次は京都花街で生まれたい

空気が読める美しいオトナに憧れた。
‟プロフェッショナルな技術を持つ人” 以上に
‟人を楽しませられる人” に憧れた。

そんな私が、もし生まれ変われるなら
芸妓さんになりたい。
もちろん、会ったことも祇園のお店に行ったこともない。
びっくりするくらい自分の体感に無いけれど、とにかく妄想で憧れている。

「新橋の芸者衆は、20分かかって穿く足袋とか、40分で穿く足袋とか、注文なさるんです」
要するに、両足で1分で穿けるならば誂(あつら)える必要はない、ってことらしかった。
自分の足をきゅっきゅっと押し込め、小鉤を留めてパツンパツンに穿くのが恰好いいのだ。
男も女も、粋か、いなせか、恰好やしぐさが気が利いて見える、”様子のよさ”はやっぱり一朝一夕で身に着くものじゃない。体で覚えて体に入ってる、それが文化なんだよね

加賀まりこ『純情ババアになりました。』より

京都祇園についてのソースは全てこの本。
割と事細かに書かれている。
体に文化を馴染ませ、宴席のプロとしてお客様を楽しませる仕事は
これ以上私の憧れになりうる職業があるだろうか。
苦労や大変さを知らないからこそ、なのはもちろんあるが、、、

私は片足でバランスが取れずに、跳ねながら靴下を穿くときもあるし
(誂えてもないから、すぐ下がってくるしソックタッチは足がかぶれるし)
ものすごい早口で話してしまうから
(言いたいことを考えながら話してしまうのが良くないのは分かっている)

来世では40分かけて足袋を穿き、
橋本マナミか齋藤工くらいゆっくり話します。

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