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デュエプレ7弾環境の速攻デッキに関する考察

0.はじめに

【悲報】ホリスパ、期待の新人アポロヌスに貫通を許し爆発大炎上
【悲報】ホリスパ、期待の新人マーキュリーに封殺され調整二軍落ち

2020年12月10日、第7弾拡張パック「超新星爆誕」が発売されドルバロムカップが幕を開けた。初日にNew Divisionのマスター到達及びレジェンドタッチを目標としていた赤白速攻大好きマンの筆者は6弾構築ベースの赤白速攻を携え意気揚々とランクマッチに潜ったが、得たものは勝率五割未満(30勝32敗)という非常に渋い結果だった。守護神であるホーリースパークが通用しない、これまで得意としていた中速デッキ相手に勝てない。そしてその理由は明快、ホーリースパークに対し強力な耐性を持つフィニッシャーが登場したからだ。超新星アポロヌス・ドラゲリオンと超新星マーキュリー・ギガブリザード、この2枚は環境を大きく変えたことは多くの読者にも共感して頂けると思う。

では速攻デッキはもう中速デッキ相手に勝てないのか?
対策カードが実装されたホーリースパークは環境から消えるのか?

筆者はNoであると考える。基本余り強い言葉は使わない(大した実績が無い&性分)のだが、ここだけは強く言い切れる。というか言い切りたい。そして現在ランクマッチで悩んでいる方々に対して、速攻デッキの可能性を提示したいと思い今回noteに纏めることにした。

・カード資産が乏しく環境デッキが中々組めない
・速攻デッキを握るのに抵抗がある
・速攻デッキを使っているけど中々勝ち切ることができない
・周囲がマスター到達の報告をする中で強い焦りを感じている
・単純にヒマ

このnoteが以上のどれかに当てはまる方への助けになれば幸いである。
また、筆者の前々作(赤白速攻に関する考察)では相手のデッキに合わせて赤白で使えるキーカードを入れ替えることで対応していたのに対し、今作ではデッキタイプ別に構築例と特徴、重要カードを紹介する形で進めていく。尚、基本的な殴り方(シールドの割り方)は前々作と変わらないので、もし時間が有ればそちらも一読頂けると理解が深まるかもしれない。
更に第7弾から新たにNew Division(以降ND)とAll Division(以降AD)という区分がランクマッチで分けられている。当然デッキを解説する際には表記を入れるが、場合によってはNDとADで話が往復することもあるのでそこは容赦頂きたい。

今回紹介するのは赤白速攻(t青)、黒緑速攻、赤緑速攻、赤黒速攻の4つになる。前二つはND、後二つはADでそれぞれ使用したデッキなのだが、「それぞれこのルールでしか使えない!」というわけではなく、構築次第で更なる広がりを見せられると筆者は勝手に思っている。新たな速攻を切り拓くのは画面の前に居る貴方かもしれない!(激クサ)

1.赤白速攻(t青)

使用ディビジョン:ND
最高レート:1567(下画像を使用、シーズン3日目レジェンドタッチ)
※上は初日に使用した赤白速攻(6弾の発展形、30勝32敗構築)、下はレジェンドタッチ時に使用した赤白t青速攻(対超新星意識)

・主な7弾追加カード
キャプテン・ミリオンパーツ、転倒専機コロビナー、早喰王のリンパオ、究極戦士ファルゲン

・主なスタン落カード
…火炎流星弾

・概要
公式大会であるバトルアリーナ2ndで優勝を果たした皆さんご存じ赤白速攻。癖の少ない1マナ獣、バラエティ豊かな2マナ獣、SA持ちor優秀なSトリガー効果を持つ3マナ獣で攻め立て、守りは優秀な光のSトリガーに任せることで殴り合いにおいて非常に強く優秀なデッキだった。
7弾環境においては当noteの冒頭にも書いた(ふざけた)ように、アポロヌス・ドラゲリオンおよびマーキュリー・ギガブリザードの2体が幅を利かせている内は防御の要であるホーリースパークが多々封じ込まれるため、別のカードで守り切る工夫が求められる。

