【一部欠落少女】むっちゃんは無知だけど無知ではないし、無論バカではない|「むっちゃんは無知」
三葉「清水さん、こんにちは!」
清水「おっ、来ましたね」
三葉「どうも」
清水「ええ」
三葉「今日もね、超面白いマンガを見つけたんですよ!で、一体全体なぜこんなに面白いのかディスカッションしたいと思って参上しました」
清水「ふむ」
三葉「早速ですが、これこれ。今日も抱腹絶倒間違いなし!」
水あさと「むっちゃんは無知」
※pixivでも同じマンガをご覧になれます。
<登場人物紹介>
・清水:マスター・オブ・アニメ。年100作以上のアニメを見続けて20余年。2019年冬クール(1~3月頃)に放送しているアニメで1番かわいいのは、『上野さんは不器用』の上野さんだと思う。
・三葉:清水とは中学からの友人。最近ハマっている曲は『スロウスタート』の「ne! ne! ne!」。無限にリピートできる。ぷるるパチパチ。
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三葉「いかがです?超よいでしょ!まずね、ヒロイン(「むっちゃん」という名前だそうですが)の作画にご注目いただきたいですね」
清水「ほぉ。どれどれ」
三葉「……お気づきでしょうか?」
清水「ふむ。何でしょう?」
三葉「このヒロイン……超かわいいんですよ!」
清水「……」
三葉「尊し!」
清水「……」
三葉「……ね?」
清水「……まぁ、あなたの好きそうなキャラですよね」
三葉「顔、髪型、体型……完璧ですね!」
清水「……ふむ」
三葉「……」
清水「……」
三葉「……どうやら清水さんとは好みが異なるようですが……まぁ、いいや」
「物語の仕組み」をチェック!
三葉「キャラデザにとどまらず、本作はストーリーもよくできていますよね」
清水「ええ。単に『桃太郎』の話をしているだけなのですが……これが実に面白い」
三葉「同意です。でね、その面白さの理由を探るべく、本作の構造=『物語の仕組み』を描いてみたんですよ」
三葉「上の図の『誰もが知っているような話題』は、本作では『<桃太郎>についての知識』ですね」
清水「なるほど」
三葉「で、この『物語の仕組み』のポイントを整理すると……」
三葉「本作の魅力は、要するに『頓珍漢なやりとり』ですが、その前提となる『ヒロインは無知ではない』が最重要ポイントだと思うのです」
清水「確かに。ヒロインが単なるバカキャラだった場合、本作のような軽妙なやりとりは難しいでしょうね」
三葉「そうそう。その『軽妙なやりとり』が面白いわけですからね。それがなくなったら本作の尊さはガクンとダウンしてしまうでしょう」
清水「ふむ」
三葉「とまぁ、本作の『物語の仕組み』を確認したところで……」
やってみよう!
三葉「お馴染み!『やってみよう』のコーナーです」
清水「はい」
三葉「先ほどご説明した『物語の仕組み』を使い、私たちも物語を作ってみましょう」
清水「承知しました」
三葉「この記事をご覧のみなさんも、ぜひご一緒に妄想してみてください」
【やってみよう①】BL娘に昔話を語らせる
三葉「では、まずは私からまいります。こんなのはいかがでしょう?」
清水「ヒロインは一体何を誤解しているんでしょうねぇ……」
三葉「もう1つ似たようなアイデアとして……」
三葉「以上、ヒロインの脳みそがBLに侵されているパターンでした」
清水「ふーむ」
三葉「『百合』や『NTR』に侵されているパターンも同じように作れると思います」
<一口メモ>
・BL:「ボーイズ・ラブ」の略。男性同士の恋愛を扱ったジャンルのこと。なお想定読者は女性で、「同性愛を好む男性向けの作品」ではない点に注意。
・百合:女性同士の同性愛、もしくは友愛を扱ったジャンルのこと。「ガチ百合」から「ソフト百合」まで程度は様々。
・NTR:「寝取られ(NeToRare)」の略。「男性主人公が、妻、恋人、片想いの相手などを他の男に寝取られる」が基本的なあらすじ。「寝取られる視点」を好む人と、「寝取る視点」に感情移入する人がいる。
【やってみよう②】それは何を意味しているの?
清水「続いて、私がまいります」
三葉「どうぞ」
清水「世の中には、アレもコレも深読みする人がいますよね。『コレは○○を象徴しているのでは?』、『ソレは□□の隠語では?』なんて具合です」
三葉「あー、ネットの掲示板やTwitterでやたらめったら深読みしている人は見かけますね」
清水「ここではそれを『象徴病』と名付けてみました」
三葉「『エッチなアレ』って……うーん、卑猥な響きですねぇ」
清水「同じようなものをもう1つ」
三葉「『あの草』っていうのはアレのことですね?」
清水「ええ、アレのことです」
【やってみよう③】おにぎりを知らない女の子
三葉「最後に、『桃太郎』から離れて、少し長めのものを作ってみました」
清水「ほぉ」
最後に
三葉「……という具合にいくつ物語を考えてみましたが」
清水「ええ」
三葉「この『物語の仕組み』は様々応用できそうですね」
清水「そうですね。『異世界転生・転移もの』にハマった人が『ドラゴンボール』を読んで……『あー、理解した!このブルマとランチってのがハーレムを作るんでしょ?』とかね」
三葉「ふむ」
清水「あるいはまた、『桃太郎』ではなく、『かぐや姫』をネタにするのもありでしょう」
三葉「ほぉ!」
清水「本作同様、『なぜか<かぐや姫>を知らないヒロインに対して、男性主人公がその概要を教える』というあらすじです」
三葉「ふむふむ」
清水「で、ヒロインが『逆ハーレムものだね!』と目を輝かせたり」
三葉「よい!」
清水「『みかど、キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━』とかね」
三葉「うーむ……ぜひ読んでみたいですねぇ!」
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最後までお読みいただきありがとうございました。みなさんの今後の創作・制作のお役に立てば幸いです。
(分析:清水、三葉 / 文、イラスト:三葉)
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