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「全47作★全ての都道府県を網羅したご当地ラノベシリーズ」っていかがでしょう?|「国内の地名」が付くタイトルの研究(4)

15秒でわかる本記事の要点


タイトルに「青森」「岩手」「茨城」「群馬」「千葉」が付くラノベについて、整理・分析する。


・わが国のラノベ界を代表する「タイトルに地名が付くシリーズ」、『ガンパレード・マーチ』シリーズと『BOYSサイキック・アクション』シリーズをご説明する。


『全47作★全ての都道府県を網羅したご当地ラノベシリーズ』というアイデアについてディスカッションする。


……など!


概要
 

 本記事は、1975~2018年の44年間に刊行されたラノベの内、「国内の地名」が付くタイトルをピックアップ★徹底分析する特集「『国内の地名』が付くタイトルの研究」の……第4回である!


※注:「『国内の地名』が付くタイトル」とは、例えば以下のような作品を指します。


<特集全体の目次>


第1回:タイトルに「都道府県」が付く作品と、「妹」が付く作品、どちらが多いと思う?

第2回:「秋田県でも恋がしたい!」

第3回:「北海道」ラノベは(大体)Eat or Fight !!

第4回(本記事):「全47作★全ての都道府県を網羅したご当地ラノベシリーズ」っていかがでしょう?

第5回:ニンジャ v.s 絶世のブス……あなたはどちらがお好み?

第6回:大阪らしいラノベって何だ?

第7回:京都を舞台にしたラノベを執筆するあなたのためのパーフェクガイド★

第8回:「奈良」ラノベを志すあなたには、「京都」ラノベが参考になるかも

第9回:【総まとめ】「タイトルに『国内の地名』が付くラノベ」のススメ


第1回からご覧になることをオススメします★

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「青森」「岩手」タイトルを見てみよう★


三葉前回は、タイトルに『北海道』が付く作品をご覧いただきました」

清水「はい」

三葉「続いて、東北地方にまいりましょう!」

清水東北地方の中で、ラノベのタイトルに登場するのは……



清水『青森』と『岩手』が1冊ずつあるだけ……ちょっと寂しい結果ですね」

三葉「確かに。ただ、現状これしかないというのは、逆にいえば大きなチャンスですよね。例えば、『タイトルに<秋田>が付くラノベ』は1冊もありません。だからこそ、もしいま刊行すれば大変目立ち得るでしょう……というのは以前申し上げた通りです」

清水「ふむ」

三葉「そして東北地方といえば……東日本大震災以来、いまもネガティブに語られることが少なくない地域です」

清水「ええ」

三葉「だからこそ!だからこそね、『今後東北を舞台にした作品が登場するとよいなぁ』と思います」

清水「そうですね!」

三葉「既存の小説でいえば……私が特に好きなのは『吉里吉里人』!東北地方の一寒村がある日突然日本から独立する話なんですが……今後、あんな傑作が生まれたら最高です!」


三葉「さて、だいぶ話が脱線してしまいましたが……それでは、『青森』及び『岩手』が付くタイトルの一覧を見てみましょう……こちら!」



清水「あれ?……『ガンパレード・マーチ』シリーズは『北海道』にもありませんでしたっけ?

三葉「そうなんですよ!じつはこの2冊、すなわち『ガンパレード・マーチ』シリーズと『BOYSサイキック・アクション』シリーズは、わが国のラノベ界を代表する『タイトルに地名が付くシリーズ』でして」

