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IRON&TITAN事件

こんにちは!
この記事では一日で42億分の1に価値が暴落したTITANの仕組みについて紹介していきたいと思います。

1,仮想通貨の問題点


BTC

上記の表はビットコインのチャートです。2020年の年初は約100万円ほどでしたが、2021年の年初400万ほどになっています。
ボラティリティが高い(価格変動の度合いが高い)ために、BTCは『投機商品』としての側面では良いですが、『法定通貨』として使用することは難しいです。。。

ですが....!
『投資』としてしか使えない仮想通貨を法定通貨の価値と紐付けたものが「ステーブルコイン」です。

今回紹介するIRONとTITANは「ステーブルコイン」の一種です。

ステーブルコインの中でも…
IRONは仮想通貨担保型
TITANはアルゴリズム型

の形をとっています。

4種類存在するステーブルコインを見ていきます。

ステーブルコインには、

1,法定通貨担保型
2,コモディティ型
3,仮想通貨担保型
4,無担保型(アルゴリズム型)

の4種類があります。


1,法定通貨担保型

円やドルなどを担保にしたステーブルコイン。
- 一般的な仮想通貨に比べて価格が安定している
例)USDC、JPYC

2,コモディティ型

金や石油、不動産などの「コモディティ(商品)」を担保にしたステーブルコイン。
- 法定通貨担保型と同様に安定している
例)Tether Gold(XAUT)やPAX Gold(PAXG)
(上記は金に担保にしている)

3,仮想通貨担保型

ETHやBTCなどの仮想通貨を担保にしたステーブルコイン。
- 1,2と異なり、価値が不安定
例)DAI(ETHが担保)、TerraUSD (UST)、BitUSD (BITUSD)、IRON

4,無担保型(アルゴリズム型)

-需給調整をブロックチェーン上のアルゴリズムで行うステーブルコイン。例)Ampleforth (AMPL)、Terra(LUNA)、 Empty Set Dollar (ESD)、TITAN

担保型のステーブルコインで共通していることは、発行元が担保を保証していることです。
USDCでは、” 1USDC=$1
DAIでは、”1DAI=1DAI分のETH
発行元が引き換えてくれます。

このルールがあることで、1ドル分の価値と乖離した際も、1ドルに近づこうとする力が働きます。

例)
・(市場価格で)” 1USDC>$1 ”のとき
発行元でUSDCを買い、市場で売る
→USDCの市場での供給量が増える
→USDCの価格が下がる

・” 1USDC<$1 ”のとき
市場でUSDCを買い、発行元で売る
→USDCの市場での供給量が減る
→USDCの価値が上がる


2,IRONとTITANの仕組み

まず、IRONは以下の仕組み図が前提です。

IRONは仮想通貨担保型ステーブルコイン
TITANは無担保(アルゴリズム)型ステーブルコイン
となります。

ここで、IRONだけなら上記で紹介したことと同じことが働きます。
発行元に行けば、ステーブルコインは必ず1ドルの価値と交換してくれるため、
1IRON>$1 → Mintで購入
1IRON<$1 → Redeemで売却

こうして、TITANは$1の価値を担保しています。
ここまでがアービトラージ(裁定取引)により$1にペグする力が働いている状態です。


さて、ここでTITANに注目したいと思います。

ここで、重要なのがTCRという概念です。
TCRとは…
Target Collateral Ratioのことです。
TCRとは、個人がMintする時の「USDCの量/IRONの量」で、
(ECRとはプロジェクト全体の総供給量の「USDCの量/IRONの量」)

IRONの価格によってTCRは変動します。

・1IRON>$1のとき 0.1%TCRを下げる。
・1IRON<$1のとき 0.1%TCRを上げる。

TCRとは、目標の値
ECRとは、現実の値

と言い換えられると思います。


さて、ここで Iron financeが崩壊してしまった下地が出来上がります。
もう一度この図解を見てください

★IRON>$1のとき
IRONを市場で売却
→IRONをMintし、TITANはBurnされる
→市場に出回るTITANの量が減少
→TITANの価値が上がる

→*ファームのAPRが高くなる
→IRONの買い圧上昇
→IRONの価値が上がる
→TCRが下がる

→IRON>$1へ(★)

ここで*ファームのAPRが高くなる
から意味わからなくなった人のために(私も「はい....???」ってなりました)👇

ユーザーは2つのトークンをペアにしてDEXに流動性提供します。

流動性には2種類あって....

イールドファーミング
DEXに流動性提供した対価としてつく金利

流動性マイニング
おまけで新たなトークンが報酬としてつく

APRとは上記の金利の足し算の値です。

★の無限ループが起こりTITANの価値が高くなります。


【参考文献】
・ヒヨコロ. IRON/TITANのしくみ.

・Yield Farming Lab. (2022). イールドファーミングとはhttps://medium.com/@YeldFarmingLab/%E3%82%A4%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%89%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%83%9F%E3%83%B3%E3%82%B0-8b0539ac4e55

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