・デッキ全体の特徴
速い、カスタム性が高い、受けが強い、手札から使える札が多くない
…1マナ、2マナ、3マナSAの展開が比較的決まりやすくある程度安定して4ターンキルを狙うことが可能なデッキタイプであること、2マナ獣の調整で様々な相手をメタれること、強力なトリガーを擁することで殴り合いで優位に立てることが強みと言える。一方で手札補充が皆無である上に最低でも3マナ、時には4~6マナ置くことを求められるため手札の枯渇を非常に起こしやすいデッキタイプだと言える。

・重要カードその1「キャプテン・ミリオンパーツ」
第7弾で追加された、相当おかしなことをやっているカードの1つ。
本体だけでも殴れる4マナ3000の疑似アンブロッカル持ちのブロッカー。その上味方全体に疑似アンブロッカルを付与するという、シザー○イが見たら嫉妬で狂うようなスペックを有しているカードだと言えるだろう。
特に活躍するのが天門対面とツヴァイ対面、天門対面ではトリガー天門からのブロッカーをスルーするほぼ唯一の手段として使われ、ツヴァイ対面では殴り返しの出来ないガードとハルフォートを置物にするカードとして活用できる。
また守りにおいても予め出しておくことで本体がブロッカーとして機能するだけでなく、トリガーから飛び出たコロビナーがブロッカーを付与されることで実質2体止められる超優秀なトリガーになる点も見逃せない。
ただし、いついかなる時でも強力なカードというわけではなく、4コストと重い上にSAを持つわけではないので赤白速攻において4積みは個人的にオススメできない。ゲーム終盤(赤白比)の切り札は2~3積が一番良いと個人的に思う。構築によっては外れることもあるが、性能自体は折り紙つきのカードである。

・重要カードその2「予言者リク」
アポロヌスとマーキュリーを潰す札その1。
単体としてはややスペック不足とも思われるこのカードであるが、アポロヌスに対して即死を防ぐほかマーキュリーが居る状態でも呪文ではないのでリーサルをずらすことが出来る防御札だと言える。またこの2体にシールドを割られるときはほぼ例外なくシールドが2枚以下になるので、効果が100%レベルで発動することも評価を高める原因だと言える。もちろん対速攻で早い段階にトリガーで出てくる時もあるが、その場合でもパワー1000のアタッカーとして運用することが出来るのでどちらにしてもトリガーすれば美味しいクリーチャーだと言えるだろう。欠点としては5マナという手打ちが絶望的な重さであるが、白単色マナになる(=初手クルトの成功率が高まる)だけでも大いに価値が有るので手札に来たら遠慮なくマナに送るカードだと言える。採用枚数は色のバランスにもよるので2~4で構築に応じて動かしていくのが良い。

・重要カードその3「アクア・サーファー」
アポロヌスとマーキュリーを潰す札その2。
言わずと知れた最優のシールドトリガー、リリースから1年たっても私たちはサーファーに笑いサーファーに泣かされる。リクと同じくアポロヌスとマーキュリーに対する防御札として採用される。アポロヌスに対しては効果を発動するとマナが消し飛んでしまうが、彼?が着地するのはおおよそ5ターン目でありそもそもマナが消し飛んだところで返しのターンにトドメをさしてしまえば何の問題も無いので十分に有効な防御札となりうる。勿論速攻対面で踏ませても滅茶苦茶に強いトリガーであり、その強さは多くの読者が身をもって知っていることだろう。
一方で青マナのカードはこれだけであり、また手打ちする機会も非常に少ないため、リクと違い手札に来たら何の役にも立たないカードになる点は決して忘れてはいけない。屈指を誇るトリガー性能であり4枚積みたいのはやまやまであるが、色のバランスを考えれば2~3枚の採用も大いにあると感じている。

・まとめ
2020年冬 デュエプレ界は超新星の炎に包まれた!!
だが…赤白速攻は死滅していなかった!!

