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【cEDH】ハパチラ(2021/8/18)最新リストと解説 (Hapatra) EDH

1. はじめに

 更新はしていたのですが公開は全くしていなかった≪毒物の侍臣、ハパチラ/Hapatra, Vizier of Poisons≫のリストを久しぶりに公開したいと思います.

 本当はハパチラ往古来今のようなものを書こうと思っていたのですが,執筆に必要な情報を集めるのに時間がかかりすぎ,ゴブキチ杯から間が空きすぎるのもよくないと思ったので今回はリストと変更点に絞って書きたいと思います.(最新といっても一か月以上変化がないのにはご容赦下さい.)

2. リスト

 構成自体はレオリオ型からオレオ型に近いものになりました.

 短期的なプランとしてハルクを狙い,中期的なプランとしてヨーグモスを狙うというのは以前と変わりません.一方で,最近流行りのログ系やイナーラには勝てないなと感じた太い構成を捨て,むかつきからの早期決着を狙う構成に変更されています.(実際のゴブキチ杯においては太くした方が良かった説はありました)

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3. 採用カードと不採用カード

 今回は採用したいカードを考えて構築するというよりは,逆に採用するべきではない,ある意味で今のメタに合わなくなってきてしまっているカードを抜き,時代に合ったカードを入れることで調整しました.そこで今回は不採用カードを先に紹介し,そのスペースに採用したカードを後述したいと思います.

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3.1 不採用カード

・殴りハエの蔓延
 多くのスタックスをかいくぐれることから採用していましたが,現在採用されているスタックスの種類を考えるに貪欲なるリス+ヨーグモスでも十分対応可能という判断で不採用.(アプレンティスコンボの方が簡単で軽いというのもあり)

・2マナのマナクリ達
 今の環境では重すぎるとしか言いようがないため不採用.ティタニアの僧侶は当然として,媒介者の修練者と献身のドルイドも殴りハエの蔓延がなければ厳しいなということで不採用に

・アーボーグ
 相手を利するカードは極力入れるべきではないため不採用.ヤヴィマヤは緑が一番弱い色になりつつある,正確に言えばマナクリ戦術が弱いことで緑を選択している人が少ないということと,緑の濃いスペルの採用が現在少ないことから相手への影響も少ないと考え採用.自分は東屋のエルフ+クレイドルからの急速なマナ加速もワンチャン狙えます.ただし,改めて考えると選別の儀式により緑もまま増えているのであれなんですね.まあ,色拘束に関しては確かにそうだし万が一相手が東屋のエルフを入れていてもハパチラで除去することが可能なのでいいのかなと.

・イフニルの死界
 活躍する状況が限られすぎており,起動も重すぎるため不採用になりました.殴りバエもなくなったので使用するタイミングは殆どないですね.

・死の溜まる地、死蔵
 殴りバエの不採用により無理にハパチラの殴りを通す必要がなくなりました.

・エムラクールなどの太いカードたち
 むかつきを採用するに際して不採用に.エムラ1枚だけなら入れてもむかつきの成功率が個人的な基準値を下回るわけではないことが計算により分かっていましたが,一貫性のあるデッキのほうがプレイしやすいということもあり不採用に.

・緊急時
 ヨーグモス以外にサーチ先がいなくなったので不採用.道三ぐらいなら入れてもいいかなとも思ってはいますが,緑のクリーチャーであれば頂点などもあるのでToNを積極的に採用する理由は薄いようにも思います.(結局道三も入らなかった)

・再誕のパターン
 ハパチラの能力によりトークンやマナクリを墓地に送ることで再誕のパターンを誘発させつつトークンを生成し,ヨーグモスまで行けるという流れは非常に強力です.しかしそもそもハパチラを出さない試合もままあることに気づいたため,今回は不採用になりました.依然として強力なカードであることに変わりはありませんし,特にラザケシュ軸なら採用してもいいかもしれません.

・若き狼
 最後まで悩ましかったカード.貪欲なリスとの選択になりますが,今回虚空歩きが増えそうだったのでリスを優先.墓地対策の薄いメタでは,マナクリやトークンなどのサクり要因がいない場合でもコンボに行ける若き狼の方がよいとも思います.

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3.2 採用カード

・貪欲なリス
 墓地対策をかいくぐれる緑の葬儀甲虫として採用.いざとなれば最初の一発目にハルクをサクることも出来るのでかなり優秀.他のサクリ台はすべて黒なのにこれはサーチしやすい緑というのが素晴らしいですね.

・ウィザーブルームの初学者+煙霧の連鎖コンボ
 初めは守る札の少ない黒緑で採用できるカードではないと感じていましたが,やはり軽いコンボは強いということがわかったため採用.同じ4マナで魔の魅惑とアーチリッチ、アサーラックのコンボがありますが,支払うマナは4マナでも実際には7マナであることからむかつきで失うライフの少ないこちらを選択.更に言えば初学者は緑でサーチしやすいのも利点です.アルーレンも決して悪い選択肢ではないとは思いますが,むかつき関係がなかったとしてもサーチのしにくさと相手に利を与える可能性があるということが頭をもたげます.アブザンカラーのジェネラルなら比較的サーチがしやすくなるため選択肢としてありかもしれませんが.

