相模原キャッツアイ★|「国内の都市名」が付くタイトルの研究(3)
3秒でわかる本記事の要点
・「タイトルに『札幌・名古屋・神戸』が付くラノベ」(7冊)をご紹介する。
・最後に一言。
概要
本記事は、1975~2018年の44年間に刊行されたラノベの内、「国内の都市名」が付くタイトルをピックアップ★徹底分析する特集「『国内の都市名』が付くタイトルの研究」の……第3回(最終回)である!
※注:「『国内の都市名』が付くタイトル」とは、例えば以下のような作品を指します。
<特集全体の目次>
第2回:横浜ラノベの盟主・神崎あおいさんの作品に注目しよう!
第3回(本記事):相模原キャッツアイ★
第1回からご覧になることをオススメします★
ここまでの振り返り
三葉「『タイトルに<都市名>が付くラノベ』をご紹介する特集の……第3回!」
清水「はい」
三葉「本特集では、『札幌』から『北九州』まで10都市を扱っていますが……」
三葉「前回はぶっちぎりに刊行数の多い『横浜』に注目しました」
清水「ふむ」
三葉「そして今回は……残りの3都市!『タイトルに<札幌・名古屋・神戸>が付くラノベ』です!」
「札幌・名古屋・神戸」タイトルを見てみよう★
三葉「それではまず、『札幌・名古屋・神戸』が付くタイトルの一覧を見てみましょう……どうぞ!」
清水「ふむ」
三葉「そして……以前の特集『<都道府県>が付くタイトルの研究』をご覧くださった方はすでにお気づきかと思いますが……上記7冊中4冊が……そう!あのシリーズなんですよ!」
清水「なるほど。特集『<都道府県>が付くタイトルの研究』で詳述した『幽霊事件/京都探偵局』シリーズと、『BOYSサイキック・アクション』シリーズですね!」
※注:『京都探偵局』シリーズは、『幽霊事件』シリーズの続編です。
三葉「そう!これらは、『第1巻のサブタイトルには<北海道>、第2巻は<青森>、第3巻は<秋田>……』という具合に、タイトルに複数の都道府県が登場するシリーズものでした」
清水「そうでしたね」
三葉「例えば『幽霊事件』シリーズであれば……」
三葉「……という具合。そして今回、『これらの作品のサブタイトルには、都道府県名のみならず、都市名も登場する』ことが判明したわけです」
清水「なるほど」
三葉「まさにわが国を代表する『サブタイトルに国内の地名が登場する系ラノベ』!」
「北海道」タイトル
三葉「それでは各作品のあらすじを見ていきましょう!」
清水「承知しました」
三葉「まずは『北海道』タイトルの……『サッポロ無職グラフィティ』!」
三葉「あらすじをご紹介しますと……主人公は就活中の少年。大学を中退したものの、なかなか仕事が見つからずに焦っている」
清水「ふむ」
三葉「そんな彼が、ふとしたきっかけから就活中の大学生や不良などと『何でも屋』を結成する。彼らの共通点は……全員無職!」
清水「あー、だから『無職グラフィティ』なのか」
三葉「本作は、そんな彼らの活躍を描いた作品です」
清水「ところで、サムネを見て思ったんですが……」
三葉「ええ」
清水「コレ、表紙に写真を使っていますよね。ラノベでは珍しいかも」
三葉「あー、確かに」
清水「デザインもスタイリッシュでシャレてますね」
「名古屋」タイトル
三葉「続いては『名古屋』タイトルの……『誉められて神軍3 尾張名古屋は零で持つ』!」
清水「ふむ」
三葉「これは、『誉められて神軍』シリーズの第3巻にして最終巻です。ストーリーをざっくりまとめると……舞台は、『ふとしたことから、ファンタジー世界と化した現代日本』」
清水「『ファンタジー世界と化した現代日本』?」
三葉「ええ。新宿は城塞国家となり、埼玉にはオーク、奥多摩には魔女(奥様には魔女……)が住む……そんな現実の日本とファンタジーが入り混じった世界ですね」
清水「へぇ、なるほど」
三葉「主人公は軍人で、『相手を誉めることで、実際に相手の能力を伸ばすことができる』という特殊能力の持ち主。彼がこの能力を使って活躍する作品です」
「神戸」タイトル
三葉「最後に『神戸』タイトルの……『神戸パルティータ 華族探偵と書生助手』!」
三葉「これは、『華族探偵と書生助手』シリーズの4冊目です」
清水「ほぉ、探偵ものですか」
三葉「そうですね。時は昭和初期。住み込みで書生をしている高校生が助手役、そして美男子で皮肉屋、華族の小説家が探偵役を務めるミステリです」
清水「ふむふむ」
三葉「異国情緒たっぷりの神戸の街並みが描かれています」
横浜もいいけれど……他の都市もね!
三葉「さて、特集『<国内の都市名>が付くタイトルの研究』は以上ですが……最後に1つ」
清水「何でしょう?」
三葉「『地名が付くタイトル』って狙い目だよなぁと思うのです!」
清水「ほぉ」
三葉「詳細は以下の記事に整理しましたが……」
三葉「端的に言って……『池袋』といえば『ウエストゲートパーク』だし、『木更津』といえば『キャッツアイ』じゃないですか」
清水「ふむ」
三葉「一方、ここまで申し上げてきた通り、例えば『タイトルに<相模原>が付くラノベ』は存在しない。すなわち!」
清水「ええ」
三葉「もしいま『相模原キャッツアイ』なんて作品を作れば……『<相模原>といえばあの<キャッツアイ>だよね!』という相模原を代表する作品になる可能性がある!」
清水「確かにね」
三葉「大体ですねぇ……『横浜』にばかり集中しすぎだと思うんですよ!同じ神奈川なら『相模原』だってよいじゃないか!」
清水「いやまぁそうなんですが……ほら。相模原は山の方でしょ。東京の多摩や山梨に近いし。横浜のように海に近い方が物語を作りやすいとか……」
三葉「それなら『川崎』だってよいじゃないか!川崎は海に近いですよ!」
清水「んー……ほら、やっぱり横浜にはオシャレなイメージがありますよね。一方、川崎には工業地域っていう印象が……」
三葉「川崎なんてメチャクチャ財政力のある金持ちエリアだし、『藤子・F・不二雄ミュージアム』だってあるんだぞ!ドラえもんだぞ!相模原だって、一見都心部から離れているようでじつは電車で30~40分で行けるし、市内にJAXA(宇宙航空研究開発機構)の研究所があるんだぞ!宇宙だぞ!ナメんなよ!」
清水「いや、ナメてないですが……」
三葉「とまぁね、『横浜』もよいのですが、他の場所においても、その土地の魅力を活かした作品が生まれてくると面白いなぁと思うのです!」
これまでの「ラノベタイトル先生」一覧★
第4弾:「ハローワーク・ヒキニート・ブラック企業・残業・過労死・有給」の研究(全2回)
第6弾(本記事):「国内の都市名」が付くタイトルの研究(全3回)
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特集「『国内の都市名が付くタイトル』の研究」(全3回)はこれで終了です。ありがとうございました!
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(分析:清水、三葉 / 文、イラスト:三葉)
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