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紫のパステル 厳選された紫32色


うつむく  渡辺藤一

渡辺藤一先生が選んだ有彩色192色の中から、紫のパステルを紹介します。
今では手に入らないものもありますが、当時のまま掲載します。
パステルの銘柄は以下の4銘柄です。
   セヌリエ  (セ)で表示
   シュミンケ (シ)で表示 
   レンブラント(レ)で表示 
   ロウニー  (ロ)で表示 ※今では手に入らない旧ロウニーです。

パステルアーツ 紫のパステル色名表


©︎TOUICHI WATANABE

紫は色見本では他の色と同数揃えていますが、実際には青以上に色数の少ないグループです。画材店で緑や橙などと比べるとわかります。その原因が原材料によるものなのか、人間の感覚によるものなのか、あるいは製造技術的なものなのかはわかりません。花の色にも青や紫は比較的少ないようです。
橙(果実)や緑(植物)は、人間の生命にかかわる色として多くとらえられているのかもしれません。また、茶(土)の多いのも興味深いところです。

紫という色は他の色に比べ、ひ弱で沈みがちなのが特徴です。紫をうまく塗るのはなかなか難しいものです。紫は下に黒のような暗い地ぬりを用意すると美しく塗れます。補色をそばに配置するなどバックの支えが必要です。青についても同様です。ただし、明るい紫、青はこの限りではありません。

紫は東洋では高貴な色として尊ばれていますが、西洋では不健康な色と見られています。

紫やピンクの明るい色は退色現象*が起きやすい色なので注意が必要です。原材料の色素が染料系のためで、色名でもわかります。
例:マゼンタ、パープル、カーマイン、クリムソン、モーブ等

*退色現象:退色とは太陽光線などにより色料が破壊され色が消えていくこと。褪せる、さめるとも言います。変色と区別します。

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