【みやまる】通ぶれる野球バナシ!88球目

 死球、つまりデッドボールを受けた選手の反応は実に様々。「怪我したらどうするんだ」と言わんばかりに投手にスゴむ選手、反対に淡々と一塁に向かう選手、むしろ労せず進塁できることを喜ぶ選手も。ちなみに「デッドボール」は和製英語。英では「hit by pitch(ヒットバイピッチ)」。HBPと略されることもある。

★名捕手は演技派

 広島球団史上最高のキャッチャーと呼び声高い達川光男はキャッチング技術以外にも有名な面がある。デッドボールを「ぶつけられたふり」である。ギリギリのところで当たっていないボールに対して痛がり転げ回り、審判の目を欺いて出塁してしまうという特技(?)の持ち主だった。この話は『アメトーーク』の広島カープ芸人の回でも取り上げたられたが、達川は放送後に行われた有吉弘行(大の広島ファン。前述の『アメトーーク』にも出演)とのトークショーの中で「番組を見た娘から『お父さんあんな卑怯なことしてたの』と怒られた」と話している。

★怒る気持ちもわかるけど

 13年8月に大リーグ、レッドソックスのライアン・デンプスターはヤンキースのアレックス・ロドリゲス(通称A-ROD)の膝下への死球が問題となり5試合の出場停止となった。これはただの失投に死球でなかったからだ。A-RODは当時ドーピングによる処分を逃れようと、A-ROD関係者による裏工作などで大リーグ機構の調査を混乱させた上で異議申し立てを行い、機構から「処分先延ばし」による出場続行を勝ち取ったばかりだった(後に1年間の出場停止となる)。

 そんなA-RODにデンプスターは個人的な「制裁」を加えてしまったのだ。デンプスターは過去には社会貢献活動に熱心な選手に贈られる「ロベルト・クレメンテ賞」の候補になったことのある温厚な人格者だが、その性格ゆえの投球だったのかもしれない。

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