大原渉平〈劇団しようよ〉

京都の「劇団しようよ」で活動しています。脚本・演出・デザインなどをしています。1988…

大原渉平〈劇団しようよ〉

京都の「劇団しようよ」で活動しています。脚本・演出・デザインなどをしています。1988年11月11日滋賀生まれです。http://www.gkd-444.com/

最近の記事

劇団しようよ の あゆみ 25 『畦道』

ついに来ました。2020年度の公演です。 といいますか、なんといいますか、コロナ禍ですね。 劇団しようよも、2018年のパフ4都市ツアーから公演をできないままにいました。 おかげで2年ぶりの活動となったのが、本日ふりかえる『畦道』です。 と言いつつ、コロナ禍だ、なんて言い訳をしましたが、実は『パフ』4都市ツアーでの負債が原因でもあるんです。あれだけ意気込んで作った『パフ』でしたが、台風の影響などもあり、動員が伸びず、多くの人に観てもらえなかった悔しさがありました。

    • 劇団しようよ の あゆみ 24『パフ』2018年ver.

      さて、どんどん現在に近づいてきていますね。 今日のふりかえりは2018年『パフ』4都市ツアー。 京都はKAIKA、東京は北千住 BUoY、北九州は枝光本町商店街アイアンシアター、沖縄はアトリエ銘苅ベース。京都・東京・北九州・沖縄の4都市を巡ったのでした。 いやあ、濃密なツアー公演でした。 というのも出演俳優を京都だけでなく、東京、九州と広く出演者オーディションを行ったのです。 前々から書いてきました、各地域による俳優さんの言語感覚の違いや、言葉に対する危機感の違

      • 劇団しようよ の あゆみ 23 3つのものがたり『スーホの白い馬』『スイミー』『ごんぎつね』

        大原はそもそも。 小学校や中学校、または高校・大学でワークショップをして生活をしておりました。 いや、その中でも小学校がやっぱり多かったかな。 というわけで、子ども向けの作品を作る機会がやってきます。 「子ども向け作品」それのむずかしさは例えようもありません。 ですが一度別の劇団が上演していた子ども向け作品を見て、大変感動したことがあります。 というのも(その劇団は、前衛的なスタイルで子ども向け作品を展開していたのです)その舞台を、子どもがどう見てるんだろう

        • 劇団しようよ の あゆみ 22 『おろしたての魚群』

          これまで劇団しようよでは原作を敷いて、その上に作品をつくるということをやってきました。 スーホの白い馬だったり、パフだったり・・・ そんな中、どうしてもやりたい演目がありました。 それはレオ・レオニ作の『スイミー』です。スイミーを下敷きにして作品を作ってみたいと常々思っていたのです。 そこで2017年度の本公演では、スイミーを下敷きにした『おろしたての魚群』という作品を作ることになります。 おろしたて?魚群? どういうことなんでしょう。 作品のあらすじは

        劇団しようよ の あゆみ 25 『畦道』

          劇団しようよ の あゆみ 21 『あゆみ』『TATAMI』

          さて。やってまいりました。アトリエ劇研での創造サポートカンパニー3年目。 どんな演目にするか考えます。 ふと頭をよぎったのが、アトリエ劇研が閉館になるということ、でした。 そうです。実はアトリエ劇研がこの2017年をもって閉館してしまうのです。それを聞いた時は相当なショックでした。旗揚げ公演もやらせていただき、チェーンソー劇団とも呼ばれ、あごうさんディレクターになってからは『あゆみ』『CEREMONY』と二作品を上演させていただきましたアトリエ劇研。 そんなア

          劇団しようよ の あゆみ 21 『あゆみ』『TATAMI』

          劇団しようよ の あゆみ 20 『CEREMONY』

          アトリエ劇研での2年目。今日はそんなお話です。 以前の柴幸男さん作『あゆみ』の時にもお話ししましたが、アトリエ劇研の創造サポートカンパニーというものに劇団しようよは採択をしていただき、活動しておりました。 アトリエ劇研という綺麗なブラックボックスで、劇団しようよはいつもは大原自身で劇作をしているのを一旦手放してみて、他者の作品を上演してみよう、と取り組んでいたのです。 そこで2年目。どんな演目にしようか考えます。 ふとアトリエ劇研のディレクターにあごうさとしさんが

          劇団しようよ の あゆみ 20 『CEREMONY』

          劇団しようよ の あゆみ 19 『いつまでもスーホの白い馬みたいに。』

          アートコミュニティスペースKAIKA。 京都の四条烏丸付近にあるスペースです。 ありがたいことに、劇団しようよは2016年よりKAIKAの「アソシエイトカンパニー」という枠に採択されました。 ということで劇団しようよは思います。 「アソシエイトカンパニーになったからにはアソシエイトカンパニー記念公演をやりたい」 どんな作品にするか夢想します。新作をやろうか。新作をやるからにはどうKAIKAを使いたいか。再演がいいか。再演するにはどの作品がいいだろうか。これまで

          劇団しようよ の あゆみ 19 『いつまでもスーホの白い馬みたいに。』

          劇団しようよ の あゆみ 18 『こっちを向いて、みどり』

          さて。京都に2016年からできた「ロームシアター京都」。 そこで劇団しようよが公演をすることになります。 ロームシアター京都のオープニング記念事業として採択されまして、京都に新しくできるロームシアター京都さんにて公演を行うことが決まりました。 当時としては、嬉しいニュースでした。前作『ドナドナによろしく』のこともあり、これからどうしていこうか悩んでいたこともあったのですが、この劇場さんで公演をさせていただきよかったと思います。 作品の内容はこうです。 とある男性

