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慎ましく社会を生きる都内OL→人生の夏休み突入

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慎ましく社会を生きる都内OL→人生の夏休み突入

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    この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

最近の記事

MARVEL沼に入ってみた

先日、「アベンジャーズ/エンドゲーム」が「アバター」(2009年)の全世界興行収入を抜いて1位になったとのニュースを見た。 はじめは架空のヒーロー達の争いが何故これほどまで多くの人々に支持されているのか理解することができなくて、私とは違う人種の人たちの楽しみなのかなあと、ざっくりとした解釈をしてたけど、せっかく無職になったし『今しかできないことしようぜ』ということで関連作品を一気見することに。 そもそも『アベンジャーズ』って?『MARVEL』って?『アベンジャーズ』はMA

    • 「行かない」なら「逝け」よ

      先日、期日前投票を終えてきた。 パスポート申請に必要な戸籍謄本を取りに行くついでに選挙はがきをバックに突っ込んだのだ。 今だからこそ気軽に行くことのできる役所。車を運転すれば20分程度なのに、車がないためバスと電車を乗り継いで40分ほどかけてたどり着く。前職にいた頃はこのためだけに半休を取らなければならず、半休など取ればかなり残業時間も伸びて、その週は体力的にも厳しくなっていた。 今思うのは、選挙もスマホでできたらなあの一言だ。もしくはコンビニなんかで出来たら仕事の休み時

      • 初無職・決意にあたり

        6月28日(金)を最終出社日とし、私の無職生活がはじまった。厳密に言えば現在は有給消化中なのだけれど、すでに月曜への憂鬱はない。 正直なところ、これまで転職経験がなくて新卒からお世話になった職場を離れるのは、とても怖いことだった。インターンの頃からバリバリやらせてもらえて仕事に熱中していたし、職場で必要としてもらることが自信に繋がっていたりした。それが無くなったら思うと、社会に不必要な人間っていうラベルが貼り付けられる気がしてた。 就活中も同じような焦りみたいなものを感じ

        • 退職前々々夜

          会社で一番嫌いだった上長と、本日で最後だった。その勢いで、もう流行りも廃り、寒すぎるタイトルをつけてしまった自分が恥ずかしい。が、まあとりあえず読んでほしい。 勤務終了時間になり、私はソイツに声をかけた。忙しそうな机から目を離し「次は何するの?」という問いに、私は「考え中です!」なんて咄嗟に笑顔で答えてしまった。 オマエは10000000000000000%気にもなってないことだろう?そんな常套句片手に、なんでそんなに顔を歪ませて、足元をちらりと横目に見てまで言うのだろ

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        記事

          変わゆくもの

          昨日に引き続き左肩が痛い。 昨晩は実家で他愛もない話をひとしきりして眠ったはずだ。すごくすごく疲れていたはずなのに、目が覚めてしまうのは肩が痛すぎて寝返りが打てないからだ。バキバキと音がなって、自分の分厚い皮膚がボロボロと崩れて、本来の姿がつるりと出てくれる感じなら良かった。そんな分かりやすい肩凝りのコマーシャルみたいな現象は起きなかった。 今朝は実家の近くで予定があったからわざわざ仕事終わりに前乗りしたのに、このせいで眠れず遅刻して謝罪なんていう夢まで見てしまっ

          変わゆくもの

          コンビニエンス博打

          いつもはバタつきなかなか帰れない金曜日。今日は電話も少なくスムーズに会社を出た。小腹が減って駅前のファミマに立ち寄る。おにぎり100円セールの魔力はすごい。おまけに習慣となったファミチキをお願いしてしまう。 今日の店員さんは玉山鉄二から出汁を取ったようなイケメン。そういえば今朝も彼がいた。かなりの労働時間だろうに。深夜番の背の低い色白ボーイにでもバックれられたに違いない。それでも不憫な店長の声はやけに爽やかで、いつでも少女マンガモードに入れそうだ。決してこのシチュエーショ

          コンビニエンス博打

          さよならはゴミと共に

          気持ち良い秋晴れの今日 不動産屋さんにマスターキーを返却し、 大量のゴミと共に、タクシーに乗っている。 はじめての一人暮らしは なんとなく始まり、なんとなく終えた。 2年前の今頃、目を輝かせながら 家具選びをしたことを今でも思い出す。 選び抜かれた家具・家電たちは 学生時代の友人達の手伝いもあり スムーズに搬入された。 駅から徒歩3分の私の城は 通勤にも、街に出るにも便利で 我ながら良い物件を見つけたと思った。 家賃4.5万の破格アパート。 リノベーション

          さよならはゴミと共に

          最良のひと時

          玄関の扉を開けると 締め切られていた空気が鈍く感じる。 右手に持っていたスマートフォンを ベッドの上の毛布にダイブさせ ずっしりと重いコートをハンガーにかける。 ストッキングは洗濯ネットに入れ ネックレスは所定の位置へ。 ドレッサーからオイルのたっぷり染み込んだ シートを取り出し、 頰の上をするりと滑らせる。 これだけで十分。 しばらくして交感神経はオフになる。 その前に明日のゴミ出しの準備と 出しっ放しの小皿をざっと洗う。 流れる水道の音を聞きながら ふと帰宅

          最良のひと時

          渇きと潤い

          急に肌寒くなった日だった。 クローゼットから引っ張り出した ライダースは気休め程度の暖かさで 時折手首に触れるファスナーが冷たくて驚く。 帰り際、出張の北海道から 戻ったばかりの会長に会った。 小さく私の名前を呼び手招きすると、 小包をこっそり渡してきた。 「すぐに隠して!」 突然の声に身体は反射的に動く。 「航空券とか宿の手配ありがとう。 助かったわ。」 渡されたものとその理由が分かり、 安堵と謙遜で身体の力が抜けた。 会長は俗に言うアナログ人間で

          渇きと潤い

          ヴィヴィアンウエストウッドな彼女

          つるりとしたキューティクルの髪が 視界に飛び込んできた。 混み合う乗換駅でゆっくりと 私の目の前を歩くその女性は 控えめな紺色のトレンチコートを着ていた。 私は疲れた足をなんとか階段に乗せ 一段ずつ登っていく。 身体中がびっくりするくらい重い。 病欠で休んだあの子の分も 働いた所為に違いない。 足元に目をやると、 彼女のコートからはみ出たタイツに 釘付けになった。 十字架と土星のようなものを 組み合わせたモチーフが バキバキの赤で浮き出ている。 黒地に赤のド派手

          ヴィヴィアンウエストウッドな彼女