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日給800円!メキシコのハードな地域でわらび餅を路上販売する少年

メキシコに留学中のお友達。0歳の頃から知ってるけど、今は中学2年生。現在、留年しそうでやばいらしい(笑)

ハーフの彼は、おしゃべり好きで、ラテン系らしく明るくポジティブ。いつもニコニコ。会えばずっと隣で彼女の話や、ゲームの話など、たわいもないおしゃべりを聞いて!聞いて!と続けてる。

メキシコでは、新しいママが結構シビア、父親は新しい奥さんの味方。しかも、彼の暮らしている地域は、朝起きたら車のフロントガラスを拳銃で割られて、車上荒らしされるハードな地域。彼は、タフな生活を強いられ、早く日本に帰りたいとこぼしている。

でも、根っこがラテン系!そんな中でもちゃっかり彼女を作ったり、新しいギャグを考えたと動画を送ってきたり、筋肉をつけたいと公園を一日12周もしたり、彼は彼なりに楽しく過ごしているみたい。

驚いたのが、家の前で野生の鶏が車に轢かれて死んでいた。拾って食べようと思ったら猫に取られたと!悔しい!と連絡してきたこと。

そんなの食べちゃダメだよ。野生の鶏なんてどんなウイルスがあるかわかったもんじゃない!と注意したけど

「洗えば大丈夫っしょ」ときたもんだ。

そういう問題じゃない。拾って食べるものじゃない。病気は怖い。死ぬかもよ。など言ったが「大丈夫」という。もう拾って食べたことがあるんだな。

そんな彼の悩みは「パパがお小遣いをくれない」ということ。だけど、くれないなら稼ぐしかない!ということで。学校終りや休日に路上で「わらび餅」の販売を始めたと連絡があった。

もちろんわらび餅は彼の手作り。ネットで作り方を調べて、せっせと作っているらしい。なぜ、わらび餅をチョイスしたかは謎だけど、思うにメキシコでも材料が手に入り、コスパもいいからかな?と。

冷やして売ってるの?何をかけて食べてるの?と聞くと、冷やしてない、生温いわらび餅を売ってる。お砂糖入れてるから何もかけない。とのこと。

売れるのか?おいしいのか?そこは分からないが、なんと常連がいるらしい!彼曰く「メキシコ人の口に合わないことはない」だそうだ。そして、気になる売り上げ。

日給800円


800円!!!繁盛してない。と自覚もあるようだけど、それも人生経験!ただただ、たくましく育ってくれてることがうれしい。経験値は日本の同じ歳の子どもたちに負けてない。むしろ、高いくらいだ。

幼稚園の頃から子どもだけで飛行機に放り込まれ、メキシコ通いしていたくらい。しかも、北米あたりを経由して。

13歳になった今、わらび餅を自作して路上販売しているんですよ。しかも、メキシコで!日本でわらび餅作って日給800円で売ってる少年見たことあります?

お金がないならと、自分の力で稼ぐことを実行してくれたことがうれしい。どこにいてもたくましく生きていけそう。彼の夢はコックさん。自分のお店を持つことが夢なんだそう。小さな頃から言ってたけど、その夢はまだ変わっていない。

自分でお店を持って「老後をみてあげる。伊勢海老のお刺身を食べさせてあげるね。」こんなことを言ってくれる。半分ネグレクトな生活の中で、心やさしき少年に育ってくれた。

思えば、小さな頃はよく面倒をみた。だってパパとママが遊びに行っちゃうんだもん。しつこく注意しても聞くもんじゃない。「放置するなら子供を私にちょうだい。」と言ったこともある。

今なら児童相談所にすぐ連絡されるわ!

でも、そんな環境が今の彼を形成したことも確か。今でも悩み事があればすぐに連絡をくれる。この考え方は間違ってない?こうしたいんだけど、どうかな?って。基本的には彼の考え方を尊重するけど、間違っていることは指摘する。彼は素直に聞いてくれる。

彼と話していると敵わないなーって思うことが多々ある。メキシコのハードな地域、新しいママに邪険に扱われるタフな環境で「生きる」ということ。置かれた環境の中で楽しいことを見つけ、新しいことを始め、一生懸命生きている。もうリスペクトしまくるよ!

留学期間はあと一年。早く戻っておいで!安全なチキンと冷えたわらび餅を一緒に食べよう。






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