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スルメ姫ができるまで

2022年の夏、
かもめんたるの岩崎う大さんが作・演出の
舞台公演があると知った。
この春にかもめんたるファンになった私は
どんな舞台なのだろうと興味を持った。
そして出演者の中に鞘師の名前を見つける。

鞘師って、あの元モー娘。の鞘師?

元々鞘師のダンスとベビーフェイスが大好きで
卒業後に好きになって注目していた。
最近好きになったう大さんと
前から好きな鞘師が共演…
これは…観に行かねば。

そんな中、こんな動画を見つける。

鞘師がシルバニアファミリーの話をしてる。
私、シルバニアサイズの服作るの趣味だよ?
鞘師が着てる衣装をシルバニアサイズで作れたら
鞘師の夢にちょっと近づける??
作ってみる?やってみる?

出来ることは全部やる。by園田賢

よし、やってやるか!
ということで、鞘師の衣装を
シルバニアファミリーサイズで
作ることにしました。

まず衣装をよくよく観察して
材料を買って来ました。

手持ちに無かった布など買い足し

鞘師のドレスのエメラルドグリーン布、
吉岡里帆さん演じる縁緑のドレスの
ピンク布と腰ベルト生地。
あとケープや裾に使うベージュの布など。

手芸屋さんでこの色か?あの色か?と
写真を見比べながら選ぶのも楽しいです。
持って帰って見たら、色合い違うことあります。
照明の加減で見え方変わるみたいで
そういう基準て難しいなぁと思いますのよ。

買ってきた新しい布は
一度水に通してアイロンかけます。

シワシワだからね

シルバニアの服なんて洗濯しないかもだけど
途中でなんかあって縮んだり歪んだりも
困りますからね…一応ね。

水通ししてるうちに型紙をとります。

左の厚紙のを使う

薄いペラペラの紙でやっても良かったけど
なんとなく丁寧にしたくて
更に厚紙に写してやってみました。
みんなどんな感じでやってるんだろ?

作った型紙を布に乗せて
生地に形を写します。

なんとなーく写ってる

チャコペンも最近は色々あるね。
これは時間が経ったら消えるやつ。
前にここまで作業して、一週間くらい
次の作業できなくて放っておいたら
さぁやろうか、ってときにほとんど消えてたな。
消えんなよ、と思ったけど
時間経ったら消えるペンだからね。

布を切りましょう。

画像が汚いスミマセン

鞘師も緑もベースのドレスの形は同じです。
ちなみに作成で参考にしているのは
ブティック社の
『シルバニアファミリーの着せかえBOOK 』
です。

切った布の端っこ全てに
ほつれ留め液を塗ります。
これがめんどくさくて楽しいです。
前まで直塗りしてたけど
最近は賢くなって、
つまようじの先でチョンチョンつけてます。
液がドバドバ出ないので節約です。
みんなどんな感じでやってるんだろ?

ほつれ留め液が乾いたら
パーツごとに縫っていきます。
まずは身頃の袖から。

針山の刺しゅうは練習で刺したやつ

幅とかミリ単位なので
刺す布の量もごくわずかだし、
針穴が目立つこともよくある。
だってちっちゃいねんもん。

そしてミシンもかなり低速です。
なんなら一針ごとに進むときもある。
だって失敗するのん怖いねんもん。

身頃の袖と、スカートの裾部分を縫いました。

また画像が悪くてスミマセン

スカートの裾は、ベージュ布の端を利用。
なかなかいい感じのフサフサである。

身頃の脇部分を縫い合わせて
裏返して形にし、
スカートはギャザーをつけるために
ウエスト部を荒く縫います。

ギャザーは苦手

荒く縫った糸を引っ張って布を絞り
身頃のウエスト長さと合わせて
合わせて合わせて縫います。

とにかく長さ合わせるんですよ

几帳面すぎて
ランダムな感じのギャザーをとるのが
超絶下手です。
全く自然にならないです。はぁ。

最後に後ろの部分を整えます。

ここまできたらけっこうホッとする

ミシンで真っ直ぐ縫って、
テープタイプのマジックテープを付けて
ドレスは出来上がりです。

君、カワイイね〜

次はケープを作ります。
ケープはレシピ本には載ってなかったので
完全にオリジナル。
適当に首回りの長さを測り
適当に型紙を作って
適当にやります。

またギャザーだよ苦手。

ミシンを縫うときは毎回、
布の下に薄い紙を敷きます。
低速でミシンをすると
下の金属に布が巻き込まれることがあって、
それを防ぐために紙を敷くようになりました。
テレビに出てた人形服作りの人が
そうやってたから真似をしました。

