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みんな!もっと姉に興味を持とうぜ★|「姉」の研究(1)

「姉」の研究!


 起立!気をつけ!礼!

 着席!


 さぁ、「ラノベタイトル先生」の時間だ♥




テーマ発表★


 「ラノベタイトル先生」第1弾のテーマは、「妹」だった。


 そして今回!「妹」に次いで、満を持して登場するのは……そう!「姉」である!!

 「『姉』が付くタイトル」を徹底研究しよう★


※注:「『姉』が付くタイトル」とは、例えば以下のような作品を指します。


<特集全体の目次>


第1回(本記事)みんな!もっと姉に興味を持とうぜ★

第2回:なぜ姉は「姉」と呼ばれないのか?(妹は「妹」なのに)

第3回:「姉が主役のラノベ」を書くならば、こんな姉を登場させるのがよさそうです★

第4回:我が国最強の「姉」タイトル、ここに決す!

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登場人物紹介

・清水:マスター・オブ・アニメ。年100作以上のアニメを見続けて20余年。ラノベにも造詣が深い。最も好きな男性声優は、塩沢兼人さん。

・三葉:清水とは中学からの友人。最近『けいおん!』のキャラソンを聞き返していて、唯の「ギー太に首ったけ」にハマっている。それじゃ宝持ち腐れちゃうから……触っていい?

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研究開始★




※注:分析を進める中で、比較対象として「妹」タイトルに言及することがあります。「妹」タイトルの詳細は、以下の記事をご参照ください★


三葉「さて、早速分析してまいりましょう!」

清水「はい」

三葉「ところで結論を1つだけ先に申し上げますと……」

清水「ええ」

三葉『なぜこれほどに姉は不遇なのか!?』……これです!ぜひとも姉の不遇っぷりにご注目ください★」


【分析①】「姉」が付くタイトルの刊行数と、ラノベ全体に占める割合




清水少なっ!

三葉「ねっ」

清水『姉』、少なっ!

三葉「しょっぱなから『姉』の不遇っぷりが顕著ですよね

清水「ふーむ……まぁ、ラノベやマンガ、アニメなどを見ていれば、『姉』よりも『妹』の方が人気だということはわかります。したがって刊行数でも『妹』に劣っているだろうとは思いましたが……まさか『妹』の3分の1もないとは……

三葉「少し硬い表現をするなら……『<姉>の市場規模は<妹>の3分の1未満にとどまる』と言えるでしょう」

清水「ふむ……」

三葉「さて、続いて刊行数の推移を見てみましょう」


【分析②】「姉」が付くタイトルの刊行数の推移





清水「なるほど」

三葉「つまり、ここまでの議論をまとめると……『<姉>タイトルは<妹>に大きく水をあけられている。そして、現時点ではその差が縮まる予兆は見られない』ということになるでしょう」

清水「うーむ……」

三葉「ただね」

清水「ええ」

三葉「みなさんにもじっくりご検討いただきたいところですが……果たして『姉』のポテンシャルとはこの程度のものなのでしょうか?

清水「ほぉ。と言うと……」

三葉私にはそうは思えない!だって、『妹』には『妹』のよさがあり、『姉』には『姉』の魅力があるはずでしょ?

清水「まぁね」

三葉「そもそも、『妹』タイトルが急増したのは2010年です。その時、何があったのか?」

清水以前の記事で詳述していますが……『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』(略称『俺妹』)の登場がきっかけでしたよね。2008年後半に『俺妹』がヒットして、そこから『妹』タイトルが急増していく」


三葉「その通りです。つまりね、いまの『姉』の劣位は、必ずしも姉に魅力がないことを意味しているのではなく……大きく飛躍するきっかけがないだけではないかと思うのです」

清水「ははぁ……ということは、『姉』タイトルに、『妹』タイトルにとっての『俺妹』に該当する作品が登場すれば……

三葉状況は大きく変わるはず!……たぶん

清水「なるほど……」

三葉「しからばね」

清水「ええ」

三葉「これはもう大きなチャンス!宝の山!クリエイターのみなさんにおかれましては、『<姉>に挑戦するのも一興かも』とご検討いただくのがよいかと思います」


【分析③】「姉」が付くタイトルの内、どの程度に「妹」「兄」「弟」が登場するか?




三葉「以上、いろいろと数字が登場しましたが……最も注目すべきは『<姉>は<妹>とセットで登場することが多い。一方、<妹>は単独が多い』というところだと思うのです」

清水「ほぉ」

三葉「ご説明いたしましょう。すなわち……これは、『<姉>は<妹>に依存している』と解釈できます」

清水「ふむ」

三葉「もっといえば、作者や出版社は『<姉>単独のタイトルでは売れない・売りづらい』と考えている。だから人気の『妹』とセットにした……と読み取ることができるのではないでしょうか」

清水「あー、なるほど!」

三葉「一方、『妹』は強い。人気がある。タイトルに『妹』の一字があれば売れる!……つまり、『妹』は『姉』の助けを必要としない。したがって、単独で登場することが多いのだと思われます」

清水「ふーむ!そう考えると、今後『姉』の人気が高まることがあれば、『姉』タイトルが増えるのみならず、その中でも特に『姉』単独のものが増加するのかもしれませんね」

三葉「確かに」


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 最後までお読みいただきありがとうございました。みなさんの今後の創作・制作のお役に立てば幸いです。

(分析:清水、三葉 / 文、イラスト:三葉)

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