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【第3部】空き家の運営を黒字化した経験から〜行政や地域住人を巻き込んで〜

第3部になりました!
連続で読んでいただいている方はありがとうございます!
自分の活動をまとめる+発信するという目的で始めたのですが、「いつも見てるよ!」という声を頂けて嬉しく思います!

初めてご覧になる方は第0部をさっと目を通してから見ていただけると頭に入りやすいかと思います!

改めて以下構成載せておきます。
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【第0部:概要の説明
【第1部:事業のはじまり
【第2部:いざ!空き家の改修!
↑過去の投稿はこちらから!

【第3部:空き家を改修しても空き家のまま】

【第4部:事業の好転。そのきっかけとは】
【第5部:手がけたプロジェクトの紹介】
【第6部:取り組んだ活動の紹介】
【第7部:あきばこ家の今後】

今回で第3部になります。
第2部までは私があきばこ家に私が加入する前のお話で本編より、あきばこ家に加入してからの活動になります。

少しリアルな声も交えながら書いていきます笑

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【目次】
1.完成後のながせのながや
2.借り手の少ない地域サロン
3.借り手のいないシェアハウス

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〈1.完成後のながせのながや〉

第1〜2部で説明した「ながせのながや」が2016年6月に完成しました。
空き家を改修して、運営していくというスキームがいざその通りに進むかというと実際上手くはいきませんでした。

『毎月のイベント』に追われる日々

ながせのながやの地域サロンの改修に対して行政から助成金を頂いたのですが、その提案の中に毎月あきばこ家が地域サロンでイベントを催すということになっていました。

「毎月イベントを催します」とは言っても、コンテンツを毎回変えて、子ども向けのイベントを企画・広報・募集・実施と進めるのはなかなかハードでした。

さらに、、広報先のツテが行政のSNSと商店会くらいしかなく、小学校には信頼がまだ得られないため、メインターゲットとする地域の子供達にはリーチ出来ませんでした。

苦しいイベントのスタート時期

(↑初期の頃のイベントの様子)
まだ「ながせのながや」があまり知られておらず、広報のツテも少なかったため参加者が数人しかいなかった。。。

限られた時間でイベントを企画し、さらにチラシのデザイン、配布まで行いました。
それでもイベント当日は来場人数が数人ということが度々ありました。
「自分たちは頑張ってるのになぜ分かってくれない!?」というやつですね。ただ原因を客観的に見てみると少しづつ分かってきました。

地域の認知度が低い団体の主催イベントに来るハードルが高い。ということです。
当時は地域サロンのレンタルもあまり稼働していませんでした。また、初めからイベントを催しては大盛況ということはなかなかないので、粘り強く継続することで「あっなんかあそこよくイベントとかやってるね。」というイメージを刷り込むステップが必要だと気付きました。

新たな人脈を広げに、、

イベントを数度開催した時ほどに、地元の広報をされている方が近くの商店街のイベントを紹介して下さりました。そこは毎年ハロウィンに商店街を一団となってスタンプラリーイベントを催しているのですが、2回目にして参加者が600人超えという素晴らしいイベントです。

(↑河内小阪駅前の商店街が参加者でいっぱいになっている様子)
参加してブログを書きました。(こちら

主催の方にあきばこ家の活動について、相談した結果チラシを配布している小学校の校長先生を紹介いただけました。
自分たちの活動や目標を実際に活動している人に会いに行き、話すと自分自信の整理にもなりました。この時期はたくさんの方々に会いに脚を使いながら認知度を広めていきました。

それからイベントを続ける中でただのルーティンになってしまっていたことに気づきました。
また、自分達が汗水流して必死にしていても、継続しにくいので自分の方針としては"他団体や他者を巻き込んでいく"ことにしました。

例えば12月のクリスマスイベントはチョコレート工房(後ほど説明)の方々を巻き込みチョコレートを出してもらい、1月では自治会から臼と杵を借りて餅つきをしたり、自分達だけで頑張るというよりもあくまでも"場"と"機会"を作る役割に少しづつ調整していきました。

そうした方があきばこ家単体でイベントを行うよりもイベントの内容に濃さが生まれ、また集客力も上がりました。まあ次第に地域サロンの利用者が増えていったこともあり、イベントの参加者も増えていきました。

地域の中には様々な強みを持った団体や人がいるので、こちら側の理念や目標に共感していただける方々を発見し、地域サロンを使ってもらい、イベントの主催側に回ってもらうというスキームを目指していました。
それは私があきばこ家に参加し1年半経った卒業前に実現しました。地域サロンの借り手の方々とイベントを企画して定期的に行っていくというモデルを作り、今では定期的に開催されています。

(↑地域サロンの利用者が主催のイベント。)
バザーのような形で終日イベントを組む。地域サロンの利用者は関わりが少ない利用者同士のコミュニケーションを取ることができ、また自身が普段出展している内容をアピールできる。

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〈2.借り手の少ない地域サロン〉

ながせのながやが完成後、この地域では珍しいレンタルスペースが生まれました。"シェア"という概念が弱い地域ということもあり、事業は上手くいきませんでした。

(↑地域サロンの内観)
吹き抜けが気持ち良い空間。現在1時間あたり500円、1日最大3000円で貸し出している。

完成後に内覧イベントを催したのですが、それをきっかけに駅のすぐ近くでヨガ教室をされている方が週1〜2程度バラバラと、1日2時間ほど利用いただけることになりました。

他は単発でたまに使う人がいるくらいで、地域の人からは「助成金をかけたのにずっと空いてる」という印象を与えていたくらいです。
ヨガ教室の方に継続的に利用いただき、その方からの紹介や、定期的なイベントなどを通して次第に使える場だと知られていくことになりました。

