見出し画像

考えたいことをとりあえずストックするやつ(2022年12月14日)

青空文庫を読む

  • Kindleを手に入れたので、青空文庫が手元で読みやすくなった

    • 夢野久作は『ドグラ・マグラ』はじめ比較的好きな作品が多い。

      • 日本三大奇書とか言われるが普通にストーリー構成が面白いと思う。奇行に走りがちな天才博士とひどく大人しいその盟友がでてくる。

        • 天才的な才能を持った奇人が出てきたらその作品は好きなので、割とハマる。

      • ちなみに夢野久作自身は短編も割とあるので、ドグラ・マグラ以外も読んでほしい。好きな人はハマれる。

    • 妻に勧められて『人魚のひいさま』を読んでみている。

      • いわゆる「人魚姫」の初期の翻訳。近代の日本語の使われ方は読んでいると心地が良い。

      • 現代においては冗長で曖昧に思われる表現も、たしかにそれはそうと表現されて然るべきと思う

    • もう1冊「知っているが全体像を読んだことがない」本を読み進める。

福沢諭吉『学問のすゝめ』を読む

  • 「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」という言葉と関連づくことの多い福沢諭吉、そして「学問のすゝめ」だが、実際に読んだことはなかった。

    • 文明開化と呼ばれる近代日本の始まりの混乱の中、実際どのような考えを持っていたのかはとても気になる。

  • 上の言葉は冒頭に入る。この言葉しか知らないなら『学問のすゝめ』を1ページしか読んでいないことになる。

  • 「学ぶこと」の重要性を歴史的な教訓や具体例を併せて丁寧に説得している。

    • 今では「当たり前」となっている「自由」や「平等」の概念について「権義」という言葉を使って表現をしている

      • 当時は士農工商が解体され、封建制度から解放された時代であり、
        それが何を意味するのかをわかりやすく説明する

      • そもそも武士や商人というのは(階級という)「有様」であって、
        その有様をもって命や信念に制限がかかるのはおかしいと説く。

      • この「有様」は貧富やあらゆる力、知恵の有無など、
        階級以外の一般の差異にも拡張できるが、貧しいから生きる価値がないとか、力があるから隣の人の腕を折っても良いとか、そういうことはないだろ?という解き方をしている。

      • 他人を害さずに自分の欲しい物を手に入れようという情が「権義」であり、これを守るために議論を重ねるべきだと説く

  • 序盤を読んでいるが、現代社会に生きていても刺さるような主張を明治初期から説いている。そりゃあ1万円札の人を長く続けるに値する。

    • 渋沢栄一も同年代の人間であり、明治維新後の日本を牽引した存在が最も高い紙幣になる事自体は何となく分かる。

  • 後から調べるに、吉田松陰、坂本龍馬などとだいたい同じ年代に生きている。まだ江戸時代じゃね……?くらい。

    • 歴史の長いスパンで見れば急激な変化だっただろうが、当時を生きる人々にとってはじわりじわりとした変化だったのかもなと思う。

  • とはいえ、近代の思想と現代の思想では合わない内容も出てくるもので、
    たとえば特定国家に対する批判が痛烈であったり、学ぶ気のない人に対する容赦がなさすぎたりする。

    • 僕も学ぶ気のない人に対しては容赦しなくていい、と思うほうであるので、「馬鹿者」と言いたくなる気持ち自体は分かる。

    • でも「学ぶ気のないのに欲だけはいっちょまえな奴を黙らせるには不本意だが権力で黙らせるしかないんだ……」はちょっと急進がすぎる。

  • 「学問のすゝめ」は、福沢諭吉自身が当時の欧米諸国を訪問しながら感じたであろう危機感が言葉になっているので「学問をしなければ日本は終わりである!」くらいの緊急性で学びを説いている。

    • 欧米列強に対するアジアの様々な「弱さ」を感じていたであろうし、
      歴史としても文明開化だ富国強兵だで、第一次大戦の戦勝国になることで、アジアの影響力を維持できている。

