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声にコンプレックスを持つ女性が、ある日「花澤香菜さん風のエンジェリック・ボイス」を手に入れ、調子に乗りまくる話!!|『ナッティ・プロフェッサー クランプ教授の場合』(2)

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テーマ発表!!


 前回に引き続き、映画「ナッティ・プロフェッサー クランプ教授の場合」をベースに新しい物語を妄想します。

※「ナッティ・プロフェッサー クランプ教授の場合」のストーリーなどについては、前回の記事をご参照ください。


妄想開始!


嘉村 それではまいりましょう!

三葉 はい。

嘉村 「ナッティ・プロフェッサー クランプ教授の場合」は、肥満を解消すべく開発中の痩せ薬を使った大学教授が、見た目も中身もまったくの別人に変身してしまい、様々な騒動を起こすコメディ作品ですが、「設定を思いっきり変えても面白くなるのでは?」ということで……さて!どんな物語にしましょうか?


案①


三葉 まずは、「ナッティ・プロフェッサー クランプ教授の場合」風の物語を作る時に注意すべきポイントを確認しておきましょう。


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三葉 ……ですね(より詳しくは前回の記事で)。

嘉村 ふむふむ。

三葉 つまりこれは、「コンプレックスを抱える主人公が、それを解消しようとしてアレコレ騒動を巻き起こす物語」

嘉村 ええ。

三葉 したがって、「『ナッティ・プロフェッサー クランプ教授の場合』風の物語」を作る時には、「主人公にどのようなコンプレックスを与えるか?」がポイントになります。ストーリー構造が同じでも、そのコンプレックスによってエピソードは大きく異なってきますからね。

嘉村 確かに。

三葉 ということで、クリエイターのみなさんが「主人公にどのようなコンプレックスを与えようか?」と考える際のヒントになればと思い、コンプレックスを4つのタイプに分けてみました。


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三葉 「身体に関するもの/それ以外のもの」と、「自分に関するもの/自分ではなくて、周囲の人(家族など)に関するもの」の2軸で整理しています。

嘉村 なるほど。


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嘉村 「ナッティ・プロフェッサー クランプ教授の場合」では、主人公は「自分の体型(デブ)」に悩んでいますよね。

三葉 ええ。だから、タイプ①:自分 × 身体的」に該当します。

嘉村 ふむふむ。

三葉 さて以上を踏まえて「案①」のテーマですが……ズバリ!「『タイプ①:自分 × 身体的』に該当するコンプレックスについて考えよう(『デブ』は除く)」です。


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嘉村 承知しました。

三葉 早速ですが、代表的なものを列挙してみましょう。


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三葉 とまぁ、こんなところでしょうか。

嘉村 ふむふむ。

三葉 あとは「主人公にどのコンプレックスを与えると、物語が盛り上がるだろうか?」と考えればいいわけですが……。

嘉村 ええ。

三葉 例えば、「ハゲ」なんていかにも盛り上がりそうですよね。

嘉村 ハゲ!

三葉 「ナッティ・プロフェッサー クランプ教授の場合」の主人公が、自身の体型(デブ)に悩んでいたように、こちらの主人公は「ハゲ」に悩んでいる。生活習慣を改善したり、育毛剤を使ったり、様々トライしたものの……ダメ!そして「どうせオレは禿げ頭だもん……」と何事にも自信が持てなくなっている。

嘉村 ふむふむ。

三葉 そんなある日のことです。彼は、ひょんなことから「毛生え薬」を手に入れる。そんじょそこらの薬ではありません。一振りで産毛が生え、二振りで5cm、三振りで10cmと倍々に髪が伸びる魔法の薬です。

嘉村 ほぉ。

三葉 効果は数時間しかもたず、効果が切れるとボロボロと髪の毛が抜けてしまうので注意が必要ですが……すぐまた薬を使えばいいのです!大した問題ではない。

嘉村 なるほど。

三葉 かくして、長年のコンプレックスが解消されました!そしてこれに伴って、彼は自信を取り戻す。仕事にも恋愛にも積極的になり、万事快調!……と思いきや、トラブルが起こり、状況は変身前よりも悪化する。

嘉村 トラブルと言うと……?

