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ジョンが出会った読者たち【第6話】

ついに読者の高校生美術部員のために、勝手に原宿のギャラリーで展覧会を開催した僕。なんだかとんでもないごった煮の展覧会になりました。しかも、これはまだまだ序の口、本番はこれからですよ……。
ごく普通の会社員である僕が血迷って携帯番号を誌面に載せたところから始まる、アメイジング・ドキュメンタリー!

左から、たろおみボルタ(高1)、すずきゅうボルタ(高1)、ジョン・ヒロボルタ(32)、中3ボルタ(中1)、グエンタィン照夫(ベトナム人)、まきボルタ(37)

このページを見てジョン・ヒロボルタの携帯番号090-6143-2407に電話をくれた、群馬の高校1年生「たろおみボルタ」。彼が所属する部員たった2名の美術部を盛り上げるべく、ジョンは勝手に原宿のギャラリーを押さえて展覧会を開く段取りを進めるも、「テスト勉強があるし」とたろおみボルタに断られる。しかし、彼に黙ってブロス誌面上で「絵を送ってくれ!」と訴えたところ、それを読んだたろおみボルタの父「ちいさまボルタ」の後押しもあって、無事絵を送ってもらえることに! しかも当日も参加してくれるという! さらに彼らに触発されて、大阪在住「小6ボルタ」の小6の息子、そして京都在住「まきボルタ」までが参戦を表明したのであった!!

こちらが会場となった、東京・原宿の「DESIGN FESTA GALLERY」。展示ルームはこれを入った2階にある。

はっきり言って、ギャラリーとは名ばかりの狭い和室だが、気にするな。かのグーグルだって、最初は車のガレージから始まったんだ!

このコーナーのコピーを貼って、たろおみボルタと出会い、展覧会を開くことになった経緯を説明。奥に見えるのは、たろおみ×すずきゅうの作品。

たろおみボルタが送ってくれた絵の数々。たろおみは毎年ご両親の誕生日に絵を描いてプレゼントしているそうだ。

たろおみ作品の中で、個人的に一番気に入っている作品「同業者」。写真とイラストを組み合わせてるのも面白いし、何よりタイトルがいい!

急遽参戦してくれた「小6ボルタ」Jr.の作品。シャアザクの油絵とは非常に斬新! 左に小さく見えるのは、前回誌面でもご紹介した作品「二人の男」。

ストリート系を自認するすずきゅうボルタが得意のグラフィティを描いてくれた。TVBROS.の点の位置が違うがドンマイ!

遅れて京都から駆けつけた「まきボルタ」。マシュマロなどお菓子を付けたコスチュームにも驚いたが、持ってきたスーツケースの中に入るとは思わなかった。

準備に勤しむまきボルタを目の当たりにして、衝撃を受けている最中の現在高校1年、美術部部長、たろおみボルタ。

まきボルタ、これで準備完了らしい。この厚紙は絵本になっているそうだ。ブロスにはこんな読者もいるんですね。

おい、レディー・ガガ、そしてきゃりーぱみゅぱみゅ見てるか!? 原宿でこの瞬間一番尖ってるのは、まきボルタだぞ!

お客さんもちょろちょろ入るようになってきました!

前回紹介した現在中学1年の「中3ボルタ」も来てくれた! 絵心はなさそうだったので、美術部マネージャーにスカウト。

なんと大阪の「小6ボルタ」と小6のJr.ご本人も来てくれた! か、かっわいい! ここに来たついでに、青山の岡本太郎記念館を見に行くそうだ。

そして、群馬からたろおみのご両親、さらに神奈川で一人暮らししている姉も登場! 聞けばお母さんが元々ブロス読者だったんだそうだ。

おかげさまで、第一回ボルタ展、大盛況に終わりました! 「何ボルタさんですか?」という会話が飛び交うのを聞いて、ジョン・ヒロボルタ、感無量です!!

たろおみボルタインタビュー「ゾッとしました」

今回の展示会の主役というべき、たろおみボルタに話を聞いてみた。

—— 勉強の邪魔をしてしまってごめんね。

「いや…、あそこまで書かれたら、もうやるしかないし…」

—— あの「絵を送ってくれ」っていう誌面を読んだとき、どう思った?

「ゾッとしました」

—— ですよね。

「でも今日来てみて本当によかったです。すずきゅうと協力して描いた絵も飾れたし、小6ボルタJr.さんの絵も、小学校6年生とは思えないほど上手で、味があるし。自分ももっとがんばらないといけませんね」

—— 常に下からの追い上げは意識していかないとね。

「あと、やっぱり、まきボルタさんは衝撃でした。まだまだ自分も何かしなきゃなと思いました!」

—— そう感じてもらえて本当によかった! よし、じゃあ次の展覧会の準備に早速取りかかろう。次は3/2(2013年)に行われるブロス25周年記念イベントだ! イベントの詳細は追って連絡する。そして、今、これを読んでいる読者のみなさん! 我こそも!という参加希望者はどしどし090-6143-2407ジョン・ヒロボルタ(メールは、hirotakufr@aol.com)までご連絡を!

「え——っ!?」

ある日、森美術館で開催された“限界を超えろ!”というテーマのワークショップに参加しようとした、まきボルタ。しかし参加資格として「クレジットカードかファックス番号がないと参加できない」と言われ、そのどちらもない彼女は参加を断られてしまった。「何が限界を超えろじゃ!?」と激昂した彼女は、森美術館の入り口に大量の臭いウンコをしてやろうと、どんなものを食べたら理想的なウンコが出るのか、あれやこれや調べるも、それでは憎しみしか生まないことに気づく。そこで彼女は、新たな作戦に打って出ることにした。それは、絶対捨てられないような抗議文を書くというもの。一枚の紙だが数センチはあろうかという厚みを持たせ、さらにデコレーションで飾り付けることで、ごみ箱には捨てられない抗議文を制作したのだ。しかもそれを送りつけるのではなく、直接、森美術館に持参。たまたま運良く館長がいたので、田中正造ばりにそれを持って直訴。館長は、突然の出来事におどおどしながらもそれを受け取ってくれた。そして数日後、彼女の元に「ワークショップへのあなたの参加を認めます」という連絡が森美術館からあったのだそうだ。限界を超えるには、ウンコではなく、アイデアをひねり出せという逸話である。

おまけ「すずきゅう語録」

たろおみの相棒であり、ラップとグラフィティを愛するストリート系・すずきゅうボルタが展覧会中に吐いた名言をご紹介。

「オレの知らないヤツがオレのことを知っている」

—— 単に誰なのか忘れただけじゃないの? (編集・木下)

「絵は卒業したんす。グラフィティっす、自分は」

—— ちょっと前におっぱい卒業したばかりのくせに。(ジョン)

「群馬で一番キチったヤツに俺はなる」

—— そう言わずに全国で一番を目指そうぜ!(ジョン)

「群馬の風はマジでヤバい」

—— 向かい風だと自転車漕げないんだってね…。(編集・木下)

(「TVBros.」2013年1月16日発売号掲載)




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