2.第1試合

ここからは毎ターンの展開を画像で示しながら追っていく。また、カード名に関して一度紹介したものはテンポ優先のため二度目から略称を使用する。それと画質の悪さはお許し頂きたい。
(手前側の金髪がそら選手、奥側の緑髪サングラスがlotas選手)

○1ターン目先攻

お互い初手は1マナクリーチャーこそ潤沢だが、切り札となる<統率するレオパルド・ホーン>は引き込むことが出来なかった。

1試合目先攻1

ここで手前側、先攻のそら選手は<スナイプ・モスキート>をマナチャージし、<スナイプ・モスキート>を召喚。1ターン目の先攻として素晴らしい滑り出しを見せる。

1試合目先攻1モスキート

○1ターン目後攻

1試合目後攻1tドロー

対してlotas選手は後攻のドローで<ヤット・パウル>を引き込む。
このターンは<ダンディ・ナスオ>をマナチャージし、先攻のそら選手と同じように<スナイプ・モスキート>を召喚。お見合いの形となる。

1試合目後攻1tモスキート

○2ターン目先攻

1試合目先攻2tドロー

2ターン目にそら選手がドローしたのは<自由な旅人ベア子姫>。闇文明を開放するためどちらかをマナに置くのは確定しているが、ここでは<ねじれる者ボーン・スライム>をマナに置き<孤独の影ロンリー・ウォーカー>を2体召喚。無条件に攻撃が可能なクリーチャーを優先し攻めの姿勢を見せつつターンエンド。

1試合目先攻2tロンリー×2

○2ターン目後攻

1試合目後攻2tドロー

lotas選手が2ターン目にドローしたのは<光線人形ストリウム>。<ヤット・パウル>をマナにチャージし、そら選手の横広げに対応するかのように<ダンディ・ナスオ>の召喚からマナを入れ替えつつ<ロンリー・ウォーカー>を召喚しターンエンド。2ターン目から横並べの睨み合いとなる。

1試合目後攻2tナスロンリー

○3ターン目先攻

1試合目先攻3tドロー

そら選手が3ターン目にドローしたカードは<ナスオ>。そのまま<ナスオ>を召喚する択も有ったが、ここは<ナスオ>をマナチャージし<ベア子姫>を召喚。相手のモスキートをマナ送りにし、このターンに2体の盤面差を付けた。ここで少しの逡巡の後、ターンエンドを選択。

1試合目先攻3tベア子姫

盤面の頭数に差を付けたこの時点で攻撃を仕掛ける択も有るにはあったのだが、余りにもリスクが高いことと<モスキート>の攻撃時効果でマナから探索回収できるカードが渋かった(ナスオ、ボーンスライム、モスキート)点などから、そら選手は攻撃を待ちターンエンドしたと思われる。そして、結果的にはこのターンが分岐点になってしまった。

○3ターン目後攻

1試合目後攻3tドロー

lotas選手の3ターン目ドローは<ナスオ>。マナチャージは行わず、<ナスオ>からの<ストリウム>で2体展開し頭数を五分に戻しつつターンエンド。手札に<封魔ヴィネス>を抱える形となった。

1試合目後攻3tナストリウム

この時点でシールドは五分、盤面は<ストリウム>を立てたlotas選手がやや有利、手札は<ヴィネス>を保険として抱えるlotas選手が明確に有利と言えるだろう。一方でそら選手は先攻の利から<統率するレオパルド・ホーン>を相手より先に引き込めさえすれば、そのまま殴り切れる展開も十分にある。しかし、勝利の女神はここから無情な程に両選手のデッキトップへと悪戯を施していた…

○4ターン目先攻

1試合目後攻4tドロー

そら選手の4ターン目は<ストリウム>をドローしそのまま召喚、ターンエンドとなった。相手の<ストリウム>に一方的に削られる展開は防いだものの、テンポとしてはやや厳しい状態が続く。一方のlotas選手は…

○4ターン目後攻

1試合目後攻4tドロー

lotas選手の4ターン目ドローは会心の<ベア子姫>。そのまま<ベア子姫>を召喚し相手の<モスキート>をマナへと送りターンエンド。盤面の頭数はここに来て5対4と遂に逆転。そら選手のデッキトップに掛かる負担が一気に増した。

1試合目後攻4tベア子姫→モスキート処理

○5ターン目先攻

1試合目先攻5tナス

<ベア子姫>か<レオパルドホーン>が何とか欲しいそら選手の5ターン目ドロー、引いてきたのは<ナスオ>とこの局面では最も活躍を期待できないカードを当ててしまう。そのまま召喚でターンエンド。一方のlotas選手は…