ということで赤白速攻は、採用札を環境に応じて入れ替えることでまだまだ戦い抜くことが出来るという結論に筆者は至った。確かに守護神とも言えるホーリースパークを封じ込められた時は割と絶望した。しかし他のカードである程度対処できたこと、そして何より対戦相手にホーリースパークの影がチラつくことで適切な行動を誤らせ、結果勝ちに繋がった試合は決して少なくなかった
特に多かったのがツヴァイ対面やメカオー対面。相手はブロッカーを消費してまでマーキュリーの着地を優先した結果、トリガーのコロビナー・リク・サーファーで逆転した試合が数多くあった。これらが無ければレジェンドタッチには決して至らなかったと感じている。
これは赤白速攻側から見たら「負け筋を増やしてアホだなぁ」と思えてしまうのだが、逆の立場だとしてホーリースパークをケアせずマーキュリーを敢えて温存する、というプレイングが果たして出来るだろうか?少なくとも筆者は出来ない。このようにホーリースパークというカードが存在してしまうだけでも、駆け引きが成り立つこと自体が効果の強力さを物語っていると思う。
また、仮にサーファーをケアしてメカオーのフィニッシャーをヴィーナスに変えたとしよう。そうなれば今度はホーリースパークの餌食となるだけである。マーキュリーが流行る→トリガークリーチャーが流行る→ヴィーナスが流行る→スパークが流行る→マーキュリー以下略…の流れは当面続くだろうと筆者はこっそり思っている。
絶対的に苦しかった天門は数をやや減らし、環境に君臨するツヴァイも依然厳しいもののそれぞれに有効となるミリオンパーツを獲得した赤白速攻。今期もNDではまだまだ戦えるだろう。

2.黒緑速攻

使用ディビジョン:ND
最高レート:1579(筆者)
※デッキレシピはおはさん氏のものを承諾の上転載

・主な7弾追加カード
自由な旅人ベア子姫、封魔ヴィネス、デンデン・パーカッション

・主なスタン落カード
…スナイプ・モスキート、ねじれる者ボーン・スライム

・概要
まず最初に、このデッキは筆者自身によって作られたものではないことを明記しておく。デッキレシピの製作者はおはさん(@ohaSAN_dm )氏であり、内容に感動した筆者が許諾を得て当記事で紹介させて頂く運びとなった。なお、デッキの所感は全て筆者のものであるのでそちらもご了承頂きたい。
このデッキ、分類上は速攻としているが相手によっては除去コンに勝る除去性能を見せながらビートを仕掛けてくるという非常に恐ろしいデッキとなっている。また採用されている2マナ帯のクリーチャーは環境デッキに対して強いメタ意識を感じられた。
一見するとSAも無い上にトリガーがどうしようもなく薄く、果たして何が強いんだろうという印象を受けると思う。事実、カードの使い方を誤ると非常に脆い。しかし、適切な札を切れた時の強さは他の速攻デッキと比べても異質な強さ持つと感じた。

・デッキ全体の特徴
遅い、横に広い、受けが弱い、そもそも受ける展開になりにくい
…書き出すとチグハグではあるが確かに筆者はこう感じた。1マナ獣は非常に癖が強く1ターン目に出せなかったり殴り続けることができず、また3ターン目のSA獣も存在しないため単純な速度は他の速攻と比べて劣る。一方でクリーチャーの多くは2マナ以下であり、4マナまで貯めれば手札の続く限り毎ターン2~3枚のカードを盤面に繰り広げることが出来る
受けに関してはトリガーがベア子の4枚のみと非常に薄いが、パワーラインの高いクリーチャーを並べることが可能(1マナ2000、2マナ4000~)なこと、そしてベア子とドレインワームにより相手の小型獣を潰しながらこちらの頭数を増やせることから、序盤の盤面奪取力は相当に高いデッキだと言える。