清水「ほぉ」

三葉「以下の地図をご覧ください」




清水「なるほど!『ガンパレード・マーチ』シリーズには、『北海道』と『青森』以外に、『東京・山口・熊本』が付くタイトルもあるんですね

三葉「そうそう。同様に、『BOYSサイキック・アクション』シリーズには、『岩手』以外に、『東京・大阪・京都・広島』が付くタイトルもあります

清水「ふむふむ」

三葉「ラノベは、一般の小説と比べてシリーズものが多い傾向にありますが」

清水「ええ」

三葉「『複数の都道府県名が入ったタイトル』を採用している作品は、この2つ以外にはほとんど見当たりません」

清水「ふーむ……『全47作★全ての都道府県を網羅したご当地ラノベシリーズ』なんてあってもよさそうですけどね」

三葉「あー、面白い!AKB48グループの『総選挙』みたいなノリで盛り上がるかもしれませんね」

清水「そうそう!」

三葉「都道府県ごとの売上をみると、『やっぱりご当地作品が売れんだなぁ!』なんて」

清水「ええ」

三葉「あるいは、ふるさと納税の返礼品としても相性がよさそうです」

清水「ふむ。1人の作者が47都道府県分すべてを執筆するのは難しいかもしれません。そんな時には……」

三葉「都道府県ごとに、その土地に馴染みのある作者が担当するのもよいですね!これは夢が膨らむアイデアだ!」


※『BOYSサイキック・アクション』シリーズ:超能力を持つ2人の少年・一志と恭一を主人公とするアクション作品。全7作で、『岩手ワンダー・レジェンド』は5作目にあたる。


「茨城」「群馬」「千葉」タイトルに注目★


三葉「続いて、関東地方にまいりましょう!」

清水「はい」

三葉関東地方の中で、ラノベのタイトルに登場するのは……



清水『東京』がぶっちぎりで、次いで『埼玉』、と」

三葉「ちなみに『神奈川』がゼロですが、これはおそらく、タイトルに『横浜』が付く作品が46冊あるのでその反動だと思われます」

清水「なるほど。まぁ、世間一般のイメージとしては『神奈川』よりも『横浜』の方がシャレた感じがするんでしょうね」

三葉「さて、具体的なタイトルを確認してまいりますが……」

清水「ええ」

三葉「まずは、比較的冊数の少ない『茨城』『群馬』『千葉』を見てみましょう……こちら!



清水「ほぉ……『茨城』の『ひっぱたけ! ~茨城県立利根南高校ソフトテニス部~』と、『千葉』の『スピンガール! 海浜千葉高校競技ポールダンス部』は、いずれも運動部をテーマにした『青春もの』でしょうか?」

三葉「おっしゃる通りです」


清水「前者はソフトテニス部、後者は競技ポールダンス部か……どちらも珍しいですね」

三葉「ええ」

清水「っていうか……『ポールダンス』って何でしたっけ?

三葉「以下の画像をご覧いただくと雰囲気を掴めるかと思いますが……」



三葉「こんな具合に、垂直のポール()を使うダンスのことですね。ポールを昇り降りしたり、回転したり、様々な技があるようです」

清水「ふむふむ」

三葉「ちなみに、ラノベおよそ4万冊中、タイトルに『ポールダンス』が付く作品は本作のみ!

清水「ほぉ!」

三葉「ポールダンス自体はかなり古くから存在するものの、スポーツとして広がり始めたのはここ10~20年のことらしいので、今後ポールダンスがメジャーになれば……」

清水「2017年刊行の本作は『先見の明があるよなぁ!』ってことになりそうですね」

三葉「さて、続いて『群馬』にまいりましょう!

清水「えーと……『“世界最後の魔境”群馬県から来た少女』ですね」

三葉「ざっくりストーリーを見ると……主人公の少女が群馬県による世界征服を企んだり、邪神『群馬王』が復活したり、その力を利用せんとする悪の組織が登場したり……なんて具合のコメディ作品です」


三葉「でね、本作で興味深いのは、群馬県庁が協力しているということです」

清水「へぇ!表紙に『協力:群馬県』とクレジットを入れるってのは気合が入ってますね!先ほど申し上げた通り、こんな風に各都道府県が協力した全47冊のラノベシリーズがあると面白そうですよね!

三葉「うーむ……そのアイデアは、真剣に検討してみる価値があるかもしれませんね


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 最後までお読みいただきありがとうございました。みなさんの今後の創作・制作のお役に立てば幸いです。

(分析:清水、三葉 / 文、イラスト:三葉)

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