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EDH 隠道のセフリス(青春サイクリング型)Seishun Cycling, Sefris of the Hidden Ways (Casual EDH) (2021/07/29)

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1. 緒言

 D&Dとのコラボである「フォーゴトン・レルム探訪」では,様々な楽しい新メカニズムが登場しました.中でもダンジョンは,消防厨房時代に友人達と自作して遊んでいたTRPGスゴロク的なものを想起させたため,是非これを使ったデッキを組んでみたいなという思いが湧き上がってきました.

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 ダンジョン探索に関係するジェネラルには≪ウンドゥル族のバローウィン≫や≪無私のパラディン、ナダール≫などもいますが,折角ダンジョン探索をするならば自分のターンだけでなく相手のターンにも探索できる方が楽しそうだと考え,≪隠道のセフリス≫に目を付けました.

 本稿では隠道のセフリスをジェネラルとしたEDHデッキの紹介を目的とし,リストやコンボ,採用・不採用カードとその理由の解説をします.

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2. ジェネラル

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《隠道のセフリス/Sefris of the Hidden Ways》
(W)(U)(B)
伝説のクリーチャー ― - 人間・ウィザード
2 / 3
1枚以上のクリーチャー・カードがいずこかからあなたの墓地に置かれるたび、ダンジョン探索をする。この能力は、毎ターン1回しか誘発しない。(ダンジョン探索をするとは、最初の部屋へ入るか、次の部屋へ進むことである。)
クリエイト・アンデッド ― あなたがダンジョンを踏破するたび、あなたの墓地にあるクリーチャー・カード1枚を対象とする。それを戦場に戻す。
Whenever one or more creature cards are put into your graveyard from anywhere, venture into the dungeon. This ability triggers only once each turn. (To venture into the dungeon, enter the first room or advance to the next room.)
Create Undead — Whenever you complete a dungeon, return target creature card from your graveyard to the battlefield.

https://mtg-jp.com/products/card-gallery/0000214/531832/

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 通常ダンジョン探索はその殆どがソーサリータイミングに限られます.しかし,セフリスは抜け道(隠道)を知っているためか自分の墓地にクリーチャー・カードが落ちるだけで能力が誘発し,インスタントタイミングで探索を行うことができます.

 この特徴を生かすため,今回は最近イコリアでも追加されたサイクリング持ちクリーチャーを採用することを考えました.

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https://mtg-jp.com/products/card-gallery/0000187/479533/

 セフリスによるダンジョン探索能力の誘発条件はクリーチャー・カードがいずれかの領域から墓地に落ちることです.従って,クリーチャーをサイクリングすることでも能力が誘発します.これにより,ハンドアドバンテージを失うことなくダンジョン探索の恩恵を受けることが出来ます.

 後述しますが,セフリスには準備が必要な1枚コンボ(実際は準備に2枚3枚必要)があり,なおかつ青黒がらみのジェネラルということでThoracleコンボも採用することが出来るため,コンボパーツを探しに行くにもサイクリングは有効ではないかと考えられます.

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3. デッキリスト

 仮り組みしたリストです.

 サイクリング・カードと土地やマナ加速,他の継続的なアドバンテージ源との割合が詰め切れていないところはご容赦下さい.サイクリング・クリーチャーによりキープ基準を緩く取れるということもあり,比較的ストレスフリーかつ再現性の高いゲームが出来るようにはなっています.

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4. コンボ

 先述した準備が必要な1枚コンボ(実際は準備に2枚3枚必要)に関して解説します.これはredditで見つけてきたコンボであり僕のオリジナルではありません.

 コンボに使用するのは≪生き埋め≫です.≪栄光の目覚めの天使≫≪騙り者、逆嶋≫≪カルテルの貴種≫の3枚を落とします.

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 コンボルートは以下の通りです.

セフリス1

セフリス2

 1. 場にセフリスがいる状態かつダンジョン踏破一歩手前の段階で≪生き埋め≫を撃ち,≪栄光の目覚めの天使≫ ≪騙り者、逆嶋≫ ≪カルテルの貴種≫の3枚を墓地に落とします.

 2. セフリス第一の能力が誘発し,ダンジョンを踏破します.これにより,セフリス第二の能力が誘発します.天使を対象とし,リアニします.

 3. 天使の187能力で逆嶋と貴種をリアニします.逆嶋は天使として場に出します.天使となった逆嶋のリアニ能力が誘発します.

 4. この誘発にスタックして逆嶋とセフリスを貴種の起動型能力で生け贄にします.

 5. 逆嶋の能力を解決し,逆嶋とセフリスをリアニします.逆嶋は天使として場に出します.天使となった逆嶋のリアニ能力が誘発します.

 6. この誘発にスタックしてまず逆嶋を生け贄にします.セフリスは別のオブジェクトとなっているため,1ターンに1回の第一の能力は再び誘発します.ダンジョンを探索します.その後,セフリスも生け贄にします.

 7. 5に戻ります.5と6を繰り返すことでダンジョンを無限に探索することが出来ます.ファンデルヴァーの失われた鉱山のドレインを無限に探索することで勝利します.

 注意点として,セフリスの能力は1ターンに1回しか誘発しないため,同一ターンに複数枚のクリーチャーカードを墓地に落としても,ダンジョン探索を1コマしか進めることができません.(これはLabさんやぷさんからコメント頂きましたところでもあります.)