・重要カードその1「愛嬌妖精サエポヨ、怒髪の剛腕」
環境デッキである白緑ブリザード、白青メカオーを潰すための2マナ札。
この2枚を立てることで白緑ブリザードの大半は足止めを食らい、またメカオーは殴り返しが出来ず往々にして棒立ちを強いられることが多い。そしてそのような相手を「重要カードその3」のカード群で除去しながら盾を割り切るのが理想的な流れとなる。クリーチャーを展開するデッキに対してはこの2枚、すこぶる相性が良い。
一方で除去コン相手にはファントムバイツやクリムゾンチャージャーで容易く焼かれる、また相手ターンの手出しピアラハートでも焼かれるので赤や黒がマナに見えた際はマナに送る方がいい場面もあるので注意。

・重要カードその2「ヤット・パウル、デンデン・パーカッション、光線人形ストリウム」
除去コンを徹底的に潰すための2マナ札。
相手のマナに黒または赤が見えたら除去トリガーが入っている可能性が非常に高いため、これらのクリーチャーを優先的に展開する。先攻であれば後続を確保するためにヤットパウルを、後攻であれば除去耐性を考慮してパーカッションかストリウムを立てるのがベターだと筆者は使用して感じた。
一方で除去呪文が相手にない場合はパーカッションは2マナ1000のバニラ、速攻相手のヤットパウルは自殺行為なのでこうした相手の場合はマナに優先して送るのが好ましいだろう。

・重要カードその3「自由な旅人ベア子、封魔ヴィネス、貴星虫ドレインワーム」
棒立ち状態のシンパシー/G0元、厄介なシステムクリーチャー、ブロッカーを潰すための札。
特にベア子は2000まで対象に取れるため序盤に出てくる殆どのクリーチャーに対応する上にトリガーまで付いているので、優先度はこのデッキで最も高いと感じる。
一見するとマナ加速は利敵行為にも成りうると感じるが、そもそも厄介なシスクリ(コッコルピア、マイキーのペンチetc)やシンパシー/G0元(リキッドピープル、メカオーetc)を盤面に残しておくほうがよっぽど危険なので効果を使える場面では積極的に除去する動きが望ましい。
またサイズを問わずブロッカーを破壊できるヴィネス、クリーチャーかつcip-1000効果を持つことで怒髪及びサエポヨと相性の良いドレインワームを用いて盤面を制圧しつつ打点を入れる動きが非常に強い。

・まとめ
除去コン相手には対処の難しい速攻デッキ、速攻と中速相手には盤面を制圧しながら殴りかかる除去ビートとして戦い方を変えるのがこの黒緑速攻という新しいデッキタイプだと言える。
単体のカード自体はどれも癖が強いものの、それぞれの長所を生かすことで多くの環境デッキに戦えるのがこのデッキの特徴だと筆者は感じた。
一部のデッキに対する詳しい立ち回りはおはさん氏のTwitterに記載されており、またVTuberである紫電ライジ(@raiji_vtuber)氏がこのデッキを使用した動画を上げているのでそちらを視聴することで更に理解が深まると思う。
デッキ自体は非常に安価(UC12枚、C28枚。ポイント換算で計2600DMP!)なので、是非とも一度手に取って試してほしいデッキである。

3.赤緑速攻

使用ディビジョン:AD
最高レート:1568(シーズン4日目レジェンドタッチ)

・主な7弾追加カード
究極戦士ファルゲン、弾け山のラルビン

・主なスタン落カード
…ADのため無し

・概要
デッキタイプ自体はリリース当初から存在しているのがこの赤緑速攻。速さと展開速度は赤白速攻以上であるが、トリガーを踏んだ時に酷く脆いこと、そして防御トリガーが壊滅的なことからランクマッチでの使用率は決して高くなかった。しかし、第7弾にて赤緑速攻のエース格とも言えるファルゲンを、そして非常に易しい条件で2マナ3000の高スタッツを維持できるラルビンを新たに獲得。以上により除去トリガーに対する耐性が飛躍的に向上した結果、天門の減少も相まって現環境では十分に戦えるデッキだと筆者は考える。

