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「教養としてのお金とアート」山本豊津、田中靖浩

一見対極にあるようなものが、実は時や空間の概念を越えて密接に繋がっている。その繋がりがみえてくると、価値と価格の本質に気づくことができる。

古今東西を問わず、それこそダヴィンチ、メディチ家、生類憐みの令、フェルメール、ペスト、産業革命、ゴッホ、ピカソ、草間彌生、落語、算盤、アラビア数学…みんな出てきてみんな絡み合っている。

ダビィンチがなぜ数学的目線で物事を写しとっていたのか。金利と宗教の関係性は。浮世絵は日本で捨てられなかったら今の地位は無いのか、、等。

美術画商と会計士という異色のお二人の雑談のようなお話が、絵画などの名作と共に彩りを持って話されるのがたのしい。異なる分野が、時空間が、物事が、こんなにも意外と繋がっているのだなぁ。


対談の終盤で美意識とは、との対話があった。AIの登場とも絡めて、

「もしもこのサプリだけ飲んでいれば不老不死でいられるという代物が開発されたら、あなたはカツ丼を食べることを諦められるか。答えは否。それが美意識というものだ。それがなぜ人には人生にはアートが必要かということと重なっている。」とあった。

自分が大切にしたい価値観や美意識は何か?その価値観や美意識は不要不急をどう乗り越えていけるか?

アートをテーマに感じる、考えさせられる、楽しきモヤモヤが残る読後だった。

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