          劇団しようよ の あゆみ 18 『こっちを向いて、みどり』

          劇団しようよ の あゆみ 17 『ドナドナによろしく』

          『ドナドナによろしく』。僕はこの作品のことを生涯忘れることはないと思います。 劇団しようよの、いわば第五回本公演がこの『ドナドナによろしく』でした。 この作品のためにワークインプログレスとして『こんな気持ちになるなんて』、『ここに居たくなさ過ぎて』の二作品を作ってきまして、その延長上に今作『ドナドナによろしく』がありました。 ですが、創作は困難を極めました。 とにかく戯曲が書きおわらなかったんです。 お恥ずかしい話、いつもよりも執筆のスピードも遅く、稽古場で俳優

          劇団しようよ の あゆみ 17 『ドナドナによろしく』

          劇団しようよ の あゆみ 16 『ここに居たくなさ過ぎて』

          前の記事でも書いたように、大原はアートコミュニティスペースKAIKAにて、試演会イベント「gate」のディレクターを担当させていただいておりました。 今日はそんなgateに、再びディレクター自ら参加した時の振り返りになります。 作品の名前は『ここに居たくなさ過ぎて』。 といいますか、そもそも前回本公演だった2014年の『パフ』以来、約20ヶ月ぶりに本公演を行う予定をしていたのです。 その新作本公演に向けての試作の意味を込めて、この試演会イベント「gate」に参加

          劇団しようよ の あゆみ 16 『ここに居たくなさ過ぎて』

          劇団しようよ の あゆみ 15 『こんな気持ちになるなんて』スイカver.

          せんがわ劇場演劇コンクール。参加団体が広く募集されていました。 劇団しようよもぜひ参加しようと思い、応募したわけです。 今日はそんなお話になります。 当時2015年、劇団しようよでは二度の東京公演を行っていました。東京でどうにか知ってもらう機会を作れないか、どうにか一歩先に行けないか、と考えていた頃、このコンクールの募集を知りました。 せんがわ劇場とは東京調布市の仙川にある劇場です。多数応募団体がある中、審議をされありがたいことに劇団しようよは採択され、コンクールに

          劇団しようよ の あゆみ 15 『こんな気持ちになるなんて』スイカver.

          劇団しようよ の あゆみ 14 『あゆみ』

          かつて京都には、2017年まで、それはそれは美しいブラックボックスの劇場がありました。 その名も「アトリエ劇研」。 そうです。その通りです。旗揚げ公演でもお世話になり、劇団しようよのことをチェーンソー劇団と呼んでくださった、あのアトリエ劇研です。 アトリエ劇研のディレクターが、田辺剛さんからあごうさとしさんに代替わりをしたのです。そこで募集されたのが「創造サポートカンパニー」というものでした。それはアトリエ劇研で年に一度上演をすることを条件にしたもので、そこに、僕たち

          劇団しようよ の あゆみ 14 『あゆみ』

          劇団しようよ の あゆみ 13 『君となら、銀河の果てでもどこまでも!そこになかったはずの酸素は要するに湧き上がり、星はまたたきスーパーノヴァ』

          もとはと言えば、当時交流のあった俳優の長南洸生さん(当時は、同志社小劇場のメンバーだった)の発案により、同志社大学の学祭に参加させていただたいたのが始まりでした。 ある日、長南さんが僕の元へ連絡をくれました。 「作品を一つ、作ってくれませんか?」 話を聞くに、彼が卒業をする同志社大学の学祭に向け、一つの短編の作品をつくってほしいとのことでした。彼の熱意に背中を押され、思い切って作品をつくることになりました。 思い返せば、僕たちだけでなく、京都のいろんな劇団は、京

          劇団しようよ の あゆみ 13 『君となら、銀河の果てでもどこまでも!そこになかったはずの酸素は要するに湧き上がり、星はまたたきスーパーノヴァ』

          劇団しようよ の あゆみ 12 『こんな気持ちになるなんて』

          そもそも大原は、アートコミュニティスペース KAIKAさんの「gate」という企画のディレクターを担っておりました。2013年から2016年までだったでしょうか。約3年の間、さまざまな劇団さんに「gate」に出演していただきました。 gateは試演会イベントの側面もありつつ、ショーケース的な側面も同時に併せ持つという特殊な企画です。 その企画に、ついにディレクター自ら劇団しようよで参加することになります。 その参加の時に生まれたのが今作、『こんな気持ちになるなんて』です

          劇団しようよ の あゆみ 12 『こんな気持ちになるなんて』

          劇団しようよ の あゆみ 11 『パフ』再演

          2013年度に上演した『パフ』初演。 存外気に入った作品となった、3月の期間劇団員の卒業公演でした。 これをどうにか東京の皆さんへ届けることはできないかと思ったわけです。そしてまたも王子小劇場の芸術監督北川さんへと打診します。するとあれよあれよと言う間に東京公演を行うことになりました。 北川さんも「ぜひウチで」とおっしゃっていただき関東での上演が決まりました。 本当に王子小劇場の皆さんには頭が上がりません。いい劇場です。また、京都の会場は人間座スタジオさんから、

          劇団しようよ の あゆみ 11 『パフ』再演

          劇団しようよ の あゆみ 10 『パフ』初演

          劇団しようよ、とってもお気に入りの作品でが出来上がりました。 その名も『パフ』。 ご存知の方も多いかもしれませんが、アメリカのフォークソンググループ・Peter, Paul and Maryの「Puff, the Magic Dragon」という楽曲があります。その楽曲をモチーフに今回は作品を作りました。 これは、ホナリーという入江で暮らす魔法の竜と、少年ジャッキーの交流を描いた楽曲です。 「Puff, the Magic Dragon」の歌詞の第三番このような部分が

          劇団しようよ の あゆみ 10 『パフ』初演