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MBAホルダーが薦める絵本2000選(80冊目)

【題名】かっぱのすもう (日本の民話えほん)

【作者】小沢 正 (著), 太田 大八 (イラスト)

【評価】★★★★☆(79点)

【感想・寸評】

1,かっぱの伝承は色々なところにありますよね

 以前、遠野に行ったときに、カッパ淵がありまして、カッパ釣りをしました。

 釣り竿が置いてありまして、その先には新鮮なキュウリが結びつけられてました。とりあえず、竿を垂らしてはみたものの、、、、当然つれないですよね(笑)

 日本全国に、カッパ伝説はありまして、特徴は下記の通りです。

外見
・子供くらいの体格
・指は3本、水かきアリ
・頭にお皿状の無毛部。渇くと弱って死ぬ
・皮膚は緑または赤
・全身にうろこまたは毛がある
・口は短いくちばし型
・亀のような甲羅があることも
・肛門が3つある
・体臭は生臭い

生態
・川や沼などに住む
・好物は野菜・果物・魚。とくにキュウリが好き
・相撲好き
・いたずら好き
・人のお尻をさわるのが好き
・お尻から「尻子玉」を抜いたりするのが好き
・鉄・鹿の角・サルが嫌い
・人間の出す音や歌を真似するのが好き
・節はきれいだが言葉が不明な歌をうたう

 今作品にでてくるカッパも、キュウリ畑を荒らし、相撲を楽しみます。オーソドックスなカッパの生態ですね。

2,カッパVSおじいさん

 畑を荒らされたおじいさん。犯人を捜して、かっぱの相撲大会を見つけます。「うーむ、けしからん」と言っていたのに、相撲がおもしろくなって「それ、まけるな まけるな。がんばれ がんばれ」って楽しんでしまってます。

 相撲でも、サッカーでも、選手が一生懸命にやっていると、その熱量から応援したくなります。スポーツビジネスをやっている方は、そういったスポーツの力を感じていらっしゃるのではないでしょうか?!

 例えば、Jリーグも地域密着を謳い、地域に根ざしたクラブがいくつもうまれてきています。地域でチームを応援する姿勢ですね。例えば、松本山雅FCさん。「山雅」は選手がよく使っていた喫茶店の名前なんですって。


 絵本の話にもどります。盛り上がって応援をしていたら、かっぱに見つかってしまいます。そして、さっきまで憤っていたのに、なにしてるのだ?と聞かれて「へい、それが そのう」相撲をとれ!といわれて「と とんでもない。おゆるしを おゆるしを」とえらい弱気です。

 許しを請わなくてはいけないのは、勝手にきゅうりをとったカッパのはず。おじいさん、かわいそうですね。強気に出てもらいたいところ。

 相撲をとることになったおじいさん。着物を脱ぐと、わりとがっちりした体つき。髪の毛の白髪、顔の様子からみても60代後半から70歳でしょうか。堂々とした体軀といえます。

 しかし、かっぱはとても相撲が強い。次から次へと相撲をとらされ、いわゆる問題になった「かわいがり」状態です。おじいさん、ピンチです!

3,カッパの弱点

  おじいさん、かわいがりの最中にふと、カッパの弱点を思い出します。お皿の水が無くなると、力が出なくなるらしい・・・・

 知識は力ですね。知らないより、知っている方がいいに決まってます。一方で、「自分には知らないことがある」という認知限界を同時に持つことですよね。自分には常に知らないことがある、というメタ認知が人間を成長させます。

 お話しに戻ります。「挨拶が必要だ!」といって、頭を下げさせて水を流させる作戦。これは、目的外の行動を促し、自分の思う方向に連れて行く作戦ですね。そして、おじいさん無双!!!全カッパ、ぎっちょんぎっちょんにしてしまいます!作戦がちですね!

 突然強気になるおじいさん

「どうだ どうだ かっぱども。さあ、でてこい でてこい。かたっぱしから ほうりなげて くれる」

 ここまで弱気と強気を行き来しますと、二重人格者なのではないかと心配になってしまいます。でも、カッパたちを許してやります。勝ちすぎると良くないの法則ですね。

 最後に、酒盛りをして仲直り。カッパと人間、飲めば友達!・・・・この構図どこかでみましたね。そうです、ドラゴンボールZと同じ構図です。戦う→和解→仲良し。ジャンプ王道の構図です。日本の昔話から、そのエッセンスをとったのかもしれないと思いました。







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