「VMDとは」と検索すると、
いきなりVP、PP、IPという
ディスプレイの専門用語が出てきて
本当の意味を知りたかった人にとっては、
間違ってほしくない入り口だなと感じました。

始めて聞く方のために補足しておきます。
VMD（ヴィジュアルマーチャンダイジング）とは
直訳すると商品政策（もしくは戦略）の
視覚化をすること。

と訳されることが多いのですが、
企業やブランドがショップの中で
商品を販売するときに、ただ並べるのではなく
そこに込められたメッセージやデザイン特徴などを
分かりやすく、魅力的に見せることで
購買を促進することを言います。

また
VP（ヴィジュアルプレゼンテーション）
PP（ポイントオブセールスプレゼンテーション）
IP（アイテムプレゼンテーション）というのは
それぞれ日本語で分かりやすく言うと

VP⇒魅力的に演出すること・場所
PP⇒お店の中で1点だけピックアップして
おすすめ商品などを展示すること・場所
IP⇒同じ商品のサイズ違いや色違いなどを
たくさん並べてお客様が商品購入できるように
陳列すること・場所

といい
上記のようにそれぞれの意味合いで商品を
わかりやすく、手に取りやすく、魅力的に見せる
テクニックや場所のことをいいます。

これらはVMDの中で重要なポイントはありますが、
実はそれだけを一生懸命やってもお客様の心を
掴むことはできません。

VMD=ディスプレイではないのです。

VMDというのは、直訳すると商品戦略の視覚化
と訳されていますが、今の時代「視覚化」を超えて
「感性化」とか、「感覚化」していくという
言葉の方がしっくりきます。

今やVMDは企業やブランドの戦略を
いかにわかりやすく伝えるかということを
意味していて、企業戦略に通じている。
と私は思っています。

もう少しわかりやすく言うと、
例えば何のプリントもないシンプルな
白いTシャツを作ったとします。

その商品が作られた背景は
日本の子供たちが学校に通えるように
売り上げの一部を寄付する仕組みを作りたい
という理念があったとしましょう。

そのためにコストをかけず循環型の生産を心がけ
生地産地で買われずに残ってしまった生地を使って
生産することにしました。

しかし利用者からみると何の変哲もない
白いTシャツです。

こんなに大切なメッセージがあるのに、
VMDを伝えるとき一番最初にVP、PP、IP
という説明から入ったら

単なる白いTシャツのディスプレイの話で
終わってしまいます。

本来のVMDの役割は、
上記のようなメッセージの中で一番伝えたいことを
視覚化してお客様に伝えることなのです。

白いTシャツをきれいに見せることで終わらず
そのTシャツを買った方がどんな気持ちになるのか
どんなことが得られるのかを
店頭やWEB、SNSなどを使って
きちんと視覚的に発信して
お客様の購買を促進する役割を果たすことが
求められています。

多くの人が誤解している
VMDの正しい認識について
私は改めて提言したいと思います。

『VMDとは企業戦略を視覚化』することである。

ディスプレイの話だけでVMDを語っている場合、
決して間違いではありませんが、
全てでもありません。

私はVMDの本当の意味を知らなかった頃
キレイにディスプレイをしたら、
たくさんお客様が来て下さると思って
一生懸命キレイにすることばかりを考えていました。

でも、なぜ売上が上がらないのはなぜだろうと
思っていました。

知っている人にとっては当たり前のこと
かもしれませんが、
私はVMDをしっかり学んだ時に、
キレイだけでは振り向いてもらえないということ
が初めて分かって腹落ちしました。

私のように、何となく売場をキレイにつくって
なんで売れないの？と思っている人がいたとしたら
VMDをお伝えして、同じように
スッキリしてほしいと思っています。

最後まで読んでくださって本当に嬉しいです。
ありがとうございます。

これから私が考えている本当の意味でのVMDを
丁寧にお伝えしていきますので、
またぜひ読んでみてください。

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