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コンピューター!コンピューター!!

    take 1 混乱

                      中央情報制御センター

「大道寺補佐官、たっ、大変です」

 神田一等技術士がモニターパネルを食い入るように見ながら

眉間に皺を寄せた。

「どうした? また恋人に逃げられたのか」

大道寺は好物のポテトチップスを頬張りながら、ご満悦だった。

「違います」

「じゃあ、恋人に告訴されたんだ」

「どうしてですか?」

「ストーカー行為をしたから」

「決めつけないでください」

神田は頬を膨らませてむくれてしまった。

「それで? なにが大変なの、神田ちゃん」

「えっ、!? ああ、そうだ重大なこと忘れてた」

神田は改めて大道寺に向き直り、顔を見た。

「コンピューターが一部、制御不能です」

「なに!? それで?」

「現在はすべて復旧しました。問題ありません」

神田が満面の笑みを見せた。

「ばかやろーっ! すぐに原因と対策を弾き出せ。

今度、トラブったらお前クビだからな」

大道寺の目がマジだった。

「そっ、そんな」

神田はすっかり気を削がれてしまった。

中央情報制御センター(clc)は、全世界のコンピューターシステムを一元化して

統括管理するところで、その所在はグーグルでさえ摑んでいないといわれるほど

に秘密裡にされていて、核攻撃やサイバーテロなどあらゆる攻撃を想定して

創り上げられた陸の要塞だった。

「神田、星が綺麗だな」

大道寺が窓から夜空を見ながら小声でつぶやいた。

「どうしたんですか? 大道寺さんらしくないですよ」

神田が笑った。

「俺の体もあとどれだけもってくれるかわからんからな。

これで見納めってことも考えられるだろ」

「縁起でもないこといいっこなしですよ、大道寺さん」

神田が顔を顰めた。

「そうだな。すまん」

大道寺は神田から、また夜空の星に目を移した。

 to be continue
















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