【第4部】空き家の運営を黒字化した経験から〜行政や地域住人を巻き込んで〜
長いもので第4部になりました!
連続で読んでいただいている方はありがとうございます!
自分の活動をまとめる+発信するという目的で始めたのですが、「いつも見てるよ!」という声を頂けて嬉しく思います!
初めてご覧になる方は第0部をさっと目を通してから見ていただけると頭に入りやすいかと思います!
改めて以下構成載せておきます。
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【第0部:概要の説明】
【第1部:事業のはじまり】
【第2部:いざ!空き家の改修!】
【第3部:空き家を改修しても空き家のまま】
↑過去の投稿はこちらから!
【第4部:手がけたプロジェクトの紹介】
【第5部:取り組んだ活動の紹介】
【第6部:あきばこ家の今後】
今回で第4部になります。
ここまで読んできていただけた方はほぼ活動を把握されてるのでは?と思います、、!これから初めて読む方は第0部を見ていただけると分かりやすいかと思います!
これまではあきばこ家がながせのながやをどのように"再生"させたのか。ということをテーマに絞ってまとめました。
この章ではあきばこ家の中で私がどのようなことをしたのか、また“ながせのながや”とは別で生まれたプロジェクトの紹介、リノベーション事例の紹介をさせていただければと考えています。各プロジェクト毎少し長くなるので、プロジェクト毎に紹介できればと思います。
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【第4部目次】
⑴チョコレート工房project (2016/12)
⑵ながせのながや入居募集project (2016/12〜)
⑶4軒長屋リノベーションproject (2017/2〜)
⑷「造(みやつこ)」リノベーションproject(2017/6〜)
⑷オープンナガヤ大阪 (2017/10〜)
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⑴チョコレート工房project
2016.11〜12チョコレート工房project私があきばこ家に入ったのが2016.9のことです。きっかけとしては同大学の経営学部の教授からの提案でした。
●チョコレート工房projectの始まり
ながせのながやがOPENしたのが2016年6月。少し稼働し始めた頃のお話です。
私の研究室の先生の元に「経営学部の教授がチョコレートを製造する工房が欲しい」という声がかかりました。
(↑12月のクリスマスイベント時のもの)
ながせのながやの運営がまだ軌道には乗っていない時にまた大きなprojectが始まると共倒れになるのでは?という声もメンバー内でありましたが覚悟を決めて決行することになりました。
⇒なぜ決行したのか?
わ実はこの理由はそんな深くないです笑
>この時期は私の下の学年は30名ほどいました。その中に急に最高学年(当時私は3年生)が入ってきて副代表になりました。
→普通メンバーは嫌に思いますよね?ほんまに出来るんかよこいつは?と笑
そこで自分自身の覚悟を示すためにも考えるより行動しました。(あんまりみんなに言ってない笑)
●チョコレート工房projectの概要
経営学部とは言っても"環境経営"を専門とする教授が起業したい学生を募り、projectが発足しました。
ビジネスモデルとしてはインドネシアからフェアトレードでカカオ豆を仕入れる「dari k」という会社から豆を仕入れ、それをこのながせのながや内にあるチョコレート工房で製品化するというものです。(取材記事はこちら)
主に学生がメインでチョコレートを製造することから関わり、どうやって1つの製品を1から生み出していくのかということが学べる非常に有意義な企画です。
●チョコレート工房に立ちはだかった壁
チョコレート工房を工事にするにあたって、行政の許可が必要でした。
“↑「東大阪市役所」出典:東大阪市HPより)”
申請が必要な理由は“助成金をかけて作った地域サロン内に工事するから”です。
公のお金が投入されていることと、“ながせのながや”が完成してから約5ヶ月ほどの時期なので、「当初から計画にふくめられたのでは?」という話や「補助金のかけた場所を営利団体へ貸すのはどうなのか?」といった意見が出てきました。そういった疑問に対して理由書を作成し、実際に市役所に伺い説明をさせていただきました。
その結果、、、、、無事申請を受理いただけました!
