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5冊目

5冊目『5番レーン』
(ウン・ソホル/すずき出版)

8月も終わるので、ということで、今回は課題図書から一冊を選びました。5番だし…夏だし…。というただそれだけはありますが、直感でこれを。


毎年、課題図書の中から数冊選んで読むのを夏の恒例行事にしているのですが、
これが結構おもしろい。児童文学だから〜と、軽い気持ちで読み始めてびっくりするというのを毎年繰り返しています。まず、ラインナップを見るとこからおもしろいです。

たとえばここ数年だと、LGBT関連の本やヤングケアラーの本だったりの、社会情勢を加味した選書がされています。今回選んだのは韓国「文学トンネ児童文学賞大賞」を受賞した作品らしいですが、韓国文学も少し前からブームがきていますよね。


『82年生まれ、キム・ジヨン』
『アーモンド』
『わたしに無害なひと』
『僕の狂ったフェミ彼女』

など、わたしも、代表作(といわれるもの)を、いくつか読みました。

海外文学を読むにあたって、いまいち名前が入ってこない、というのが一つネックになることがあると思うんですが、

『わたしに無害なひと』を読んだとき、途中で、「あれ!この人男の子じゃなかったの?!」となったことがありました。
男性だと思って読み進めていたら女性だったので驚いたのですが、なぜ自分が読み違えたのだろうと思って遡っていったら、確かに性別については明記されていなかったんですよね。
わたしは、サッカーをしているという描写だけで、男性というイメージを持ったらしい。性別は話の本筋には関係なかったのですが、自分の固定観念というかステレオタイプに、ちょっとこわくなったりもしました。



お話がそれたので5/100に戻ります。

ちゃんと自分の力で勝ちたい。
という帯の言葉に、ガツンとやられました。大人になるにつれて情緒は安定するし、それによって生きるのが楽になったと感じたりするけれど、こどもだった自分のあの強い感情にも、大切な意味があったなと思います。おさなくて、まぶしい彼女たちの夏をに出会えてよかった。

100冊の本に救われるpop 5/100



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