○5ターン目後攻

1試合目後攻5tドロー

lotas選手の5ターン目ドロー、またしても会心の<ベア子姫>を引き当てる。そのままノーチャージからの<ベア子姫>で相手の<ロンリーウォーカー>を処理しターンエンド、盤面差は6対4に広がりlotas選手の先勝へ王手が掛かる盤面となった。

1試合目後攻5tベア子姫→ロンリー処理

○6ターン目先攻

1試合目先攻6tボンスラ

遂に致命傷となる打点を相手に揃わせてしまったそら選手の6ターン目ドロー、引き込んだ<ボーンスライム>をそのまま召喚しターンエンド。本来であれば次に繋がるブロッカーとして悪くはない引きだったのだが…

○6ターン目後攻

1試合目後攻6tドロー

lotas選手の6ターン目ドローは<ロンリーウォーカー>。そして、1ターン目から機を窺い温め続けてきた<ヴィネス>が、待ってましたとばかりに召喚酔いでヘロヘロな<ボーンスライム>へと襲い掛かる。

1試合目後攻6tヴィネス→ボンスラ処理

遂にlotas選手は安全圏とも言える7打点目の形成に成功。このターンは焦らずターンエンドを選び、次のターンに決着を狙う構えを見せる。いよいよ絶体絶命のそら選手、土壇場で引き込んだカードは…

○7ターン目先攻

1試合目先攻7tロンリー

<ボーンスライム>または<ベア子姫>を引き込めたらトリガー1枚条件となる7ターン目、ここでも勝利の女神はそら選手に悪戯を施したのか<ロンリーウォーカー>をデッキトップへと与えた。盤面に余裕があるためそのまま召喚しターンエンド、既に1枚見えてる<ベア子姫>の2枚トリガーを願ってのターンエンドとなった。

○7ターン目後攻

1試合目後攻7tドロー

佳境を迎えた7ターン目、lotas選手のドローは<ナスオ>。しかしここまで来たらもうデッキトップのドローは関係ない。冒頭のコメント通り「リソースを管理し打点を丁寧に揃えること」で形成した盤面のクリーチャーたちが、一気にそら選手へと襲い掛かる。奇跡のトリガーを願ってただ待つが…

1試合目後攻7t決着(盾にレオパルド×2)

結果はノートリガーで貫通、重い睨み合いとリソース管理の末にlotas選手が後攻ながら先勝を掴んだ。そら選手のシールドには切り札の<レオパルドホーン>が2枚、相手へ容易にリソースを与えないlotas選手の徹底したプレイが逆転の芽を摘み取る結果へと繋がった。

非常に重苦しい展開となった、第1試合。
続く第2試合はどのような対戦になるのだろうか?


3.第2試合

第1試合と同じく、そら選手の先攻で始まった第2試合。しかし、その初手からは第1試合と全く異なる展開しか見えなかった。

○1ターン目先攻

2試合目先攻1t初手

両選手共にレオパルドを初手から確保、更にそら選手は先攻側が欲してやまない<ヤットパウル>まで抱える最高の展開。
そら選手、1ターン目は<ヴィネス>マナチャージからの<ボーンスライム>召喚と上々の滑り出しを見せる。

2試合目先攻1tボンスラ

○1ターン目後攻

2試合目後攻1tドロー

対するlotas選手、1ターン目のドローはダブってしまった<ストリウム>。ストリウムは複数並ぶと攻撃できなくなるというデメリットを抱えており、そのままマナチャージすると思われたが、<ヤットパウル>をマナチャージし先攻と同じく<ボーンスライム>を召喚。図らずも1戦目と同じ同クリーチャーのお見合いからスタートする立ち上がりとなった。

2試合目後攻1tボンスラ

○2ターン目先攻

2試合目先攻2tドロー

そら選手の2ターン目ドローは自然マナとしても嬉しい<ナスオ>。そのまま<ナスオ>をマナチャージし、黒緑速攻において伝家の宝刀とも言える先攻2ターン<ヤットパウル>の動きを見せていく。更にシールドから回収したカードは1マナかつブロッカーの<ボーンスライム>。ここまでは最高の立ち上がりと言えるだろう。当然攻撃はせずターンエンドへ。

2試合目先攻2tヤット→ボンスラ回収

○後攻2ターン目

2試合目後攻2tドロー

対するlotas選手の2ターン目ドローは<冒険妖精ポレゴン>。ここでやや時間を掛けたが、マナチャージは<ナスオ>を選択、召喚されたのは<ストリウム>という動きになった。ヤットパウルにシールドを削られる展開を嫌っての召喚と予想されるが、2枚目以降のストリウムを非常に重視しているように思える。当然こちらもそのままターンエンドし、局面は激動の3ターン目を迎える。

