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変性意識状態を利用したDXMセラピー:新しい自己認識の扉を開く

DXM(デキストロメトルファン)は、鎮咳剤として使用される薬剤であり、過剰摂取すると意識変容を引き起こすことが知られています。

この記事では、DXMによるセラピーについて、セットとセッティングの概念、効果、トラマドールとの併用による相乗効果セラピーに用いる場合の具体的な用量プラトーの説明、トリップシッターの必要性注意事項ハームリダクションについて説明します。

セットとセッティング

変性意識(Altered states of consciousness, ASC)は、通常の意識状態とは異なる体験や知覚状態を指す用語です。変性意識に関わるセットとセッティングは、変性意識を誘発するための環境や心理的状態を整えることを指します。

セット

変性意識を誘発する個人の心理的状態を指します。セットは、個人が持つ信念、期待、感情、知識、経験、人格、価値観、文化背景などの要素によって形成されます。たとえば、薬物使用に対する個人の信念や、その薬物に関する知識、薬物使用に対する期待などがセットを形成します。また、疲労やストレスなどの身体的状態もセットを形成する要素となります。

セッティング

変性意識を誘発するための物理的環境や社会的状況を指します。セッティングは、変性意識を誘発する手段として、たとえば薬物使用の場合、使用する場所、使用する時間、使用する人数、音楽やライトなどの刺激、その他の周囲の環境によって形成されます。また、瞑想や呼吸法などの自己調整的な方法で変性意識を誘発する場合、静かで落ち着いた環境が必要とされます。

セットとセッティングの相互作用によって、変性意識の体験が形成されると考えられています。たとえば、薬物使用においては、個人のセットが薬物の効果を強めたり、弱めたりすることが知られています。同様に、セッティングが瞑想や呼吸法においても、変性意識の体験に影響を与えることがあります。

効果

DXM(デキストロメトルファン)は、咳止め薬として一般的に使用されている薬剤ですが、一部の研究によれば、DXMによるセラピーの効果があることが示唆されています。

DXMを使用したセラピーの研究は限られていますが、以下のような効果が報告されています:

  1. 抑うつ症状の緩和: DXMは、セロトニンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質の再取り込みを阻害することで、抑うつ症状を緩和する可能性があります。

  2. 不安症状の緩和: DXMは、脳内のグルタミン酸受容体をブロックすることで、不安症状を緩和する可能性があります。

  3. 依存症の治療: DXMは、オピオイド受容体を活性化することで、オピオイドの代替療法として使用されることがあります。

  4. 精神的な洞察力の増加: DXMは、意識の変容を引き起こすことがあり、精神的な洞察力を増加させることができます。

トラマドールとの併用による相乗効果

トラマドールは、中等度から重度の疼痛を和らげるための鎮痛剤です。トラマドールをDXMの効果が弱まった時に併用することで、相乗効果が得られるとされています。しかし、併用による副作用の増加や重篤な健康被害が報告されており、慎重に行う必要があります。

セラピーに用いる場合の具体的な用量

DXMを使用する場合の具体的な用量は、使用目的によって異なります。一般的には、鎮咳薬としての使用量の数倍から数十倍の量が必要とされます。セラピーで使用する場合には、使用者の体重や過去の経験に基づいて、個別に決定する必要があります。また、DXMは副作用があるため、適切な量を使用することが必要です。

参考までに以下に投与量と効果を記しておきます。

DXMの投与量(mg) 効果
100-200:軽度の刺激
200-400:多幸感・幻覚
300-1,500:視野の歪み,運動協調性の喪失,体外離脱のような感覚

セラピーに用いる場合は300mgを上限とする場合が多い様です。

プラトーについて

DXMには、一般的に4つのプラトー(段階)があるとされています。

第一プラトー:この段階では、軽い多幸感、身体的感覚の変化、感覚の増強が起こります。音楽や視覚的な体験が鮮明になることがあります。

第二プラトー:この段階では、より強い身体的感覚の変化が起こり、感覚遮断、運動機能の低下、思考の混乱が起こることがあります。

第三プラトー:この段階では、身体的感覚の変化が最も強くなり、幻覚、幻視、不安感、妄想、昏睡状態に陥ることがあります。

第四プラトー:この段階では、完全な昏睡状態に陥ることがあります。この状態は、非常に危険であり、生命を脅かす可能性があるため、絶対に避けるべきです

トリップシッターの必要性

トリップシッターは、セラピー中に使用者をサポートする人物です。
トリップシッターは、使用者の状態を観察し、必要に応じて対処することで、安全で効果的なセラピーを実現します。

トリップシッターは、セットとセッティングの改善や、使用量の調整、セラピー中の誘導なども行うことができます。

注意事項

DXMによるセラピーを行う場合、以下の注意事項に留意する必要があります。

  • 使用量は経験者の指導のもとに行うこと

  • セットとセッティングの改善に努めること

  • トリップシッターの存在が望ましいこと

  • 他の薬剤との併用による副作用の増加に留意すること

  • 薬物乱用による健康被害のリスクに留意すること

ハームリダクションについて

DXMによるセラピーを行う場合には、ハームリダクション(有害な影響の軽減)が重要な課題となります。使用者の安全を確保するための対策が必要です。
具体的な対策としては、セットとセッティングの改善、トリップシッターの配置、セラピー中の誘導などがあります。

また、使用者の健康状態を把握し、過剰な投与を避けることも重要です。呼吸困難などの副作用が発生した場合には、トリップシッターに相談し、適切な処置を行う必要があります。

セラピー中に使用されるDXMは、薬物乱用による健康被害のリスクもあります。使用者は、変性意識状態にアクセスする為の適切な量を使用し、健康状態に留意することが必要です。

また、DXMによる変性意識状態によって、使用者は自己啓発や自己成長を促すことができますが、適切なセットとセッティングの下でのみ、このような経験が可能です。

まとめ

DXMによる変性意識状態を活用したセラピーについて、セットとセッティングの概念や効果、トラマドールとの併用による相乗効果、具体的な用量、プラトーの説明、トリップシッターの必要性、注意事項、ハームリダクションについて説明しました。

DXMによるセラピーは、セットとセッティングの改善やトリップシッターの配置など、適切な対策を徹底することが必要です。

また、使用量の調整や健康状態に留意することも重要です。DXMによる変性意識状態を活用することで、自己啓発や自己成長を促すことができますが、薬物乱用による健康被害のリスクに留意し、セットとセッティングを整えたうえで、適切な使用を心がけることが必要です。

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