「手を付けたいこと」多すぎ問題

あれもしたい これもしたい もっとしたい もっともっとしたい

有名なブルーハーツの『夢』の1フレーズ.生まれた頃からやりたいことが多すぎる.
正式な診断を受けているわけではなく程度問題ではあろうが私もきっと発達障害なのであろう,常に何かを思考せずにはいられない.
それらが形になることはほぼなく,ただポッと浮かんで,メモをする気もなくただ消えていく.

たとえば私は資産運用をしたい

現職では基本給手取り18万,残業代を含めても25万に届いた試しがない.そんな中17万のPCを購入し,今月から分割払いが始まってしまうという体たらく.お金はたまらない.
お金はほしい.「金に余裕がある」という状態を経験してみたい.Twitter金持ち勢のように毎月なんか高そうなやつ買って写真あげたい.
そういうことをするためには金に余裕を持てるだけの給料を出す会社に移るという戦略の他に,株でも不動産でも投資して、今持ってるお金を増やすというやり方がある.外道に成り下がれば,ヒモやら借金やら山程手はあるが,変にプライドが高い生物たるこの私は,外道に成り下がるつもりは毛頭ない.
投資をするにも知識がいる.あいにく意識は高くないので「安いときに買い,高いときに売る」以上の株の知識は知らない.故に勉強をしなければならないのだが,何をどうすればよいのか皆目見当がつかない.
口座は開いた.NISAも調べた.が,結局の所運用になど至っていない.
仮想通貨も遊びで始めた.暴落した.Bitcoinは漏洩した.投資した1000円は300円になっていた.

たとえば私は腰を据えて機械学習を学びたい

統計学は「多変量解析」として大学で学び,大学院で研究しながら実装した.ロジスティック回帰は,私にとって多変量解析と機械学習との間を結ぶ架け橋のようなものだ.そこから始めて,テーブルデータならどうにか木型モデルを実装できるようにしたし,アンサンブルとかスタッキングとか,そういうのもふんわり覚えた.
でも実際,なんでアンサンブルすると精度がいいとか,XGBoostがなんでいいとか,LightGBMがなんでうまくいくとか,Neural Networkの理論構造とか,よく知らないまま使っている.
気持ちが悪い.完全に理解したい.だが時間は限られている.
現職じゃあ原理を理解する必要はない.結果がお客様の思惑通りに出なければ原理を理解しようとしまいと「間違っている」からだ.
非常によろしくない.そんなところで今日から仕事始めか.「新年会を計画しろ」と言われたのを思い出した.ふざけんな.

たとえば私はプログラムを書きたい

for文とwhile文の使い分けができない.もっとスマートに解けるはずの問題に深くネストしたfor文とif文で対応してしまう.変な条件を変に書いて条件漏れを頻発する.
もともとプログラムには興味がある.これは人生の過ちだが学ぼうとはしてこなかったというだけだ.アホが.この先生き残れる気がしない.
焦る.焦る.やらないと.でも仕事に一切結びつかない.データ分析とどうつながるんだろう?わからない.わからないことは勉強しなければ,学ばなければ.何から?どこから?
いざ学ぼうとすると時間がない.時間を作ろうとすると生活費を削る必要がある.なぜなら残業代なしでは生活できないから,というのもいいわけだ.やるやつはどんな環境だってやる.結局はやる気の問題に帰着する.ふざけんな.

たとえば私はなにがしたいのか

情報セキュリティについて勉強したいし,過去に憧れてたハッキングを実装してみたい.世界の宗教の経典を1から読んでみたいし,外国語の勉強もしたい.あの国の歴史を知りたいし,ゲームだってしたい.哲学的な思索に耽りたいし,旅行にだって行きたい.やりたいことは山ほどある.それを実行すればいいだけなのに「金が無い」「時間がない」「そこまでやりたいわけではない」など言い訳が立ち並び,アレヤコレヤと悩むうちに睡眠時間が削れ,労働時間に圧迫され,結局何もできないまま新年を迎えてしまった.
何から手を付けよう.全部等しくやりたいのだ,順位なんて存在しない.
ただ「やりたいことが多すぎる」ということに苦悶するポエムを書いた.また人生を無駄にした.



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