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20代に刺さった投資教育から読み解く!投資を広めるためのカギ「投資の話~お金についてスペシャル~」<前編>

20代の“投資思考”を育む「104(トーシ)コンソーシアム」。「20代104会議」の折り返しとなる第5回が行われました。

これまで有形無形の投資で投資思考を育んできた中、今回は“お金の投資”がテーマ。

第1部では、20代参加メンバーがこれはいい!これはダメだな!と思う世の中の投資教育を発表いただきました。(以下抜粋)

■これはいい!と思う世の中の投資教育

・自分事として考えさせる教え方
「自分事として捉えることができ、考えることができる教え方」を学べる著書として、芸人とIT企業役員2つの顔を持つことでおなじみの厚切りジェイソンさんの著書「ジェイソン流お金の増やし方」(ぴあ刊)をピックアップ。教科書的でない、複利の概念を自然と学べる1冊だそうです。

・童話で投資の重要性を教える方法
童話に置き換えて投資の重要性を分かりやすく解説する手法は、投資を身近に捉えることができる手法。今回の発表でも2人から挙げられました。「さるかに合戦」では、おにぎり=消費、柿の種=投資として、投資の考え方を学びます。「三匹の子ぶた」になぞらえた教え方では、万一の事態を想定したプランを真剣に考えることの重要性を説いています。

・経験しながら習得できるような教え方
投資を自分事化するためにも、実際に経験しながら習得できる教え方が大切という意見も上がりました。本業で投資教育に関わるメンバーが、新人を教育したときの実体験から着想。実際に経験して興味を持ってもらうことにより、受け手の理解度や納得感は変わってくるそうです。

■これはダメだな!と思う世の中の投資教育

・不安を煽る系のコンテンツ
「億り人(億単位の資産を築いた投資家)」「FIRE(Financial Independence, Retire Early=経済的自立と早期リタイア)」という文言を用いた投資の勧めには、投資=儲けのイメージが払しょくできていないという意見が挙がりました。大きな儲けを追い求めるあまり、自身の貴重な時間を浪費してしまう可能性も。ライフイベントを叶えるための投資に時間を浪費するのは本末転倒です。

・ソーシャルメディアの物まね
「これを買えば儲かる!」といったSNSの投稿をうのみにするのは禁物。富豪や有名人の行動をまねる、素人の過去の成功をまねることが、自身の資産形成に必ずしも当てはまるとは限りません。

・判断材料を与えない教え方
「とりあえず外国株式に全財産突っ込め!」というような偏った教え方は、初心者に判断材料がないため、その判断に至る過程を知ることができません。選択肢だけが提示されればラクかもしれませんが、次につなげることができないので、学びにはなるとはいえません。

全員で投資教育を共有した後、20代からはこんなコメントも。
・投資を童話で例える手法は分かりやすくてとても良い。この手法を実践してみたい
・教える金融機関と受け手の間に情報格差がある中で、それを埋めずに方法論を提供することが悪い投資教育に挙げられるケースが多いと感じた
・丁寧に導くのが良いのか、考えさせるのが良いのかバランスのとり方が難しい

続いて第2部では、20代に刺さる投資教育を考えます。

今回は特に「投資に興味を持っていない初心者向け」のアプローチをテーマに「仮説と具体策」を考えるグループワークを行いました。発表内容を一部ご紹介します!
カギになるのは、“人の経験への共感” “多様性” “体験価値”…!?


【仮説】
イマドキの20代は、人の経験に共感すると、行動する?
【具体策】新入社員のオリエンテーションで、10歳くらい上の先輩に、投資経験を語ってもらう!身近な人の経験は共感を生みやすく、投資に興味を持ってもらえる!?

【仮説】イマドキの20代は、自分で調べたり、体験して得たことに価値を感じる?
【具体策】実際の経済情勢を入れたボードシミュレーションゲームを作って、投資体験できるようにする!
リスク許容度診断をとにかくまずやってみる。とにかく自分でやってみた方が自分ごと化できて、投資に一歩を踏み出すことに繋がりやすいのでは!?

20代に刺さる投資教育を聞いた運営メンバーからは、こんなコメントをいただきました。

・「共感」「体験」は重要なキーワードと改めて認識。受け手に合わせて伝え方を変えていくべきだと感じた
・金融機関はターゲティングが苦手だと改めて感じた。ターゲットを細分化することが大切だと学びつながった
・受け取り側は多様性があるけれど、伝える側は画一的であるため、バランスはとれているけれど、ぼやっとした内容しか伝わっていない。受け取り側の多様性を重視して、「どうしたら投資に興味を持ってくれますか?」というところから入ってみると良いかも…?
・集団のくくり方がたくさんある。いまの金融機関のコミュニケーションの取り方、心のくすぐり方は一律。恐怖訴求かメリット。投資は副次的おもしろさもあるため、知的好奇心をくすぐる、生活防衛の面からもアプローチしたら良いのかもしれない。
新入社員、業界などカテゴリーのくくり方もたくさん。心のくすぐり方が多様なので、細かく切ってアプローチできたら面白い。

第1部・第2部を通して、今後、金融機関が投資教育を考えていく上で、キーとなるものを多く得ることができました!
金融機関は、「人の経験への共感」「多様性」「体験価値」を前提に投資教育を考えていく必要があるのかもしれません。

後編では、第二部の「金融投資経験のシェア」をお届けします!


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