テーマ発表！！

　第1回、第2回に引き続き、映画「エイリアン」をベースに新しい物語を妄想します。

※「エイリアン」のストーリーなどについては、第1回の記事をご参照ください。

妄想開始！

嘉村　「エイリアン」は、宇宙船に入り込んだエイリアンが乗員を次々殺していくホラー作品ですが、「設定を思いっきり変えても面白くなるのでは？」ということで……前回に引き続き、一体どんな物語にするといいかディスカッションしてまいりましょう！

三葉　承知しました。

嘉村　前回ご紹介したのは、「イケイケのベンチャー企業に入り込んだスパイが、会社をメチャクチャにする物語」、「とある大学のオタサー（オタク系サークル）に入り込んだ『姫』が、サークルを破壊する物語」の2案でした。

案③

嘉村　「案③」にまいりましょう！

三葉　「案③」は、「とある高校に入り込んだ『イケメン女子』たちが、女子生徒を百合化する物語」です。

嘉村　……「百合化」？

三葉　ええ、「JK総百合化計画」ですね！

嘉村　……（何言ってんだ？）。

三葉　さて詳細をご説明する前に、ここで一度「エイリアン」のストーリーをざっくり振り返っておきましょう。

三葉　では「案③」に戻りまして……舞台は、ごく普通の男女共学の高校です。

嘉村　ふむ。

三葉　物語は、10人の女子生徒が転校してくるところから始まります。

嘉村　10人！？同時に？

三葉　ええ。

嘉村　ふーむ……怪しさ満点ですね。

三葉　彼女らを見た教師、そして生徒たちは思わずため息を漏らしてしまいます。モデルのようなすらっとした子から、ややあどけなさの残る少年っぽい子までタイプは様々ですが……そう！彼女らはそろって「イケメン女子」だったのです！！

嘉村　ほぉ。

三葉　宝塚歌劇団というか、「F4」の女性版というか、はたまた「ホスト部」の女性版というか……。

三葉　麗しい顔立ちに、気品あふれる物腰！そして男よりも男らしい態度や性格……彼女らは、あっという間に全女子生徒の憧れの的となります。

嘉村　なるほど。

三葉　面白くないのは男子生徒。

嘉村　ふむ。

三葉　「チッ！あいつらが転校してきてからというもの、女子らはオレたちに目もくれなくなっちまったよ」「バレンタインデーのチョコ、あの10人が独占したらしいぜ」「マジかよ！道理で……」「いや、安心しろ。お前はあいつらがいなくても誰からももらえてねぇよ」「オレなんて彼女にフラれたんだぜ！あいつらの方が素敵だって……」「どうなってんだよ！！」なんて具合です。

嘉村　ふーむ。

三葉　また、一部の教師も眉を顰めます。「女子生徒同士といえども、校内でイチャイチャしすぎでは？」「同感ですな」「体育館裏でキスしているとか……」「由々しき事態ですよ」。

