彼は、他の男性スタッフと話してる時、声を出して思いっ切り楽しく笑う

その笑い声を聞くだけで空間が明るく賑やかになる

彼の事、周りは人として皆好意を抱いているだろう

私も勿論、その頃も今も彼のこと人として好きで憧れている

彼と一緒に働いている時間が好きだった

何も変わらない平凡な日常だとしても

数カ月経つと、私もその空間の中に馴染んでいた

皆温かい人ばかりだった

こんな風に思えたのもバイトが楽しいと思えたのは少なくとも彼のおかげなんだ

感謝しきれないんだ未だに…

できなかった事ができた時は

「出来たの！？すごいじゃん！」

て大袈裟に褒めてくれる

自転車の補助輪を外して乗れた子供を褒める母親みたいに

嬉しい言葉を重ねに重なったある日

少し私の胸にざわつきを覚えた

"彼ともっと話したい"

"これから色んな話が出来たらいいな"

話すとこんなにも元気になるなんて

こんなにも気持ちが温まるなんて

久しぶりな感覚だった

でも口が上手く動かなくて

勇気が出なかった

モヤモヤした気持ちを隠しきれず、友達に相談をしてみた

「それは恋だね」

唖然とした私はその友達が言う言葉に全否定した

だって、ただ単に話したいって思いだけなのに

どうしてそれが恋に変わるの？って気持ちに覆われた

「その恋応援するよ！」
と話をどんどん進めていく

(まってよ！！違うって)

でもそれは違くなかったし否定しても遅かったのかもしれないね

彼と会えば胸がキュってなって

そんなこと今まで無かったのに

シフト被ったら嬉しくなっていたり

話せた日は「今日も話せた」って少し嬉しかったりもした

シフト被るかなってシフト表も実はこっそり見てたりもした

そこから友達がこんな事を私に言ってきた

「ねぇ、そろそろ2月じゃん？バレンタインあるじゃん！いつものお礼+本命として渡しな！」

その言葉に吸い込まれる  

………

渡したい

………

その日、私はネットでトムとジェリーのチョコレートを検索した

なぜ、トムとジェリーなのかと思ったでしょ

そう思うよね実はね、

ホーム画面が彼女の後ろ姿だった写真が私の知らない間にトムとジェリーに変わっていたんだ

気になったよ

なんで？

なんで変えるの？

そこに意味があったりするの？

ぁあ、、私

彼の事が気になってるんだ

好きとまでは確信したくなかった

馬鹿だな

彼女いるのは確かなのに