・デッキ全体の特徴
速い、デカい、マナが伸びない、マナを伸ばせない
1マナ獣が多く搭載できる上に3マナSA獣も採用可能、更に幻月やヤッタルワンを疑似的に1マナ獣として使用することも可能なため展開速度は他の速攻の追随を許さないものになっている。またパワーラインも高く、特に2マナ獣は安定して3~4000の高水準を誇り軽量除去や殴り返しに対し非常に強くなっている。一方で構成するカードのほとんどが2マナ以下であること、そしてアタック時にマナから1枚回収するモスキートがデッキの核となることから、マナはほとんど伸びず寧ろ伸びた時ほど危ないという特殊なデッキとなる。1~2マナのカードたちを如何にして4ターン目までに使い切れるかがこの構築の肝だと筆者は感じている。

・重要カードその1「究極戦士ファルゲン」
第7弾で追加されたカードであり、このデッキのエースアタッカー。
2マナで4000、1マナで5000になることで、火力除去や殴り返しに対して凄まじい耐性を誇ると共に、軽量ブロッカ―を力技で踏み越えることもできるバケモン。次に挙げるモスキートと組み合わせることで2ターン目からシールドを割りつつファルゲンの高パワーを維持する流れがシンプルに強い。
マナにカードを貯めるほどパワーが下がるが、この構築なら2マナあれば最低1枚カードを使用できるので、3マナ以上まで伸ばす必要が殆ど無い点もデッキ全体として相性が良い。文句なしで4枚投入するべきカード。

・重要カードその2「スナイプ・モスキート」
AD環境でのみ使える1弾からお馴染みのカード。上述するファルゲンのパワー仕様を活かしつつ2ターン目からシールドを割りに行けるのが強み。また通常のデッキでは2ターン目に攻撃するとマナを3以上まで伸ばせないというデメリットを抱えることになるが、この構築だと2マナあればクリーチャーの展開も除去も出来るのでさしたるデメリットにはならない。また2ターン目に幻月でマナブーストし追加で1マナ獣を召喚、さらにモスキートで回収し2ターン目に3マナの動きをしながら手札をキープする上振れムーブも非常に強い。1ターン目に出せるクリーチャーであり、他カードと併せることで更に強くなるこのカードも文句なしに4枚投入するべきカード。

・重要カードその3「火炎流星弾、ボルカニックアロー」
上で挙げた2マナで出来る除去カードがこちらの2種。
2マナで6000以下1体除去、又は6000ブロッカー1体除去+1マナ獣を出せる小回りを利かせられるのがこのデッキの強みであり、特にリキッドピープルやメカオーといった展開するデッキに対して速度で押し込む作戦の要となる。またモスキートの能力を活かし、常に除去札を相手に見える形で1枚抱える圧の掛け方は赤緑の醍醐味だと勝手に思っている。個人的にどちらも4枚投入を強く勧めたい。

・まとめ
動き自体は速攻の中で最もシンプルな赤緑速攻であるが、マナに置く色と数だけは速攻デッキの中で最もシビアに考える必要があると使用して感じた
少ないマナを取り回し低コストで優秀なクリーチャーや除去をブン回せるのは他の速攻には無い赤緑唯一の強みである。一方で確実に2マナで赤と緑を確保する必要があるため、構築段階で色が偏れば安定性が大きく欠けることもあり意外と繊細さを求められる部分があるのも魅力の一つだと感じる。(ゴンタを4投しないのはタップイン事故を極力防ぐため)
かつては運ゲーの代名詞として見られた赤緑速攻、現在はトリガーにも耐えうるカードが揃いつつあるので是非とも一度握ってみて欲しい。