それから利用者の繋がりでフリーマーケットを定期的にしたい方や、地域包括支援センターの方など次第に利用者が増えていくことになりました。

"固定利用"のアイデア

これまでは単発の予約だけだったのですが、曜日固定利用という使い方を利用者に提案し、契約をいただくようにしました。
こちらとしてのメリットは安定的に利用者を確保できることと、空き時間を確定して単発で使いたい人が使えるようにすることです。

(↑去年の1月のカレンダー)
固定利用だけで曜日毎に使い方が変わる。
自治会の掲示板に掲示していただいているので地域住民の方々もいつ行けば何しているのかが分かりやすい。

利用者としてのメリットは集客が簡単ということです。例えば火曜日に行けば〇〇さんがヨガ教室をしているということをアピールでき、またその参加者は毎週火曜はながせのながやでと使いやすくなるためです。そうして、現在は週5日以上は稼働している状態になっています。
(利用カレンダーはこちら

まるで"ムーブメント"

初めは、急にリノベーションされて出来た空間を地域住民がどう使ったら良いのか分からない状態でした。それをヨガ教室の方が使い方を示し、また友人に口コミで伝えていただけたことで今では週5日以上回っています。

ムーブメントの起こし方」ではないですが、あきばこ家がイベントを開催→第一の利用者が生まれる→次々と利用者がといった具合になります。
そうなってくると初めに「助成金をかけたのに空いてばっかやん」と批判していた人は何も言えなくなる状態になりました。むしろここまでくると反対しにくい。

こうなると隣の自治会長さんや商店会長紹介するよだとか、商店街ミーティングに来ないかなどなど、となってきました。

(↑毎年1月に主催する餅つきイベント。)
隣の自治会で恒例の餅つきが廃止され、どうにかして餅つきをしたいというニーズをあきばこ家が担っている。

行政からの助成金を得て活用するというプロジェクトは地域的にも、行政的にも成功事例となるのでどんどん聞きつけた人たちが現れました。

そうやって隣の市の空き家再生PJの手伝いをしたり、近隣の大家さんの長屋の改修依頼が舞い込んできたりと活動しているとどんどん拡大していきます。(詳しくは第6部で)

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〈3.借り手のいないシェアハウス〉

ながせのながやは地域サロンの売上と学生用シェアハウスからの収益でオーナーに返済していくというスキームになります。
その中でも家賃収入は大半を占め、あきばこ家の活動の"エンジン"とも言える大事な部分になります。

(↑左手が居室、右手が廊下)
床は杉の無垢フローリング、壁は漆喰仕上げでロフト付き。ちなみに左手の部屋に住んでました笑

私があきばこ家に本格的に参加したのが、ながせのながやが完成して3ヶ月目でしたが、その際には誰も住んでいませんでした。"改修しても空き家のまま"でした。。。

1人1部屋と水回りとリビングが共用になっていて、家賃は管理費・光熱費・通信費全て合わせて月36000円になります。
「えっ、めちゃ安いやん!」と思われる方が多いかと思いますが、東京とは違ってこの地域は2〜3万円の家賃でそこそこきれいな6畳ワンルームに住める地域なので、少し高いのにシェアなんて、、という学生が多かったです。

運営している団体の中に住もうと誰もならないのもおかしな話ですが、、、。
そこで自分自身が住んでみました!!

中型バイクで通学してたので、実家とながせのながやを行き来していました。いわゆる2拠点居住というやつです。(2拠点居住の文章も書いてみます!)

初めはシェアハウスに一人暮らしという変な住み方をしていました。そこで友人を呼んで鍋パーティーをしたり、たこ焼きを焼いたり楽しんでいました。

苦戦した入居者募集

(↑入居者募集に使っていたチラシ)
チラシでの募集はほとんど効果がなかった、、

シェアの概念がない地域において、シェアハウスの入居者を募集することはなかなか難しかったです。学生が下宿先をどのように選ぶのか調査をして何が障壁になっているのかを洗い出しました。

契約書を近くの不動産屋さん監修の元作成したので、「住みたいけどなぁ、、」と言う人の障壁を条件整理して、契約書の内容を変えて入居してもらったりしました。
チラシで決めてくれた人が1人、条件整理と契約書の変更などで2人入居して結果自分入れて4人になりました。
ようやくシェアハウスらしいですよね笑

声をかけても出来ない理由をまとめてくる人と、気持ちはあるのに出来ないと言う人の差は歴然なのでその気持ちに寄り添って契約を変えることが出来たことが空き家に入居者を入れて運営するにあたって強みになりました。
住宅が多い中、他との違いを出さないと勝てないので、違いの出し方がとても学びになりました。

シェアハウスの運営のために近隣のシェアハウスを実際に見学に行き、運営体制を学ばせていただきました。当時は私が管理人として運営していましたが、後輩に引き継ぎ今のところもなんとか回っているところになります。

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長くなりましたが以上で第3部は完結になります。
少し実際の活動していた時の思いが出てしまい長くなりました笑
ただこの時期は理想と現実のギャップがたくさんあり、少しでも近づくためにいろんな施策を打ちながら考え、また動くといったことをし続けていました。
その結果事業が上手く好転し、要の事業が回ることで他の活動にも広がっています。

他の活動については少し予定変更して、次の第4部から紹介していきます。
もし良かったら見てください。

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【第0部:概要の説明
【第1部:事業のはじまり
【第2部:いざ!空き家の改修!
↑過去の投稿はこちらから!

次回以降の予定
【第4部:手がけたプロジェクトの紹介】
【第5部:取り組んだ活動の紹介】
【第6部:あきばこ家の今後】

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