・ボリアルのドルイド
 1マナマナクリの中でも最弱のように見えるカードですが,2マナマナクリよりは大分ましなので採用.ヤスペラと最後まで迷いましたが,ハパチラを出さずに勝つ試合も珍しくなかったためこちらを優先.

・法務官の掌握
 以前はエムラクール等を採用していましたが,前述したように速さには勝てないので何か別の手段を探していたところ目に入ってきたカード.仮に太いカードが必要になる状況なら,相手が太い戦術を使ってくるということなので,相手のデッキから太いカードを奪えばいいのかなと考えて大会開始5分前に採用.冷静に考えると太さの必要な状況でこのスペルが通ること自体が現実的ではないため,この考えは浅慮だったと言わざるを得ません.しかし,結果としてはネクロマンシーを奪って勝つなど活躍したためやはりメタ次第なのだなと.もっと場数を踏まないと真価が分からなそうなのでしばらく使ってみたいと思います.

・選別の儀式
 他のデッキでもさんざん言われているので多くは書きませんが,除去+デカイマナ加速はハパチラにおいても強いです.2マナのマナクリを抜いたことによって自分のテンポ被害も少ないため入れ得だと思います.メタによってはモノリスのようなカードを優先して採用することはあるかもしれませんが,除去としての性能も考えるのであればこちらを優先するべきかと思います.

・ダウスィーの虚空歩き
 ある程度T1T2の動きを制限しなければということがあり採用.ただし勝ちに直結するわけではないためメタ次第かなという感想です.虚空ドウォーカーを嫌うデッキがままありそうだったのでゴブキチ杯では採用しました.

・陰謀団の儀式
 2マナのマナクリの代わりに採用.やはり早い加速は重要だということで.

・モックス・ダイアモンド
 もともと採用していたカードですが,ぶりんさんと議論させて頂いたので記載.post-nausで動けるという視点で考え,モンテカルロ計算を駆使して不必要ではないかという結論を導き出しはしましたが,postより寧ろpre-nausでの動きに重要だということぶりんさんからお聞きし残留.実際プレイしてみるとその通りでしかなかったので浅慮としか言いようがないですね.因みに今回は同様の理由でElvish Spirit Guideも採用しています.

・森の知恵
 むかつきを撃つ都合上ライフを減らしたくないので採用していなかったのですが,その後検討を重ねた結果狙われやすくなるリスクがあっても単純なドローエンジンは必要だということが分かったため再度採用.メタ次第ではまた抜けるかもしれませんが.むかつき後を考えると巻物棚もありなのかもしれないなとも思いましたが現状はこちらで.

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3.3 検討中のカード

・厳かなモノリス
 1マナ加速は強いため.メタによっては選別の儀式の代わりにこちらを採用するというのもありかもしれません.

・1マナハンデス
 現環境のスピードについていくために最低限必要かもしれません.ハルク型のハパチラの場合,コンボに絡んだ陰謀団式療法を採用できているので,現状追加の1マナハンデスを採用はしていませんが,メタによっては入れてもいいと思います.一方で,ハパチラのようにハンドアドバンテージの取れないジェネラルがT2ジェネラルに対応しなければならない状況という時点で,負けが見えている気もします.

・敵対工作員
 勝ちに繋がらない3マナのカードをハンドアドバンテージのとれないジェネラルがキャストするタイミングがあるのかというのが甚だ疑問.不快生物としてはより軽い虚空ドがいるためこれまで採用する必要があるかは検討する余地があるなと考えています(範囲が全然違いますが).相手のエンドに出してタフネスカウントやサクり要員になるというのはままありなので現状は採用しています.(むかつきと一緒に構えられるというのもままあり.)

・忍耐
 Thoracleやブリーチを止められるのは確かに強いですが,コンボを始動する段階でそれを止めるカードを積むのはハパチラには荷が勝つというのが使ってみての感想です.カードアドバンテージも失ってしまうので現状は不採用ですが,後述のメインむかつきやヨーグモスに軸を寄せるのであれば,自分の墓地修復手段としての役割も持てるのでありかもしれません.

・溜め込み屋のアウフ
 いっそ自分もメタル化したほうが早いのかもしれません.メインむかつきが安定するだけでなく,ヨーグモスからのチェインもマナファクトの方が強いため.

・屍肉喰らい
 臓物の予見者と実質同じカードが2枚もいるか?という疑問から.実際2枚なかったら勝てなかった場面もあったためなかなか不採用にできないですが,必須と思えないカードを採用するのはどうなのかなという気も……

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4. 終わりに

 むかつきを採用するにあたっていろいろと考えなければならないことが多く,大変でしたがまずまずの調整が出来たと思います.また,大会の結果は2位とやはり長い間使っているデッキは馴染むなといった感想です.

 ただし,イナーラにすべての試合で負け,イナーラ以外にはすべての試合で勝ったため,速いデッキに対応できるようなプレイングや構成にはなっていないのかなという反省点も見えてきました.

 メタが想定していたものと違ったということはありましたが成績には満足しています.ただ,想定していたメタでプレイしたいなという欲求などもあるため,今後日程を調整してやりたいなとぷさんと話すなどしました.(日記)

 今回紹介したのは所謂金太郎飴の特化型から更に一歩進んだネクストレベルハパチラでしたが,Snakebag型やネクストレベルスタックス型,構想段階のネクストネクストレベルハパチラに関していずれ書ければと思います.(ネクストネクストレベルを形にするにはもっと実戦を積みたいですが)

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