4.赤黒速攻

使用ディビジョン:AD
最高レート:1593(下画像を使用)
※上はオーソドックスな赤黒速攻、下は対速攻意識の赤黒速攻

・主な7弾追加カード
デンデン・パーカッション、封魔ヴィネス

・主なスタン落カード
…ADのため無し

・概要
5弾でヤットパウル、6弾でストリウムを貰いながらも今一つ他との差別化が出来ずにいた赤黒速攻だったが、7弾で除去呪文に対し抜群の耐性を持つデンデンパーカッションとブロッカー除去を持つ封魔ヴィネスを獲得したことで環境へと食い込み始めた。
黒はもともと癖が多く扱いが難しいカードが多い印象があるのだが(主観)、速攻系のカードでもその例に漏れず運用するのに多少難儀するデッキだと筆者は思った。強い相手にはとことん強いが弱い相手にはコテンパンにやられてしまう、使いどころを選ぶ速攻だと言えるだろう。

・デッキ全体の特徴
そこそこ速い、除去耐性が異常、防御面は構築次第、盤面は正直微妙
…速さに関しては1ターン目から毎ターン殴れる1マナ獣が貧弱なもののSAを複数積む事が出来るのでそこそこは速い。
またクリーチャーが軒並み除去コンに対して強く、疑似キャントリで後続を引き連れるヤットパウル、火力と殴り返しに耐性を持つストリウム、呪文による除去を防ぐデンデンパーカッション、優秀な3マナSA、中型ブロッカーをあざ笑うようなヴィネス、SAも良し除去も良しと大変器用なマルドゥクスなど嫌がらせレベルに豊富であることが最大の特徴と言える。
防御面は基本薄いものの、速攻対面で踏ませれば大きく有利になる地獄スクラッパーをはじめ赤の火力CIP獣や黒の確定除去なども積む事は可能なので構築次第では他の速攻デッキと殴り合うことも可能である。
一方でクリーチャーデッキに対しての盤面奪取力はそこまで高くなく、コッコルピアやアクアスクリューといったパワー1000のシスクリには対応出来るがそのラインを超えると対応が一気に厳しくなる

・重要カードその1「デンデン・パーカッション」
デッキによってはこの1枚で壊滅することも珍しくない、2コストにして類まれな除去耐性を持つカード。赤黒速攻が除去コンに対して圧倒的な優位を誇れる理由の一つであるが、逆にクリーチャーデッキに対してはパワー1000のバニラに過ぎないので出す相手を大きく選ぶ1枚となる。徹底的に除去を狩る構築なら4積みで間違いないが、他の相手にも対応したい場合は3積みで良いとも筆者は感じている。

・重要カードその2「ピアラ・ハート」
速攻デッキに対する受けとして、そしてアポロヌスデッキの起点阻止として必須レベルのカード。
速攻各種、ブリザード、ツヴァイ、ドラゴン、メカオーと除去コン&天門以外のあらゆるデッキで活躍が見込まれる、攻守の要とも言えるカードである。赤白速攻など守りが厚いデッキでは2~3枚に抑えられることも少なくはないが、メタビートとしての側面が強く受けも弱くなりやすい赤黒速攻では4積みを推奨する。

・重要カードその3「腐敗勇騎マルドゥクス」
4マナ3000SAという赤黒速攻において屈指のスタッツを誇り、場合によっては除去札にもなる多色カード。基本的に4マナは速攻において重い部類に入るが、疑似キャントリを持つヤットパウルを組み合わせることで比較的マナを伸ばせると判断した上での投入としている。
また3000というパワーは軽量除去やサーファーの殴り返しを受けずリキッドピープルブロッカー連中の上を取れることから環境にマッチしている点も魅力の一つと言えるだろう。個人的に赤黒速攻を組むなら積んでおきたいカード。

・まとめ
普通に組めばクリーチャーの性質から除去コン、そしてアポロヌスに対して圧倒的な有利なデッキとなるが、その一方で対速攻やブリザード、メカオーに対しては大きな不利が付くデッキだと言える。筆者は対速攻に耐性を持たせるために地獄スクラッパーを4枚搭載し多少の殴り合いでも戦える構築を好んで使用している(これでも対除去とアポロヌスには十分強い)が、環境を読んで有利な対面で確実に勝つことを考えるならオーソドックスな4×10が最も効果的かもしれない。
シンプルに使うだけでは決して速くなく殴り合いでも弱い速攻であるが、使うタイミングや構築次第で大きく化けるタイプだと言えるだろう。

