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『アンモナイトの目覚め』


シャーロットは愛してくれる人を求め、メアリーは慈しむ相手を欲した

荒々しい波の絶えない海岸
薄寒いグレーの空
幾重にも連なる地層が剥き出しの岩肌
それがイギリスの海辺の原風景か
2人の出会った場所だ

さらさらと白い砂のように涼やかなシャーロットが、頑ななメアリーを少しずつ少しずつ解いていく
メアリーはいつ笑顔を見せるだろう
解けるスピードはとても遅い
それでも少しずつ少しずつメアリーの表情は変わってくる

2人が愛を交わしあい、今度こそメアリーの笑顔が見られるだろう

でも、ケイト・ウィンスレットの演技は私の予想を上回っていた
メアリーはあの美しい女優のケイトではなく、本当にメアリーだった
何気ない瞬間に少しだけ口角が上がる
そんな微かな笑みを見せてくれるだけ

映画はいつも「?」で始まる
?、?の連続がひとつずつ明かされて、映画の中に引き込まれていく
この作品は「?」への明確な答えがない
それは私の英語力の無さや、字幕の文字数の問題なのかもしれないけど
メアリーは何故あんなに心を閉ざしているの?
シャーロットが鬱になったのは何故?
メアリーの兄弟達、生き残ったもうひとりは何処?
大英博物館に展示されるほどの大発見をしながら、生活が苦しいのは何故?
メアリーの母親は彼女の性的嗜好を知っていたの?

わずかな台詞の端々から何とか推理をしていくしかないけれど、きっとそれで良いんだろう
そのささやかな推理が私に満足を与えてくれる

この作品の最大の「?」は、何故ケイト・ウィンスレットはあんなにおばさんになっちゃったの?だ

お願いだから誰か「役作りだよ」と、私に答えて❗️

2021年4月20日 キノシネマt にて鑑賞

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