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【週末投稿】四季がある日本のバナナ #28(日本の料理バナナ)

バナナのたたき売りの時代から、日本人に一番馴染んだ南国の果物であるバナナであるが、なぜか「料理バナナ」はあまり知られていない。
料理用バナナとは、実の中のでんぷん質が多いため熟してもほとんど生食できないものが多い。果物というよりは穀物なのであり、蒸かしたり、焼いたり、フライにしたりと熱を加えなければ美味しくいただけない。

一般に料理バナナは、バナナと言わずにプランテイン(Plantain)と呼ばれる。プランテインは熟した度合いによって、調理も違ってくる。日本の市場では、ツンドク、サバ、カルダバといった品種が手に入る。

■各プランテインの熟度による料理方法(英語:8.5分)Adriana Lopez

■ブログでも、特徴をレポートしているのでご興味のある方はどうぞ
ニューヨークのイエイちゃん 様

調理用バナナ、プランテンとは?トストネスとマデゥロスのレシピを紹介Free Talking Record 様 食物雑記

プランテインはでんぷん質が多いので、発酵させてバナナビールやバナナワインと呼ばれる醸造酒の原料にもなる。ペルーでは砂糖と煮詰めたプランテインのジュースもあるそうだ。

さて、プランテインは品種にもよるのだが、比較的耐寒性があるものが多いようだ。そのため、四季がある日本でも栽培可能なプランテインがある。
アメリカのオリノコ川近くで発見された Musa Orinoco は料理バナナ( Cooking banana)であるが、実を完熟すると生食でも食べられる。沖縄で三角バナナと呼ばれる、料理バナナも完熟させると生食で食べられ、関東の私の庭でも越冬し収穫が出来ている。Plantain の完熟がおいしく生食できるか否かは、価値観の違いになってくるのだが、一般的なバナナ(Dessert Banana)と比べると、おいしさには違いがあると思う。ちなみに私の庭で育てている三角バナナはおいしいと個人的には思っている。

日本には、焼きバナナやバナナのフライを自宅で作る文化は無い。しかし、私たちは知らず知らずのうちにプランテインを食べている。それはバナナチップだ。残念なことに日本のバナナチップのレシピを見ると、生食用バナナをフライしている記事を見かける。おいしければそれで良いのだが、本来はプランテインをフライにしなければいけない。

■インドのバナナチップスの作り方 (今日ヤバイ奴に会った 様)

プランテインとデザートバナナは植物自体の外見は見分けが難しく、植物学的な分類もない。実の形では比較的、デザートバナナよりは大きく牛の角の様な形が多い。もちろん例外の形をしている種もあるのだが、日本でも料理用バナナは少々大きな果物屋さんや、上野にあるアメ横で入手することが出来るので、ぜひ料理をして食べてみて頂きたい。


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