嘉村　なるほど。単なる「憧れ」というよりも……。

三葉　ええ。「女性同士の不純異性交遊」ですね。

嘉村　ふむふむ。

三葉　男子生徒ら、そして一部教師は、「このままではいけない！何かしらの対策を！！」と校長に直談判します。

嘉村　ほぉ。

三葉　ところが、「そうやきもきするものではありませんよ。みなさん過敏になっているだけではありませんか」と、校長は相手にしてくれない。

嘉村　ふーむ……。

三葉　さて、このあたりで「エイリアン」と比較する形で「案③」の全体図をご説明しましょう。すなわち、以下の通りです。

嘉村　ほぉ！黒幕は校長ですか！

三葉　はい。「『宇宙船』に入り込んだ『エイリアン』が大暴れ！……すべては『主人公らを雇った会社』が仕組んだことだった」という「エイリアン」に対して……。

嘉村　ふむ。

三葉　「案③」は「『高校』に入り込んだ『イケメン女子たち』が大暴れ！……すべては『校長』が仕組んだことだった」というストーリーです。

嘉村　一体全体、校長の狙いは何なんです？

三葉　彼の狙い……それはズバリ、「JK総百合化計画」！

嘉村　……「百合」というと、あの女性同士の？

三葉　ええ、そうです。

嘉村　ふむ。

三葉　校長、ちなみに男性ですが……彼は過激な百合信奉者であり、世界を裏から操る秘密結社の一員だったのです！

嘉村　……秘密結社？

三葉　はい。おそるべき計画……すなわち、「JK総百合化計画」の実現を企む組織です！

嘉村　……。

三葉　校長ら、秘密結社のメンバーは想う……女は総じて美しい。対して、男はすべからく汚物である。そんな両者が交わるなぞ、神への冒涜である。そう！女の相手は女であるべきなのだ！！これぞ「JK総百合化計画」！！！

嘉村　……。

三葉　つまり今回の事件は「JK総百合化計画」の一環であり、校長らの目標は全女子生徒を百合化すること。10人のJKは、女子生徒らを百合化するために送り込まれた「汎用百合型決戦兵器」だったのです！

嘉村　……あー。

三葉　次々に百合化していく女性生徒たちを見て、校長が呟く「勝ったな」。隣にいた副校長もうなずいて「ああ」。

嘉村　薄々そんな気がしていましたが、いま確信に変わりました。これ、「エヴァ」のパロディですよね！

三葉　ご名答！

嘉村　なるほど……それで、物語はその後どうなるんです？

三葉　やがて男子生徒と一部の教師は、校長らの思惑に気づきます。

嘉村　ほぉ。

三葉　言うまでもなく、同性愛自体は悪いことではありません。異性愛と同様に認められるべきです。

嘉村　ふむ。

三葉　しかし！だからといって、異性愛者を同性愛者化しようという企みは見過ごせません。

嘉村　まぁねぇ……。

三葉　ましてや、教育者がそんなことをするなんて！

嘉村　ええ。

三葉　こうして、彼らは立ち上がる！彼らの戦い方はシンプルです。要するに男子生徒が、「イケメン女子」以上のイケメンになればいいのです。

嘉村　なるほど。

三葉　男子生徒らは、教師たちのサポートの下、時に「エヴァ」のシンジくんのように逃げ出したくなるものの踏みとどまったり、でもやっぱり逃げ出したり、かと思えばすぐに戻ってきたりしながら成長していくのです！

案④

嘉村　続いて、「案④」にまいりましょう。

三葉　はい。「案④」は「とある離島に流れ着いた人がゾンビウイルスをまき散らし、島に厄災をもたらす物語」です。

嘉村　今度は「ゾンビパニックもの」ですね。

三葉　舞台は離島。嵐の晩に、1人の男が漂着するところから物語が始まります。

嘉村　ほぉ。

三葉　男は、命に別状はないものの、意識を失っている。「まったくこんな嵐の日に……何てことだ！」と文句を垂れながら、島民たちは島で唯一の診療所に男を運び込みます。

嘉村　ふむふむ。

三葉　翌朝、男が目を覚ますと……彼はもうゾンビと化している！そして大暴れ！

嘉村　ふむ！

三葉　間もなく近所の漁師らに取り押さえられますが、既に診療所の医師や看護師らは噛まれています。こうしてゾンビパニックが始まります。

嘉村　なるほど。

三葉　さて、「案④」を整理してみましょう。

嘉村　黒幕は「国・巨大企業」ですか。

三葉　はい。国や巨大企業による生物兵器の実験とか、金持ちが賭けをしているとか、そんな話です。……まぁ、よく見かける設定ですよね。

嘉村　なるほど。

三葉　手垢のついた設定ではありますが……。

嘉村　ええ。

三葉　エイリアンをゾンビに替えるだけでそれっぽい話になる。「エイリアン」のストーリー構造って汎用性が高いよなぁと思うのです。

嘉村　確かに。

三葉　「では、エイリアンをサメに替えたら？」とか、「アナコンダだったら？」とか……じつに妄想が膨らみますよね！

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　「エイリアン」の研究はこれで終了です。ありがとうございました。

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　最後までお読みいただきありがとうございました。みなさんの今後の創作・制作のお役に立てば幸いです。

（担当：三葉）