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「非モテ老人(75歳)」がモテモテになった結果!!|『コクーン』(3)

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テーマ発表!!


 第1回第2回に引き続き、映画「コクーン」をベースに新しい物語を妄想します。

※「コクーン」のストーリーなどについては、第1回の記事をご参照ください。


妄想開始!


嘉村 「コクーン」は、老人ホームに住む老人たちが、とある目的で地球にやってきた宇宙人と出会い、「若返り」、そして「不死」の願いを叶えてもらうSF作品ですが、「設定を思いっきり変えても面白くなるのでは?」ということで……前回に引き続き、一体どんな物語にするといいかディスカッションしてまいりましょう!

三葉 承知しました。

嘉村 前回ご紹介したのは、「宇宙人の力で亡き妻を生き返らせた老人が、妻と気兼ねなく過ごすために宇宙へ旅立つ物語」、「宇宙人の力で美声を手に入れた老婆が、アイドル歌手になるために宇宙へ旅立つ物語」の2案でした。


案③


嘉村 続いて、「案③」にまいりましょう。

三葉 はい。「案③」は、「宇宙人の力でモテモテになった老人が、性機能回復のために宇宙へ旅立つ物語」です。


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嘉村 性機能回復!

三葉 詳細をご説明する前に、ここで「コクーン」風の物語を作る時に注意すべきポイントを振り返っておきましょう。


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三葉 ……となります(より詳しくは第1回の記事で)。

嘉村 ふむふむ。

三葉 それでは「案③」に戻って、ストーリーをご紹介しましょう。主人公は、老人ホームに住む老人です。そして、彼は……非モテ!

嘉村 非モテ!

三葉 人生で一度もモテたことがない。もっと言えば、風俗嬢としか性行為をしたことがない……いわゆる「素人童貞」ってヤツですね。

嘉村 ふむ。

三葉 彼は常々思っていた「一生に一度でよかったんだ。モテたかった……」と。

嘉村 なるほど。

三葉 そんなある日、とある目的で地球にやってきた宇宙人が、偶然彼の望みを叶える。すなわち……彼はモテモテになった!

嘉村 ほぉ。

三葉 宇宙人曰く、「きみの毛穴という毛穴からフェロモンが吹き出している。それが老若を問わず、あらゆる女性を魅了して止まないのだろう」。

嘉村 ふむふむ。

三葉 彼は、夢にまで見たモテモテライフを満喫するのですが……次第に虚しくなってくる。そう、彼は高齢ゆえにED(勃起不全)になっていたのです。

嘉村 まぁ、誰しも年を取るとねぇ……。

三葉 彼は嘆く「嗚呼、何たる悲劇!」。それを聞いた宇宙人は「きみさぁ、オレたちと来る?」。

嘉村 随分とフレンドリーだな……。

三葉 宇宙人は続けて曰く、「オレたちが、きみをモテモテにしたわけだけど」「うん」「結果的に蛇の生殺しになってしまった」「……」「オレたちは責任を感じているんだ」「……なるほど」「オレたちの星にくれば、性機能を回復させてやれるかもしれない。どうかな?」……という具合ですね。

嘉村 なるほど。

三葉 かくして主人公はUFOに乗り込み、EDを治すべく宇宙へ旅立っていったのでした……おしまい!

嘉村 ふむふむ。

三葉 それでは、以上のストーリーを「コクーン」と比較する形で整理してみましょう。


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三葉 ご覧の通り……主人公の「望み」が異なるだけで、「コクーン」と「案③」は同タイプの物語であると言えるでしょう。


案④


嘉村 続いて、「案④」にまいりましょう。

三葉 はい。「案④」は「宇宙人の力で家族をイジメ、拷問し、虐殺した老婆が、さらなるイジメのために宇宙へ旅立つ物語」です。


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嘉村 イジメ!拷問!虐殺!……不穏ですねぇ。

三葉 「コクーン」にしろ、ここまでご紹介した「案①②③」にしろ、主人公の望みはポジティブなものでしたよね。

嘉村 「若返りたい」「亡き妻ともう一度会いたい」「アイドル歌手になりたい」「性行為をしたい」……なるほど、確かにポジティブですね。

三葉 ただ、世の中には「ネガティブな望み」だってある。

嘉村 ふむ。

三葉 そして、「特殊能力者が『ネガティブな望み』を叶えてしまう物語」だってあって然るべきでしょう。

嘉村 ふむふむ。

三葉 そこで……「案④」!まずは「コクーン」との対比表をご覧ください。


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嘉村 ほぉ……。

三葉 主人公は、老人ホームに住む老婆3人組。彼女らは、家族に恨みを持っている。嫁を嫌っているとか、嫁の言いなりとなった息子に愛想を尽かしたとか……そんなところですね。

嘉村 なるほど。

三葉 彼女らは、「家族をいびり倒してやりたい」「ヒーヒー言わせてやりたい」と思っている。しかし実現は困難だろう。寄る年波には勝てないし、晩年を刑務所で過ごす気もない。結局、年に数回訪ねてきた時に嫌味をぶつけることくらいしかできないでいる。……じつに歯がゆい。

嘉村 ふむふむ。

三葉 そんなある日、宇宙人がやってくる。そして意図せずして、老婆3人組に3つの力を与えてしまう。すなわち……「透明人間になる力」、「瞬間移動の力」、そして「任意の相手を操る力」!

嘉村 無敵じゃないですか……。

三葉 かくして老婆3人組は、能力を駆使して家族をイジメ抜く。仕事や学校であり得ないミスをさせたり、家族同士の信頼関係をぶち壊したり……3人は、「誰が一番ひどい目に遭わせられるか競争だよ!」とノリノリ。

嘉村 ふーむ……。宇宙人はどうしてるんです?さすがに止めないんですか?

三葉 いやいや、宇宙人に我々と共通する倫理観を期待してはいけません。むしろ彼らは、「地球人は不思議な遊びをするんだなぁ。じつに勉強になる」と喜んでいる。

嘉村 なるほど……。

三葉 3人組のイジメは加速し、やがて拷問と化し、そして虐殺するに至る。

嘉村 ついに行くところまで行きましたか……。

三葉 そして老婆が呟く「終わっちゃったよ」「これから何を楽しみに生きていけばいいんだか……」「寂しくなるねぇ」。

嘉村 ……。

三葉 そんな彼女らに宇宙人が提案します「よければ、一緒に来ないか?私たちの星に来れば、きみたちに『人を生き返らせる能力』を与えることができるかもしれない」。老婆たちの目が輝く。宇宙人は続ける「きみたちの行動はとても興味深いものだった。できればもう少し観察させてもらいたいんでね」。

嘉村 ……。

三葉 かくして、老婆3人組は宇宙へ旅立ったのでした……おしまい!

嘉村 ふーむ。

三葉 以上、「主人公の望みがネガティブな場合の『コクーン』風物語」でした!よろしければご参照ください。


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 「コクーン」の研究はこれで終了です。ありがとうございました。

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 最後までお読みいただきありがとうございました。みなさんの今後の創作・制作のお役に立てば幸いです。

(担当:三葉)

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