5.つまりまとめると

・赤白速攻
強い点…トリガーが強い、拡張性が高く調整次第で様々な相手と戦える。
弱い点…構築上高マナが増えやすく上振れ下振れの要素が一番大きい。

・黒緑速攻
強い点…多くの環境デッキと戦うことが出来る、トリガーに頼らないためプレイングが出やすい。
弱い点…カードの使い方を間違えると酷く脆い、トリガーに頼らないためプレイングが出やすい。

・赤緑速攻
強い点…速攻デッキで一番早くクリーチャーにも火力除去にも強い、低コストのカードが大半を占めるため事故が起こりにくい。
弱い点…後続が続かないため確定除去を踏み過ぎると一気に厳しくなる、トリガーが弱く一旦守勢に回ると挽回できない。

・赤黒速攻
強い点…普通の除去コンに対してべらぼうに強い、意外と構築の幅が広く受けを強くすることも出来る。
弱い点…速攻同士の殴り合いに弱くクリーチャーを展開するデッキにも弱い、得意な相手と苦手な相手の差が非常に大きい。

6.さいごに

環境で戦える速攻のデッキタイプがここまで増えると予想していた方は居られるだろうか?筆者は正直この展開を想像していなかった。
繰り返しになるが、筆者は運営が今回明らかにホーリースパークへの対処札として超新星を意図して実装したと思っている。
これまで中速デッキが環境を取ることが出来なかった理由の一つとして速攻デッキの後ろに控えるホーリースパークが非常に大きい。どれだけ丁寧に盤面を処理してもラス盾スパークで受けきられ、返しのターンでSAを出され悔しい敗北を喫したプレイヤーも数多くいることだろう。そこに変化を加えるのは環境に刺激を与えるという意味で当然だし、寧ろ今まで手を付けられなかったこと自体が速攻デッキにとって幸運だったのかもしれない。

しかし速攻愛好家はそれらを掻い潜り工夫を重ねることで、環境に適応した赤白速攻をこの魔境で生き延びさせた。させてしまったとも言えるかもしれない。それどころか新たなタイプの速攻デッキがこっそり芽を出しつつある始末である(歓喜)。

また環境自体も7弾実装初期のアポロヌスフィーバーから落ち着き、ブリザードやツヴァイ、メカオーや天門、グールや除去龍虎、除去サファイアやカチュアが飛び交う混沌とした環境となっている。もちろんアポロヌスも対策を怠ったら一撃で吹き飛ぶメタ必須のデッキとして環境に居座っている。その中で速攻も一定の位置を占め、環境に作用し続けるだろうと筆者は現在感じている。

速攻デッキはいざ対戦が始まればコントロールデッキに比べて考えることは間違いなく少ない。しかし対戦が始まるまでは環境で対面するデッキのことを考えてアレやコレやと微妙な調整を行うものであり、またその時間に対戦と同じぐらい楽しさを感じているプレイヤーも居るかもしれない
更にデッキ作成にかかるコストが概ね安い上に一回の対戦時間も短くなるため、時間もお金も縛られている社会人諸兄には特にオススメできるデッキとも言える(失礼)。

また今回は前々作と異なり対戦相手に応じた構築ではなくそれぞれの速攻デッキとそのサンプルを主体として話を進めたが、勿論ここに記載したサンプルが完成品というわけではない。あくまでレジェンドタッチを達成した一例であり、更に強い構築が数多く眠っていることだろう。出来る事ならここまで読んで頂いた方々にその答えを見つけて貰えれば筆者としては冥利に尽きる

この拙文を通して速攻の魅力が少しでも伝わり、デュエプレを今以上に楽しんで頂ければ幸いである。

2020/12/20 こじぃ

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