まちづくりにおける"ハード"と"ソフト"において、団体名や活動内容などソフトの面はやっていく中で変わっていくことは仕方ないので、それに見合ったハードの使い方は当然変わるべきという寛大な許可を頂けました。
行政の許可を頂いたら早速次は設計・施工に取り掛かることになります!
●チョコレート工房の設計施工
(↑右手が地域サロン入口側から見た「チョコレート工房」)
11月頭に行政の申請を行い、末に許可を頂きその後12月初めに着工というかなりタイトなスケジュールでした。
私自身初めての実施設計のため図面をどう描いたらいいのかも分かりませんでした。予算は100万円ということが決まっていて何にお金がかかるのかも分かりませんでした。研究室の先生にサポートをいただきながら基本設計から実施設計まで詰めていきました。怒涛の1ヶ月でした。。。
ただ、分からないけれども現場に自分も出て工事を一緒に行ったことで“どうやって作るのか”を見ることができたので、自分の図面に足りないものを現場で決めながら進めていくことができました。(本来は設計時に決めるべきですが、、、)
(↑タイルと棚の収まりと高さ確認の様子) 大工さん、お施主さん、電気屋さんと集まっていただき、棚の高さ確認をした時の様子。
工事については12月初旬に着工して、12月20日のクリスマスイベントに間に合わさなければならないというかなりの急ピッチで進めました。
その間は地域サロンの利用者の方々にご迷惑をおかけしたり、準備不足を思い知らされました。。。
当時は私自身“ながせのながや”に住んでいたのである意味現場張り込みで工事を見れました。朝一番に大工さんが来て、起こしてもらうといったことが度々ありました笑
なんせ8時には工事スタートするので、、、。
図面を描くだけではなく、実際に現場に行ってどこは分からないといけないのだとか自分に足りなかったものが嫌になるほど学べました、
(↑タイルの施工。タイルは研究室のメンバーと一緒に楽しみながら貼りました)
「天板とタイルの取り合い部分はどう処理しよう」など実際の設計を通じて学びながら指示を出すことができました。学生時代の設計だけではすぐに活躍できないと思い知らされました。。。
●保健所の申請
チョコレート工房はチョコレートの製品を製造する場所になるので、保健所に申請を出して許可を頂く必要がありました。そして「菓子製造業」の許可をいただきました。
ただ許可をいただくにあたっていくつか制約があり、それが設計の根本となりました。
例えば、壁面や天井面の仕上げをボードで仕上げて衛生を保つことや2層シンクなどなどのルールを詰め込みました。
築86年の長屋ということもあり、難しいかと思いましたがするっと通りました。
●いよいよ引き渡し、、、
急ピッチだった工事は少し延びましたが無事完了して、引き渡しが出来ました。
引き渡しの時のドキドキと嬉しいという気持ちがとても記憶に残っています。
引き渡しの際に私側としては無事完了してOKもらいたいという思いはもちろんある中、高額な投資をしているので細かく見ることや使い勝手を試し、もっとこうしたいという素直な意見をいただき是正あし実はその場での感情やちゃんと説明すれば納得いただけるのだと分かりました。
●さいごに
このチョコレート工房は“ながせのながや”のオーナーからあきばこ家が一括で借り上げている(サブリース)ので、あきばこ家が工房を経営学部の教授に貸すということになりました。(工房は建物に対して“造作”となる)
以前入居者の契約書を作っていたので、その要領で契約書を作成し、無事引き渡しが完了しました。
こうやって1つの事業が新たに地域サロンの中で展開されることになりました。
そして12月20日に無事クリスマスイベント兼オープニングセレモニーを開催し、無事projectは完了しました。チョコレート工房はテナントさんとしてイベント時にチョコレートを出していただくなど関わっていただいています。
(↑チョコレートを作る経営学部の学生)
その後、経営学部の教授が率いる「美菓羅屋(みからや)」という団体を作り、活動を始めました。
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ざっくりと書きましたが長くなったので次の『ながせのながや入居募集project (2016/12〜)』は次回にまとめたいと思います!
ここまで読んでいただきありがとうございました!
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