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社長の想い、社長の覚悟、資金繰り、予算、中期計画。

僕は、2007年から会計士をやっています。
2007年~2014年は、監査法人トーマツ。大手のクライアントばかりでした。
会計士になると、最初は預金残高のチェックからです。

先輩「この預金残高で問題ない、と納得するまでチェックしろ」

僕「は、はい(困惑気味・・・)」

先輩「総勘定元帳をもらってきたら?」

僕「は、はい(総勘定元帳ってなんだったかな?勉強はしたけど・・・)」

-------監査部屋からクライアント経理部のところへ行き、、、-------

僕「預金の総勘定元帳をもらえますか?」

イヤミなクライアントの人「全部ですか?期間は?」

僕「(よくわからないけど、、)1年分ください」

イヤミなクライアントの人「紙ですか?データですか?」

僕「か、紙でお願いします。。」

イヤミなクライアントの人「のちほど監査部屋へお持ちいたします」

僕「は、はい。。」

-------監査部屋にて--------

イヤミなクライアントの人「お持ちしました」

僕「・・・・・(絶句)。」


もらいましたよ、紙で上場会社の預金の総勘定元帳。
厚さでたぶん20センチ。
これは嫌み以外の何物でもないだろう・・・。
(僕の無知がいけないことも認識しています泣)

そこからのスタートしました。
僕の会計とクライアントのスタート。

会計がなんのためにあるのかを知りたかった。
経営を考えるにあたって、会計がどう生きているのかを知りたかった。
最初の頃は、全然わかりませんでした。
「監査」という仕事がら、数値とのにらめっこ。
上場会社を中心に、数値や内部統制(業務フローのチェック)を7年間、続けてきました。
トーマツに勤めて、学んだことは、「大企業ではどう管理して、どうアラートを数字から出しているのか」ということ。

今もすべてが分かるわけではありません。
でも、12年前よりはわかるようになったと思います。
中小企業とお付き合いさせていただき始めたのが2014年10月。
かれこれ4年になります。
そして僕自身も小企業の経営者。
勉強になります。
やはり習うより慣れろ。
これだけ勉強をして、実務を積んできて、何を大切にするのかなと思っていました。
PL(損益計算書)を毎月付けて、チェックするのかなー?
とか、
BSみながら流動比率なんかみちゃうかなー?
とか。

実際は全然違う。
預金残高の一点でした。
預金残高しかみない。
トーマツのときは、新人がサラッとみて終わるだけだった、預金残高。
独立するとなによりも大切。
資金繰り表だって、クライアントのをそんなに見たことがなかった(トーマツ時代)。
今は、PLと同じくらい資金繰り表が大切。
資金繰り表を作らないと、1年後の着地(預金残高が足りるのか)が読めなくて、不安になります。。

また、会計しか知らずに経営を考えていた時代にはない感覚があります。
それは「経営者の覚悟」です。
会計で経営を考えるタイミングに「減損会計」や「税効果会計」などの見積項目、というジャンルがあります。
経営をしたことがない、もしくは経営を真剣に考えたことがない会計士は、会計基準が頼り。
会計基準がこういっているから、こういう判断。
それだけ。
見積項目を考えるにあたっては「予算」や「中期計画」も見てきました。
数値だけの計画。
クライアントの想いなんかは目もくれず。
だって、想いは数値が書いてないから。
数値があれば、見積項目の監査はできたから。
資金繰りをみなかったのも、そんなこと、大企業は僕たちが見る以前にちゃんとやっているから。
だから見なかった。

それが今となっては、すべて見ています。
社長の想い、社長の覚悟、資金繰り、予算、中期計画。
すべて大切です。
これをどう実現に結び付けるのか。

ここからがゼロベースの本気の見せどころです。


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