三葉 調子に乗りすぎたんでしょうね。職場では同僚や客から嫌われてしまう。プライベートでは浮気して、それがガールフレンドにバレてフラれたり……そんなところです。

嘉村 ふむ。

三葉 すべてを失い……彼はようやく気づくのです「髪の毛の有無なんて大した問題ではなかったのだ!多少欠点があったところで、明るく誠実に生きていれば何の問題もないさ!すべては気の持ちようなんだ!!」。そして彼は自分の意志で薬を捨てる!結局元の禿げ頭に戻りましたが……彼はもうコンプレックスなんて感じていない。そう!一連の事件を通じて、ありのままの自分を愛せるようになったのです!……で、おしまい。

嘉村 ふむふむ。

三葉 おおまかなストーリーは以上の通り。あとは、物語の端々に「主人公がハゲに悩んでいるからこそのエピソード」を配置したいですよね。その他のコンプレックスではなく、「ハゲ」に悩んでいるからこそのエピソ―ド。

嘉村 確かに。

三葉 例えば……嬉しさのあまり、モヒカンなどの奇抜な髪型にしたり。

嘉村 ふむ。

三葉 あるいは七色に染めるとか、シャンプーやトリートメントにメチャクチャこだわるようになるとか。

嘉村 ふむふむ。

三葉 さらに禿頭を見かけると思わずニヤニヤして、「今日は暑いですなぁ。大変でしょう、その頭だと」なんて揶揄するようなことを言ったり。

嘉村 うーむ……嫌なヤツですねぇ。

三葉 死ぬほど悩んでいたからこその反動でしょうね。

嘉村 なるほど。

三葉 とまぁそんな具合に、「ハゲ」ならではのエピソードを盛り込むことで、「ナッティ・プロフェッサー クランプ教授の場合」とはまた違ったユニークな物語になり得ると思うのです。


案②


嘉村 続いて、「案②」にまいりましょう。

三葉 はい。先ほど以下の図をご覧いただきましたが……。


※再掲

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三葉 これは、あくまで「代表例」。多くの人に共感してもらえるでしょうが、その反面、映画やマンガ、小説などではお馴染みのコンプレックスであり、新鮮味は薄いと言わざるを得ない。

嘉村 ふーむ。

三葉 無論「新鮮味のないコンプレックス」でも、切り口次第で十分盛り上げることはできるでしょうが……。

嘉村 ええ。

三葉 主人公の抱えるコンプレックスが斬新だと、それだけで注目を集めやすいと思うんですよね。

嘉村 確かに。

三葉 そこで「案②」では……「『デブ』や『ハゲ』と比べるとマイナーながらも、『主人公がこの悩みを抱えていると作品が盛り上がるのでは?』と思われるコンプレックス」について考えてみましょう。


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嘉村 なるほど。

三葉 早速ですが……まず、「体臭」。

嘉村 体臭!

三葉 主人公は体臭に悩んでいる。体臭が気になって、人前に出るのを躊躇ってしまう。何事にも消極的になる。……ある日、そんな彼が「無敵のフレグランス」を手に入れます。

嘉村 ふむ。

三葉 そのフレグランスを使うと、彼の体臭は消え、さらに全身から得も言われぬ香りが漂ってくる!傍にいる人は総じてメロメロ!

嘉村 ほぉ。

三葉 かくして主人公は調子に乗り、そして痛い目に遭い、最終的には元の自分を受け要られるようになる……と、そんな物語。

嘉村 なるほど。

三葉 ドシドシまいりましょう。次のアイデアは……「声」。

嘉村 声!

三葉 ええ。妙ちきりんな声に悩んでいた主人公が「美声ドラッグ」を手に入れ、諏訪部順一さんも真っ青のイケボ、もしくは花澤香菜さんも驚くエンジェリック・ボイスを手に入れる。


嘉村 ほぉ!それは人生が変わるでしょうねぇ!

三葉 そうですね。で、調子に乗りまくって痛い目に遭って、生まれつきの声を受け入れられるようになる……という物語です。

嘉村 ふむふむ。

三葉 さて続いては……「尻」。

嘉村 尻!

三葉 ええ。胸と比べると、尻のサイズに悩む女性主人公は少ないように思います。

嘉村 ふーむ、確かに。

三葉 その一方で、アニメ「SSSS.GRIDMAN」の宝多六花や、ゲーム「ライザのアトリエ 〜常闇の女王と秘密の隠れ家〜」のライザリン・シュタウトなど、どうも最近、尻から太ももあたりのデザインにこだわりのある女性キャラが目立っているような気がしまして……。


嘉村 ほぉ!つまり、それが世の流れなら……。

三葉 ええ。「尻にコンプレックスを持つ女性を主人公にした『ナッティ・プロフェッサー クランプ教授の場合』風物語」ってのは、なかなかどうして悪くないアイデアだと思うんですよね。


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(担当:三葉)

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