【みやまる】のほ本!20冊目-誉れ高き勇敢なブルーよ

  今週はもう「スポーツ本週間」にしちゃえ。というわけで「のほ本」もサッカーの小説。サッカーマニアの友人が今の日本サッカー界は”幕末”なんだそうだ。指導者(代表監督)を外国から呼ぼうという「開国派」といやいや自国の者が指導するべきだという「鎖国派」。Jリーグはなんて全然ダメという「倒幕派」となにを言うか、Jリーグは最高だぜ!という「佐幕派」。今回紹介する『誉れ高き勇敢なブルーよ』もこうした様々なスタンスが鍵となるサッカー小説だ。

 J3クラブのGMを務める望月充は日本サッカー協会会長波佐間から混迷する代表の新監督を25日以内に見つけるように依頼を受ける。望月には3年前に寸前でマスコミにリークされアルゼンチン人監督の招聘に失敗した過去を持っていたにも関わらず。ヨーロッパに飛び各地で監督探しを始めるがどうにもうまくいかない。しかし望月は円滑に進まない後任探しの中で3年前の失敗の黒幕に気づき始める。日本とヨーロッパを結ぶ一大蹴球サスペンス。

 2段組300ページ以上の内容だが読み始めれば最後まであっという間に読み終われること請け合い。サッカーに詳しくない人も上に書いた「幕末風勢力図」が頭に入っていれば大丈夫なはずです。サッカーマニアにも割と元ネタが分かるとこが随所にありかなり楽しめます。ちなみにみやまるはこの本を読んだ1週間後になんとアギーレ監督が解任というタイムリー(?)な出来事が…。


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