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MBAホルダーが薦める絵本2000選(154冊目)

【題名】お化けの冬ごもり

【作者】川端 誠 (著)

【評価】★★★★☆(75点)

【感想・寸評】

1,夏に読むと良い本ですね。

 おばけたちの冬のとある日の過ごし方を描いています。冒頭、三つめの大入道が「ううー、さぶう」と唸っています。おばけにも、寒いとか、暑いとかあるんですね。

 三つめの大入道がいる部屋は、和室。もともとお化け屋敷が和な家ですからね。こたつを出してますが、後ろは障子。寒いですよね。日本の家屋は、基本的に夏向けに作ってあると習いました。※関東以南のイメージです。

 基本的に、高温多湿、そして、木がで作る日本家屋。夏の暑さをどうしのぐか?!という所がポイントになります。冬も厳しいのですが、木が多くあるため燃料にはことかきません。冷やす方の工夫ですね。

 そのため、障子を開け放つと、風が通り抜けるような通気性の良い作りになっています。空気を動かして、涼をとる仕組みですね。京都の家屋も、長細くなっており、中に庭があります。そこには池がある場合も。気温が上がると、中庭に打ち水をします。水が蒸発し、上昇気流がおきる。そうすると、玄関から風がとおるわけです。

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※京町や「無名舎」 写真引用サイト↓

 で、話を戻すと、日本家屋にすんでいるお化けたちの、冬はきついですよね。

2,ひょろけは寒いのは平気??

 この、お化けシリーズでは、準主役級の活躍をする「ひょろけ」雪かきをしながら、寒いのは平気です、という記述。いったい、このお化けはなにものなのか?!

 とおもい、調べてみましたが、でてきません。「ひょうすべ」という河童の仲間の妖怪は見つけましたが、毛むくじゃらとのこと。ひょろけは、、、毛が無さそうですね。他の作品みても。

 川端先生のえがくひょろけの特徴としては、牙があって、舌が長い。普通の人間サイズ。手足も普通。行動も、、、、わりと普通。謎が深まるばかりです。他のかたも、このシリーズをみて、ひょろけを探したのですが、正体がわからなかったと書いてありました。

3,雪わらしは・・・・

 どうも、雪だるまの類型みたいに見えてしますのですが。。とくに、雪合戦の途中で、炭でできた、目と口が落ちたと。いやいやいや、もう、雪だるまの仲間ですやん!

ポケモンにもユキワラシって出てくるんですね!

調べたら、新潟に伝わる、ほっこりとしたお話しでした。

あるところに、心の優しい老夫婦がいた。2人は子供がいなかったため、ある雪の日に寂しさを紛らわすため、雪で子供を象った人形を作った。そんなある吹雪の晩のこと。夫婦の家に1人の子供が飛び込んで来た。夫婦は思いがけない来訪者を喜び、我が子同然に可愛がって育てた。しかし春が近づくにつれ、子供は次第にやせ細った。夫婦が心配する中、いつの間にか子供は姿を消してしまった。月日が過ぎて冬になり、吹雪の晩のこと。あの子供がまたやって来た。しかし以前と同様、春が訪れるとまた姿を消した。そんなことが数年間続き、ついに子供は現れなくなった。この子供は、夫婦が作ったあの雪人形の精霊だった。優しい老夫婦を慰めるため、神が雪人形を人間の子供の姿として遣わせたのだ。子供が現れることは二度と無かったが、老夫婦の心には楽しい思い出がいつまでも残っていたという。

妖怪の話は、怖い話がおおいので、こういうほっこりするやついいですよね!



 

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