縫い終わった後に紙を取り除くのは
またそれはそれでめんどくさくて
とても楽しい作業です。

ギャザーをつけて、人形に試着させたら
丈がかなり長いことが判明。
でもほつれ留めを塗り直すのが
めんどくさいので
折り返しを多めにしてごまかす。

ケロッピカワイイんやで

後ろで結ぶためのリボンを手縫し、
裾をミシンで縫い、
ケープの形は完成。ここから

リボンを切ったもの

ケープの柄的なものを付けます。
リボンを切ったものも全て
ほつれ留め塗ってます。
ほんまにめんどくさかったです。
それが楽しいんです。
貼り付けるのは布用のボンドです。

そしてあとは胸元のブローチです。
写真で見ると茶色っぽいブローチが
確認できたのですが
どんな形だろうとアップにしてみたら…

フサフサの中心のやつ

そう、茶色いフサフサの中心のやつです。
スルメイカですよね。
さすがです、スルメ姫ですもんね。
スルメですか…うーん。

手芸屋さんで
茶色いビーズやボタンを探したものの
いまいちピンとくるものがなく、
どうごまかそうか悩んでいたとき…

出来ることは全部やる。by園田賢

あぁ、無ければ作ってみればいいのか。
そう、出来るかもしれない。
全部やってみよう。
というわけで、プラ板で

スルメの絵を描いて
トースターで縮めた

比較で10円玉を置きましたが
小ささを分かってもらえるでしょうか。
これをケープのブローチにつけました。

実は分厚い

これでスルメ姫のクロエ鞘師の出来上がり。

鞘師はミルクうさぎさん

途中で大きなしくじりに気がついたのですが、
ケープに襟をつけ忘れました。
記者会見などで襟が見えなかったので
てっきりノーカラーだと思っていましたが
実際はあるんですよね。
見逃してたなぁ。

そしてここから実際の衣装に近づけるため

よく見ると分かると思いますが

服を汚しました。
アイブロウで汚れた感じを擦り付けました。
実際の衣装がそうなので汚しました。
…ちょっと悲しかったけど苦笑

まぁそれはいいとして、
この調子で吉岡さんの緑と
う大さんのハンスも作りました。

吉岡さんはヤギさん

ケープは布の端を生かして。
つけ襟も適当に採寸して
適当に作ったもの。
ベルト部分も適当に長さ切って
黒糸でヒモみたいに適当にゆるく縫った。
裾は白っぽいリボンをぐるりと一周させ
ボンドで貼ったもの。

う大さんはモグラさん
膝のアップリケ
小さすぎて、これが限界の表現
ボタンも小さいやつ

ハンスはジャケットがボロボロだったので
服を仕立て終わってから
端っこなどをヤスリで擦り、
同じくアイブロウで汚れを擦り付けました。

撮影の時は忘れてたけど
最終的にかぎ針編みの帽子を
被せてあげました。
これが一番難しかった…辛かった。
編み物苦手。編み物できる人ほんますごい。

できました

大好きな鞘師、
主役の吉岡さん、
作演出のう大さんを
代表して作りました。

8月上旬、大阪公演のときに
この子達を連れて行きました。

会場内のポスター前で

鞘師本人に差し入れという形で
プレゼントをしたかったのだけど
ご時世柄、一般からの差し入れは
受け取りが難しいとのことで
諦めました。

だけどやっぱり本人に見てほしかったので
ご迷惑かもしれないと思いつつも
事務所の方に郵送させていただきました。
本人の手元に届いてるといいなあ。
シルバニアファミリーの世界で住むっていう
鞘師の夢が
ちょっと形を変えて叶ってるといいなぁ。

楽しい作業をさせてくれてありがとう。
そして感動の舞台を見せてくれてありがとう。

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