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ゲームとアニメ

 あらゆる類のゲームを基本的にやらない。現在はハードを一切所有しておらず、スマホにもゲームアプリは一つも入っていないくらいである。昔はそうでもなかったのだけど、子供の頃は兄がテレビゲームをしているのを横で眺めていることが多く、あとは友達の家でスマブラやウイイレをする程度だった。ただ例外的にゲームボーイアドバンスのポケモンやパワプロなんかは熱心にやり込んだ。ルビーではポケモンを全種類揃えていたし、パワポケ6のサクセスは全エンディングを制覇していた。しかし、十五歳の頃にギターを始めてからは音楽に傾倒していき、ゲームからはすっかり遠ざかった。
 最後に所有していた携帯型ハードは中学三年の時に買ったニンテンドーDSライトで、二本のソフトをクリアした後にすぐ売ってしまった。一本目に買ったのは『ドラゴンクエストモンスターズジョーカー』である。僕はそれまでドラクエを一切やったことがなく、「一緒に始めて対戦しよう」という友達の誘いに応じたのだった。どうせやるなら徹底的にやろうと、僕は一番強いとされるモンスターをネットで調べて作りあげた。友達と対戦する際、こちらがそのモンスターでマダンテという呪文を唱えれば毎回1ターンで決着が付いた。いつしか友達は先にソフトを売ってしまっていた。二本目に買ったのは『ファイナルファンタジー12』である。僕はそれまでFFを一切プレイしたことがなく、「さすがに一作くらいやってみるか」と思い立ったのだった。あまり詳しくはないのだけど、この12はFFの他のシリーズとは戦闘システムが根本的に異なる少しトリッキーな作品だったらしい。多分、全てのジブリ映画の中で『かぐや姫の物語』だけを唯一見たことがあるみたいな具合なのだろう。このソフトは一通りクリアした後、あまりやり込みもしないうちに飽きてしまった。

 それからアニメの類も基本的に見ない。スタジオジブリや細田守なんかが手掛ける一部のアニメーション映画を除き、深夜にテレビ放送されていたりネット配信されているようなシリーズ物のアニメは全く見てこなかった。子供の頃に『名探偵コナン』や『クレヨンしんちゃん』みたいな大衆向けな作品を見ていた程度で、世間で『涼宮ハルヒの憂鬱』や『けいおん!』なんかが流行っている時はほとんど関心がなかった。
 ある時、当時勤めていた会社の同期とアニメの話題になった。僕があらゆるメジャー作品を素通りしてきたことが判明すると、彼らは非難しつつ羨んだ。これから色々な名作を一切の予備情報なしで見られるからである。たしかにそれは一理あると思い、「これだけは見とけ」という作品を一つだけ挙げて欲しいと頼んだ。彼らは悩んだ挙句に『魔法少女まどか☆マギカ』を勧めてきた。僕は何が悲しくて萌え系の美少女アニメを見なければならないのかと懐疑的だったのだけど、「とりあえず三話まで見ろ」との指示に従った。結局、三日か四日くらいで全話見た。

 僕はまだ二十代なのだけど、新しい何かに挑戦しようという意欲は恐ろしいスピードで減退している。それと引き換えに何かを「狭く深く」掘り下げられているかと言えば、別にそうでもない。

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