2試合目後攻2tストリウム

○先攻3ターン目

2試合目先攻3tドロー

そら選手、3ターン目のドローは<ストリウム>。このターンの択としてストリウム+1マナまたはノーチャージからの1マナ×2が存在していたが、第1試合に受けた執拗なマナ送りを警戒したのか、<ロンリーウォーカー>、<ボーンスライム>、そしてデッキの切り札とも言える<レオパルドホーン>が満を持して盤面へと放たれターンエンド。そら選手から見て、いや誰がプレイしていも最高の展開であり、黒緑速攻の必勝パターンへと持ち込みつつあるだろう。このまま相手が動かなければ、の話であるが…

2試合目先攻3tノチャ→ボンスラロンリーレオパルド

○後攻3ターン目

2試合目後攻3tドロー

相手から凶悪な打点を突き付けられて迎えるlotas選手の3ターン目、ドローしたカードはまたもや<ポレゴン>。そら選手の動きを模倣するようにノーチャージからのポレゴン×2を召喚、そしてこちらも切り札のレオパルドホーンを投入し互角の盤面を作り上げターンエンド。

2試合目後攻3tノチャ→ポレゴン×2レオパルド

この時点で両選手を比較すると、シールドはそら選手が4枚と1枚分の不利、盤面はブロッカーを2体抱えるそら選手がやや有利、手札も互角と言えるだろう。そら選手のシールドが4枚となっているのは懸念材料だが、そこから引き込んだ<ボーンスライム>が打点兼ブロッカーとして機能しているので、<ヤットパウル>は十分に仕事をしたと言っても差し支えはない。

遂にお互いが万全の盤面を形成した黒緑速攻ミラー、対戦は運命の4ターン目へと突き進む。

○4ターン目先攻

2試合目先攻4tドロー

おそらく今までの中で、最も<ベア子姫>又は<ヴィネス>のドローを願ったであろうそら選手の4ターン目ドロー。手札に舞い込んできたのは1マナの<ポレゴン>であった。そら選手はノーチャージでストリウムを召喚、1体の盤面差を付けた後に長考へと入る。

2試合目先攻4tストリウム

間を置いて、意を決したそら選手の<レオパルドホーン>が咆哮を上げた。
そして、

2試合目先攻4tレオパルド攻撃

2試合目先攻4tトリガー発動

「あら、出会っちゃったわね♪」

画像51

2試合目先攻4tトリガーベア子姫→ボンスラ処理

状況を覆す<ベア子姫>のSEが、対戦会場に響き渡った。

そしてシールドを守るはずだった<ボーンスライム>がマナへと送られ、
ターンエンドを迎えた。

○4ターン目後攻

2試合目後攻4tナスオ

状況を覆す最高の1手を引いたlotas選手は4ターン目に<ナスオ>をドロー、そのまま召喚し勝利を決定づける為の攻勢を仕掛ける。パワーが最大まで高まった<レオパルドホーン>は<ボーンスライム>によってブロックされたが、これでそら選手への攻撃を遮る壁は無くなった。

2試合目後攻4tレオパルドをボンスラでブロック

そしてそら選手とは対照的に僅かな間を置いた後、lotas選手はお釣り無しのジャストキルを狙うべくポレゴンから走らせ、

2試合目後攻4tポレゴン攻撃

2試合目後攻4t決着

そのまま勝利を掴み取り、BA4th準決勝への切符を獲得した。


4.振り返って

本記事を書くにあたりこの対戦を何度か繰り返し見ていたのだが、本当に両選手とも最善手を選択し続けていたのだと個人的には深く感嘆させられた。

第1試合の先攻3ターン目や第2試合の先攻4ターン目など、正直結果論だけで見ればアレコレ言えてしまいそうな部分はある。しかし、その上でそら選手の攻撃するタイミングは極めて冷静に見計らえていた物だと筆者は確信している。ただ、1枚のベア子姫、1枚のヴィネス、1枚のレオパルドホーンが来てほしい、来れば状況を覆せる場面に限って引き込めなかったことが、勝敗を分けてしまったのだと筆者は思っている。

逆にlotas選手は勝負所で3度ベア子姫を引き込む天運を携えていたと言えるだろう。その上で、終盤までキーカードを決して手放さない粘り強さ、そして確固たる裏付けによる徹底したプレイングが併さった上での結果だと感じた。ここまで勝ち上がってきた猛者相手にミラーで2連勝を飾るのは、並大抵のことではない。

最後に、この激戦を繰り広げた両名のデッキレシピを公開して終わろうと思う。上がlotas選手、下がそら選手のデッキレシピだ。ストリウムとサエポヨの違いはあるが、両名ともヴィネスとベア子姫に重きを置いてフル投入している点は共通している。

画像49

画像50

「決勝ラウンド最大の運ゲー」と揶揄されることもあっただろうこのマッチアップで、深く心を動かす試合を繰り広げた両選手には改めて感謝を示したい。

素晴らしい試合を見せてくれて、本当にありがとう!!


2021/4/27 こじぃ 




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?