【みやまる】電車映画のようなもの その46-探偵はBARにいる-

  落ち着いたバー、漂う紫煙、時代がかった黒電話、電話主から依頼を受ける私立探偵。あまりに徹底したハードボイルドさ、そしてその徹底ぶりにちょっと笑ってしまう。ハードボイルド+コメディというテイストのこの映画の主演は、両方をバッチリこなせる大泉洋。雪深いススキノという舞台も大泉にピッタリ。

 大泉演じる私立探偵の<俺>の元に一本の電話が入る。やさしい女の声の「ある弁護士に会ってほしい」という依頼を引き受け、見るからに稼いでそうな弁護士事務所を訪ねた帰り、見るからにヤバイ連中に連れ去られて雪の中に生き埋めにされる。命からがら相棒の北大院生、高田(松田龍平)に助けられ、「生き埋めにされたのは”手を退け”というサインだ」と気付きつつも調査を進めると過去のビル火災事件にぶつかる。非常にオーソドックスなあらすじだが、そのぶん大泉が強い個性を存分に引き出すことに成功している。演出のテンポも程良い速さで退屈知らずだ。

 終盤特急で小樽に向かうシーンがあるが、窓にもたれつつ座席に腰掛ける大泉は本当に絵になるなあと思った。もしかしたら『水曜どうでしょう』で散々深夜バスに乗った成果かも?

 

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