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ジョンが出会った読者たち【第8話】

自称美術教師の決意を新たにした僕は、群馬に住む部員(たろおみボルタ、すずきゅうボルタ)を引き連れて、六本木の森美術館で開催されていた会田誠展『天才でごめんなさい』に向かいました。その後、サイゼリヤ童貞の彼らにミラノ風ドリアなどをふるまいます。さて、ご感想は?
ごく普通の会社員である僕が血迷って携帯番号を誌面に載せたところから始まる、アメイジング・ドキュメンタリー!

前号でもお伝えしたように、ツイッターを通じ、日本の現代アート界の最高峰である会田誠氏との邂逅を経た“ブロス美術部”。「会田氏を自分の生徒たちの目標に、いや、いっそのことライバルにしたい」そう思うようになった自称美術教師のジョン・ヒロボルタは、群馬に住む部員(たろおみボルタ、すずきゅうボルタ)を緊急召集! まずは敵情視察、ということで、彼らを引き連れて、六本木は森美術館で開催中の会田誠展に向かったのであった。

六本木交差点で待ち合わせ 

「ここがどこだか全くわからない!」
僕は「とにかく地上に出ろ!」と伝えました。すると間髪入れずに

「群馬は全て地上です!!」

と返すグメンバ。その後、やっとこさ合流できたものの、なぜか学生服です。登場するやいなやカメラに向かってピース。だいぶ調子に乗ってますね。

左から、すずきゅう、グメンバ、たろおみ。

早速、六本木ヒルズ・森美術館の会田誠展へ。以前、このページに「アートなんかFUCKだ! 会田誠? あいださくら(AV女優)の方がアートじゃぁ!」などと書いてしまいましたが、実際行ってみた彼の展覧会は、もう、驚きと感動の連続でした。正直、僕は会田誠氏の作品に圧倒されました。敗北感を感じました。それは高校生たちも同じだったと思います。

僕は会田氏に深いインテリジェンスを感じ、それに魅せられました。彼の豊富な知識と経験に比べて、僕の生徒たちも、そして僕もまだまだです。彼らは所詮16歳の高校1年(僕は32…)。これからいろんな人に出会い、いろんなことを学んでいく。まだ成長過程の彼らに、会田氏を超える作品が作れるのでしょうか? 今日受けた衝撃は計り知れません。もちろん彼らには言いませんでしたが、(もう当分彼らは絵を描かないだろうな)と思いました。

美術館をでてきた時の3人の表情。

サイゼリヤでメシ

僕らは六本木屈指の名店「サイゼリヤ」で遅めのランチを取りました。ちなみにグメンバはサイゼリヤ童貞。というか、ドリアすら食べたことがないそうで、ミラノ風ドリアを食べたグメンバは一言

「お、おかゆ?」

と、つぶやきました。お腹いっぱいになったところで、たろおみは鞄からノートを取り出しました。友人からツイッターで「“けつ毛生え太郎”を描いて」と頼まれたんだそうです。すると横にいたすずきゅうも「俺も描こうかな」と言って、ノートを取り出して、2人でけつ毛生え太郎を描き出しました。


こいつら、本当に絵を描くのが好きなんだな…。僕は嬉しくなりました。「文化祭ではどんな展示したの?」。そう聞いたら、たろおみは寂しそうに言いました.

「文化祭は3年に1回なんす……」

マジか!!!! 僕の中で何かが弾けました。彼らが活躍できる文化祭が、3年に1回しかないなんて、こうなったらもうやるしかないでしょう! 僕はここで初めて自分の口からブロス25周年イベントで彼らの作品を展示することを伝えました。

「会田誠展、すげー刺激受けました。なんか描きたい! とにかく描きたい!!」

彼らの言葉を聞いて、僕はさっきまでの自分を恥じました。彼らの筆は止まってなかったし、ショックよりも絵を描きたいという気持ちが圧倒的に上回ってたのです。そんな熱い生徒たちを信じることができないなんて教師失格です。いや、仲間を信じられないなんて人間失格です。

キャンバスと絵の具をプレゼントあとは任せたぞ!!

僕らは新宿の画材店「世界堂」に向かいました。そこで僕は、彼らに対して「イベント用にこういう絵を描いてくれ!」と、絵のお題を出しました。そのお題とは、まだ明かせないのですが、さっき会田誠展で見た、ある絵をモチーフにしたものです。

そして、それに見合うサイズのキャンバスと、絵の具をプレゼント。真っ白なキャンバスは、色とりどりの絵の具に飾られ、イベント当日には、きっと素晴らしい作品に生まれ変わってみんなの前に現れるでしょう。3月2日、群馬の高校生が日本の現代アートを変えてくれると僕は信じてます。

キャンバスと絵の具をプレゼント

会田誠展に行ってみて 3人の感想文

●たろおみボルタ

僕は展覧会の予習のため会田誠をwikiっていた。そもそも会田誠という人物がどういう人だか知りたかったのだ。しかし、うぅむ。文字が並ぶのを見てもよくわからない。画像検索しても大きな画像が出てこない。うぅむ…これじゃあなんにもわからないじゃないか!
 そんな状態で迎えた当日。僕の目には今まで見たことのないような巨大な芸術が…。僕は美術館を出たあと、顔が青ざめていた。「すっすげぇ…」すげぇっておもった。

会田誠=すげぇ奴

このルールが体内ウィキペディアの会田誠の項目である。

●すずきゅうボルタ

※ラップ調にお読みください

せっかく 見にいくJapanese の最高峰
会田誠について学ぶ
仕掛ける火薬
開いた心に ready to attack!
ここから漲る高校生 達のチカラ
既に決めた方向性 ライト照らす田舎
こいつにゃ負けねぇ
心の奥の奥底で秘めた最終兵器
取り出す俺がすずきゅう!

●グメンバボルタ

 会田誠という名前を聞いたことがなかった私だが、会田誠展『天才でごめんなさい』を見にいって、芸術に関心がない私でも、とても強烈な刺激を受けた。絵自体は、大胆なタッチで描かれているが、線に迷いはなく、私には文字や言葉では説明できないような意味深な作品が多くあり、友人が「絵がとにかく描きたい」と言った理由がわかるような気tがした。私には理解の難しい作品ばかりだったが、良い経験ができた。

次回予告!我こそも青春したいという方は090-6143-2407へ!

群馬の藤子不二雄、たろおみ&すずきゅうの友情によって、ついに超大作が完成!! 絵のタイトルを誌面で発表します!! 今回の話の詳細が気になる方、また、我こそも作品をブロス25周年記念イベントで展示されたい!という方は、090-6143-2407(平日は20時以降にお願いします。土日は何時でもOK!)までお電話を! メールはhirotakufr@aol.comまで。

(「TVBros.」2013年2月13日発売号掲載)

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