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かおすはなぜ愛されるのか?|『こみっくがーるず』(12)

 本記事は、アニメ「こみっくがーるず」を徹底分析する特集の……第12回である★


第1回からご覧になることをオススメします!


今回のテーマは……!


 かおすは、大変な愛されキャラだ!

 「こみっくがーるず」を視聴した人の多くが好意を抱き、「彼女の努力が報われますように!」と思わず天に祈ったことだろう。


 今回は、かおすがなぜこれほどに愛されるのか、その理由を探ってみたい。


※かおすは、視聴者からのみならず、作中でも溺愛されている。


【Point 1】かおすは、いい子である


 かおすはいい子だ(詳しくは、第9回)。

 「人の気持ちに寄り添うことができる」、「人に感謝できる」など、まさに善人である。


【Point 2】かおすは、私たちに似ている


 上述の通り、かおすは善人だが……親しみづらい「聖人」とは違う


 例えば、彼女は「オッサンオタク」である(詳しくは、第2回第3回)。

 かわいい女の子が登場するマンガやアニメを愛し、フィギュアを収集している。


※右上:萌えについて熱く語るかおす先生。


 つまりかおすは、私たちと似た部分を持ったキャラであり、それゆえに親近感を抱きやすいのだ


【Point 3】かおすは、たくさんのネガティブ要素を抱えている


 かおすは、ネガティブ要素てんこ盛りのキャラだ(詳しくは、第7回)。

 例えば不器用で、体力もなく……そしてマンガ家としてのスキルも低い。


 ……そう!

 本作のタイトルは「こみっくがーるず」。

 マンガ家たちの物語。

 そして、主役はかおすだ。


 それなのに!

 かおすは主要キャラの中で、マンガ家としてのスキルが最も低い!

 「○○はダメだが、□□については天賦の才の持ち主!」……なんてこともない。

 「物語の後半になると覚醒する!」……という展開もない!


 「本当にマンガ家としてやっていけるのだろうか……?」と視聴者が不安になるほど、彼女のスキルは低い。


【Point 4】かおすは、泣き言を並べることなく努力を続ける


 上述の通り、かおすのマンガ家としてのスキルは驚くほど低い。

 

 ……が!

 彼女は泣き言を並べたり、腐ったりはしない。

 マンガ家として成長するために、努力を続ける!


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<補足>


 ところで、かおすはいつも「自虐」している。

 「私なんて○○ですから……」なんてセリフが非常に多い。


 ……はて、これは「泣き言」とは違うのだろうか?


 なるほど、一見すると泣き言に見える。

 しかし、かおすの「自虐」は単なる自虐ではない(詳しくは、第8章)。

 彼女の「自虐」は、「自虐風オーバーリアクション」という笑いにまで昇華されているのだ。

 だから、湿っぽさがない。

 その意味で、「泣き言」とはまったくタイプが異なる。


【結論】かおすが愛される理由


 ここまでご説明してきたことをまとめると、以下のようになる。



 これこそが、「かおすが多くの視聴者から愛される理由」だと思われる。

 つまり、かおすが「善人/共感可能/ネガティブ要素てんこ盛りだが、泣き言は並べない」というキャラだからこそ、私たちは好意を抱くのであり、あるいはその努力が実るよう応援したくなるであり、さらに人によっては「オレが救ってやりたい!」という庇護欲を抱くのだ★


※補足:クリエイターの方へ。つまり、ここまで申し上げてきた4つの条件を満たせば、視聴者・読者から愛されるキャラを作り得るのではないかと思います。




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(担当:三葉)

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