脳が喜ぶ距離の情報 #そやマーケ

一応マーケ本職なので、マーケの情報も発信していくかのシリーズ。
同じこと何回も説明するの大変なのでnoteにしときます。

今回は「人が見たくなるものとは?」について、脳の仕組み的にはこんな感じになってるはずだよ〜というやつです。原理から理解しようね。

はずだよ〜というのは、僕は脳の専門家ではないのでツッコミどころはあるだろうよという免責です。


よくある話ですが、広告は3つの「しない」、すなわち「みない」「信じない」「行動しない」を超えなくてはならない、というのがありますよね

見ないを超えるには、まず気になってもらう必要があるのですが、そもそも人間ってどういうものが気になっちゃうんでしょうね?


一言でいうと「ニューロンが予想外に活性化しそうな情報」です。

↑この表現自体があんまりわかり易くないのですが、厳密な定義優先で一旦この言葉を使いますね。


人間の脳はニューロンが予想外に活性化するのが大好きです。

主に

・使われてなかったところが活性化する
・予想外のところが繋がって活性化する

の2つがあるかなと思ってます。

・使われてなかったところが活性化する
の例は、たとえば思い出話です。


久しぶりに高校の同級生とかと合って、こんなことあったよな!って昔話に花を咲かせるの、まじおもろいっすよね。みんなだいすき人類に普遍的に愛されている娯楽の一つです。

これはまさに、長らく使ってなかったニューロンが活性化してます。

誰かが1つ思い出話をすると、そこから連想ゲーム的にエピソードがでてきて、無限にニューロン活性連鎖が起こります。脳はそういうのが大好きなんですね。

うまく活性した瞬間に、脳は興奮を覚えるんだと思います。


そして広告で重要なのはもう一つの、予想外のところが繋がって活性化する、の方です。


たとえば「まだ糖質制限してるの?白米食べ放題ダイエット」みたいなフレーズを作ったとします。ダイエッターがまあまあ気にしてくれそうなタイトルですよね。

まあそんなダイエットが成り立つのかは謎ですが、一旦ここは例なので押し通ります。


これが気になるのは、ダイエットと糖質食べ放題というのが脳の中でちょうどいい距離にあるからです。
ちょうどいい距離とは、本来繋がらなさそうなのに、間になにか新情報がはいるとつながるかもしれないと予期させる、という距離です。


これが近すぎると内容が予想できてしまうのでもちろん気になりませんし、遠すぎてもつながることが期待できないので気になりません。


たとえば遠すぎる例で、「山田拓哉式ダイエット」というフレーズを作ったとします。
いや山田拓哉ってだれ?、ってなりますよね。
なんとなく権威ぽい印象はあるので全くクリックされないこともないと思いますが、劇的に気になるかと言われれると、なりません。
劇的に気にならないフレーズは広告には不要です。

逆にこれが「菜々緒式ダイエット」とかだと、山田拓哉よりはもっと気になりますよね。「田中みな実式ダイエット」とか。

菜々緒のもつスタイル良いというイメージが一緒に想起されて、美脚になれるのかな、脚痩せに効くのかな?芸能人ならではの一般人がやらないような新しい方法がしれるかも?とか、いい感じにダイエット周辺ニューロンがまとめて活性される予感がします。


このちょうどよい距離、というのが難しいですよね。

本来であれば繋がらなさそう、ということは、思いつくのが難しい、ということでもあります。

通常は連想されないので、マーケターからしても思いつくのが難しいのです。


人類は賢いので、これを打破するためにアイデアのフレームワークがあります。

たとえば「常識の逆を言う」というフレームがありますよね。

先程の「まだ糖質制限してるの?白米食べ放題ダイエット」はまさにこれで、糖質制限ダイエットというのはいまやダイエットの常識です。

常識を否定して逆のことを言うと、脳にとってちょうどいい距離になりやすいということです。

「ケトジェニックしないダイエット!」
「ケトン体はむしろ太る?ケトン体ゼロダイエット!」
とか。

こういうフレームを紹介している本っていっぱいあるので、悩んだらそういう本を読むと良いかなと思います。

全てのフレームが、脳にとってちょうどいい距離を作り出すためのフレームになっていることに気づくでしょう。



むちゃくちゃ余談なのですが、物語・ストーリー・脚本というものはこの連続です。

予想できるストーリーというのは退屈で、伏線回収やどんでん返しの展開、予想外の展開を続けていく必要があります。

伏線回収や予想外の展開というのはまさに、繋がらないと思っていた2つがつながるという体験ですよね。


なので脚本を学ぶのも、脳が喜ぶ構成づくりには役に立つ気もします。(遠回りですが)


このように、ニューロンが活性化する、という観点は、実に多くの娯楽を原理から説明してくれます。


社会人になると大学に戻りたくなるのもそうです。
マクロ経済の授業、ちゃんと受けとけばよかった〜!とか今だと思いますよね。

それは社会人になって社会のことがわかってきたので「マクロ経済の授業と、いまならいっぱいニューロンが繋がって気持ちよくなれるのに!!」ということです。

逆に、学生だった当時マクロ経済の授業がおもんなかったのは、どことも繋がらないからです。


また別の話で、ゴシップネタで千鳥の大吾みたいなキャラの人が不倫するより、清楚系の女優が不倫したほうがおもろいのも、予想外にニューロンが繋がるからです。


すっごい。まじで大量の娯楽がこれで説明できます。

 「ニューロンが予想外に活性化するものが脳は大好き」
今日はこれだけ覚えて帰ってください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?