 従って,生き埋めを撃つ前に別の手段でなどであらかじめ探索のコマを進めておく必要があります.つまり,サイクリング・クリーチャーには生き埋めやサーチ呪文を探しに行くという役割と,ダンジョン探索を進めるという二つの役割があるということです.サイクリング・クリーチャーはなんでもいいですしサイクリング以外の方法で探索をすることも可能ですので,サーチ先は生き埋めだけでよく再現性の高い1枚コンボじみた動きが出来ます.

 一方,このコンボは非常に脆弱です.逆嶋とサクり台に関しては代わりとなるクリーチャーがいますが(ヨーグモスは実質的な代わりにはなりませんがライブラリーを掘っていくうちに策が見つかるでしょう),天使は替えが効かないパーツですので脆いと言わざるを得ません.また,重い天使が手札に来てしまうと「そうか……」となります.サイクリングで加速するため,手札にコンボパーツが来やすいのはこの型の良ろしくない点であると言えます.

 そこで,サイクリングで掘り進めるという性質上相性がいいと思われる2枚コンボであるところのThoracleコンボも採用しています.また,サイクリングとの相性から≪研究室の偏執狂≫も採用し,これらにより生き埋めコンボをするのが難しい状況でも勝ちに行けるようにしました.

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5. 採用・不採用カード

 続いて,ぶりんさんの真似をしてmoxfieldのprimer方式のいくつかのカードの採用理由・不採用理由を書いていきたいと思います.

5.1 採用カードとその理由

・不運な研究者

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 自ターンにキャストしておく必要はありますが,手札の質を向上させつつインスタントタイミングで墓地にクリーチャー・カードを置くことが出来る点は非常に優秀です.特に,手札に来て負債となってしまった天使を墓地に送ることが出来るというのは素晴らしいです.あと500枚入れたいレベルのカード.

・耳の痛い静寂

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 基本的に相手ターンに動き,自分の生き埋めコンボも妨害しないため採用.沈黙→生き埋めと行きたいときもあるので難しいところですが,これを張るときは堂々たる撤廃者から行くとか.

・光輝のソーラー

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 条件はあるものの≪魂を喰らう墓≫ルートなら相手エンドに2回探索してメインに生き埋め踏破で勝てるため採用.その筋でなくとも探索2回はやはり強いですね.

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5.2 採用に至らなかったカードとその理由

・2マナ以上のサイクリング・クリーチャー
 キープ基準になり得ず,素出ししても有用と思えるクリーチャーはいなかったため不採用.

・穢れた血、ラザケシュ
 思ったよりも場にクリーチャーが並ばないというのと,上述の生き埋めよりも上手いコンボが思いつかなかったため.長期戦になればファンデルヴァーの失われた鉱山でゴブリントークンが出るのでありかもしれません.ラザケシュ軸は正直まだ検討しきれていないので採用していないといった側面もあり.(リアニクリーチャー+逆嶋+ラザケシュとかも何か出来そうではあるけども,納墓でラザケシュ落としてジェネラルで釣ってジェネラルを生贄にして……だと上手いコンボしか思いつきませんでした.)

・納墓
 ラザケシュ不採用の場合,1枚ぐらい落としても特に変わらないことが多かったので不採用.代わりにサーチ先をサイクリングで即引ける≪親身の教示者≫を採用することにしました.

・動く死体などの追加のリアニメイト呪文
 セフリスが場にいなくとも生き埋め→天使リアニが出来るので最初は2枚コンボ枠として採用していましたが,そもそもセフリスが場にいないと何も起こらないことが分かったため今のところ再活性のみ採用.光輝のソーラー→の軸(遺物囲いなども面白いかも)ならいけるかもしれません.その場合ラザカッツを絡めるといいのやも.

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5.3 採用検討中のカード

・苦い真理などのドロースペル
 サイクリングでデッキを掘れるとはいえ,手札の枚数が増えるわけではありません.手札の枚数を手堅く増やせる手段は欲しいなと考えています.

・真夜中の道照らし,セラの高位僧
 泥臭く戦える手段として検討中.メタ次第か.

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6. 結言

 本稿では隠道のセフリスをジェネラルとしたEDHデッキの紹介を目的とし,リストやコンボ,採用・不採用カードとその理由の解説をしました.

 まだまだ詰めるべきところがあるかと思いますが,ドローがいっぱいできてダンジョンも探索できる,一人回ししていて楽しいデッキになったかなと思います.(僕は消防厨房時代に友人達(猫さんやN氏達)と自作して遊んでいたTRPGスゴロク的なものを思い出せて楽しいです.)
 逆にただ脳死でサイクリングしていると概ね2枚ぐらいでストップしてしまいますので,T1T2にサイクリングをするべきか否かという問題は非常に大きく,意外と奥が深いなと勝手に思っています(これはしっかりと計算すべき問題だと考えています).このままですとコンボ完遂まで早くても4ターンぐらいですのでcの卓では厳しいかなと思いますが,何かブレイクスルーになるようなコンボや構築があるような期待もあります.

 また,デッキとは全く関係ないのですがひとつ気になる点がありまして,このセフリスというキャラクターがD&Dでどういう役割を持ったキャラクターなのでしょうか.検索しても殆ど情報が出てこないためコラボオリジナルキャラなんでしょうか……(ここに記述がある?(https://forgottenrealms.fandom.com/wiki/Kythorn_11))

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