    • 福沢諭吉自身は欧米列強を日本への脅威ではなく「アジア州」の脅威として捉えていたようで、西洋文明を程よく受け入れて、アジアを欧米の脅威から守る国が日本であるべし、と捉えている様子。

    • 実際第二次大戦後の日本は民主化し経済発展を遂げ、東南アジア諸国を「守る側」の国にもなってきたようにも思う。日本だけではないので複雑だが。

  • という感じで、福沢諭吉自身は「日本とアジアを欧米の脅威から守るには、様々に勉学に励み、武力ではない力をつけなければならない」と論じている。なるほどなあ。

  • ここまで冒頭60ページくらい。

  • 『菊と刀』を併せて読むと面白くなりそう。

現代暗号技術入門を読む

  • やっと読む気が湧いた。

    • もともとローカルのNotionで管理していたが、Markdown×Quarto on VSCodeがわりかし快適なので、そちらに移してgithubで管理することにした。

  • 上では読みながらの解釈を載せているが、まだ何もわからない。

    • ハッシュ関数の存在は知っているし、SHA-2が今良く使われていることもわかる。

    • 排他的論理和が待っている。曰くなんか難しいという感じがする。

      • 定義を見ると「そういうものか」という感じがするので、別に怖くないのでは……。

  • 排他的論理和をボードゲームにした物を持っている

  • 2人ゲームで、排他的論理和を駆使して手札にある暗号文を相手より先に完成させようというゲーム。

    • シンプルだけど相手も同じように暗号文を完成させようとするので、
      容易に作業が対立する。

    • 5ビットの演算ではあるが奥深いし、量子ビットも使えるようにルール化されていてワオとなってる。

  • 何よりマニュアルがWebで読めるのがいい。

  • とはいえ暗号技術は奥深い。暗号「理論」にも関心はあるが、あれは純粋に数学であり、第一にその基礎を頭に入れなければならない。

    • 統計学をやっており、暗号と統計学は相対的には近い領域だとは思うのだが、正直楕円曲線を理解することができる気があまりしていない。

  • これを仕事にするつもりは今のところはないので、CTFと一緒に娯楽としてのんびりやろうと思う。

良い諦めと良い妥協

そろそろ「誰かと比べて優れた人間になろう」と思うには歳をとったなあ、と思うようになる。その分野で優れた業績を持つ人はすでに学生時代から優秀であったり、家庭環境から恵まれていたりする。そういう人たちが世界を発展させるところを見ながら「自分らしく生きられればそれが一番」という妥協と諦念をもって人生を歩もうと思われる頃になってきた。これが人間を30年やる、ということなのかと思う。
「まだやれる」とも思わなくはない。27歳でメジャーリーグに渡り、その後19年間活躍した野球人もいるし。30歳から挑戦してうまくいくこともあるかもしれない。実際遅くに始めて成果を出す人も少なくない。
60歳からプログラミングを始めた人を知っている。80歳のYoutuberを知っている。何かを始めようと思ったその瞬間が一番若いので、興味を持ったら手を出して、面白いと思う限り続けて、つまらなくなったらやめればいいと思った。
もちろん、僕がやりたい挑戦を探していくし、それを重ねていく。
統計検定1級は来年も挑戦するだろう。僕より年上の男性が、くやしそうに受験会場を去ったのを見た。僕自身統計学が好きなので、仕事に関係なくやってると思う。
その反面「人生こんなもん」って思いながら、昨日と違う夕焼けを眺める人生も悪くないのだろうなと思う。それは停滞ではなく、諦念なのだ。
良い意味で諦めて、自分のできることをやるのが、多分一番心身にやさしい。
1年も終わるし自分のキャリアもひと区切りつくし、だいたい人生に一区切りついてしまう感じなので、まるで死に際か?という感じだが、まだ少し早いと思っている。働く先自体は決まっているし。
来年も無理なく程よく寄り道しながら生きて行こうと思う。

無料で記事は読めますが恩を回して欲しい人はここに奉納ください。