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ダンジョン飯3巻まで読み終わった人の感想文

 ダンジョン飯、3巻まで読み終わったぞい!
 ライオス、人間に興味がないと思っていたけど獣人族のコボルトはちゃんと覚えているというあたり、人間に興味ないんだな……!
 と思ったけど、俺も冷静に考えた時、犬の散歩にきている人の犬は覚えているけど散歩している人間に全然興味がないや! 仕方ないね!

・チルチャックさん29歳・堅実な冒険者

 最初は、ファリンがいなくなったとたんにパーティが瓦解して、冒険者はドライな付き合いだな……と思っていたけど、話がすすむにつれ「食糧もなく迷宮に挑むのは死ぬようなもんだよ!」ってのが明らかになってきたので、段々とチルチャックはメチャクチャ優秀な鍵師なのによく、ファリン救出についてきてくれたな……!? と思うよになっていったんですよね。
 一番ドライな性格なのに……一番、金にならない仕事は願い下げタイプだったのに。
 そこで新たになった事実、「報酬は前払い」で全部納得。
 チルチャックのような職業だと、前払いもらいました、仕事を途中で抜けました……は信用問題だろうし。
 何となく、チルチャックの種族(ハーフフット)は詐欺師とか、信用ならない取引相手みたいに扱われているから、より堅実な仕事をするよう心がけているんだろうね。

 ……でも、普通にダンジョンに入るのと明らかに違うことを雇用主が強要しているんだから、追加でなんか貰った方がいいと思うぞな?
 報酬前払いで多めにもらっていたとしても、普通に食料や水をもってダンジョン潜るのと「食事は現地調達!」で潜るのとだと全然違うぞな……? 
 生身の環境で投げ出されて現地調達でなんとか出来るのなんてソリッド・スネーク位だぞな……?
 それとも、現地調達でもいいと思うくらい前払いの報酬良かったのか!?

 なんて考えると、チルチャックくらいの冒険者を前払いで雇える&抜けた仲間の実力もありそうだから、ライオスたちのパーティ、2巻でも「中堅以上」といわれてたからかなりランク上だったんだろうな~
 ドワーフのナマリは戦士(fighter)かと思うが、もう一人は侍ジョブだからwisとかD&Dでも上級職だよね? ライオス自身も上級職のロードだし、有能……!

 こうして話が進むたび、「ライオスってけっこう上位の冒険者なんだぞ」ってのが明らかになるけど、でも「ちょっと変わった人ではある」「モンスターを食べようとする熱情がすごい」という執着部分でスゴさがチャラになるのすごいな、とおもいました。(作文)
 個人的に、ライオスの変人さは、好奇心が基準だからこう……フィールドワークが好きな学者さんとして見ると、許容範囲だと思うんだけどどうだろうね!?

・ドワーフのナマリとドワーフのセンシ

 今回、以前、ライオスたちと同じパーティを組んでいたドワーフ(恐らくジョブは戦士)が現れた事で、以前から「センシってドワーフとしては少し……おかしくないか?」と思っていたのが、この世界のドワーフが全体的にそうなのではなく、センシがドワーフという個体としてはおかしい、という事が明らかになり「やっぱり……!」って気持ちだ!

 ドワーフ、一般的なファンタジーの特性のイメージとしては……

・小柄でガッシリ(トールマンより頭一つ小さいくらい)
・武器を鍛えるのが得意(鍛冶や彫金など得意)
・鉱山が生活拠点(鉱物、鉱石に詳しい)

 みたいな感じ。
 基本的に洞窟、性格には鉱山に済む事が多くて、その関係で鉱石について詳しかったり、武器の研磨に長けてたりって個性が出る事多いんだけど、センシはダンジョンに住んでるTOKIOなんだもんな!
 あまりにドワーフ感がないセンシは、元々集落にいたドワーフと違うタイプの生活をしていたのかな?
 冒険者の親に育てられたドワーフとか、人間の農家に育てられたドワーフとか……? 鉱山でも料理番を担当していた専属コックだったとか……?
 センシ、出生が謎すぎる……。

・種族の命名規則に対する推測

 いくつか種族が出てきて、やんわりとこの世界の命名規則みたいなの明らかになってきたね。

 トールマンは、トールマンという種族より自分たちの生まれた集落や、民族としての名付けだからわりと個性豊かかな?
 ライオス、ファリン……みたいな感じもあればチチ、カカという恐らくは出身集落基準の命名スタイルもある。
 恐らくはこれは土地柄で命名が変わる感じなんだろう。
 肌が褐色だったり色白だったりと多いあたり、自分たちの文化で名前は変わるんだろうね。
 短命の種族は文化も変わりやすいから……。

 エルフは目下のところマルシルしか見てない気がするけど……。
 マルシルは、どうも「街育ちのエルフ」って印象なので、エルフの命名規則に則っていない気がするんだよね。
 未だにマルシルはハーフエルフでは? と疑っているし。
 だから命名規則はトールマンに準じていそうだからここでは割愛。

 ドワーフ族は、センシが最初に自身の名前を古代ナンタラ語で~と紹介していたから、名前は自分たちの使っていた言語からとっている感じかな?
 センシやナマリというあたり、三文字くらいで名字ももたない種族な気がする。

 ハーフフットは、名前に恐らく拗音っていうんだっけ……?
「チルチャック」「ライザップ」「ショーシャンク」みたいに小さい文字がどこかしらに入るんじゃないかな、と予測している。
 ハーフフットたちは発音しやすい言葉だけど、トールマン族には呼びづらい、少し長い名前が多そうだ。

・ナマリが教えてくれたダンジョンの冒険者事情

ナマリの登場で、ダンジョンの冒険者事情がすごくハッキリしてきて嬉しいね!

・冒険者たちはダンジョンの財宝や、古文書のようなものを持ち帰り生計を立てているっぽい(これは推測)

・ダンジョンへ潜るには事前準備などで初期投資がなかなかかかる(現実の登山家とか未開の地に行く人と同じだ!)

・冒険者は報酬で雇用されるが、当人の名声や信用なども大きく左右される(SNSで炎上するような奴はダメ理論だ!)

・冒険者ではない学者なども、迷宮の調査に行き、冒険者はその護衛も務める(一般人に近い存在もダンジョンに行く)

・金銭などの問題でパーティが解消される事もあるが、基本的にパーティ同士で情が無い訳ではない

 などなど、その他もろもろ。

 ダンジョン探索、現代で言うところ「標高5000km級の高さに遺跡がある」「険しいので登山家がよく挑戦するし、踏破できたら名声が得られる」「標高の高い所にある遺跡が希少なので、学者も大規模な調査隊を出したり、個人で調査に出かける」「一人で行くのはよほど熟練してなければ困難、なので現地ガイドが必用」って感じかもな~。
 現代でも、沈んだ船からお宝をサルベージして生計をたてる冒険者たち、存在するみたいだしね。

 ナマリ自身、ファリンのことも好きだし、マルシルのことも好きだからパーティから離れたのを申し訳ないと思っているのはなんか……救われるね。
 決して相手の事を忘れたワケではない、一緒にいた時間は大切にしたい……それがきっと冒険者なんだろうなぁ。
 ライオスのことはうっすら嫌いそうだけど。

 そして、改めて「妹を助けにいくぞ! 徒手で!」のライオスがどれだけ無謀だったのか痛感しちゃう!
 この深さの迷宮、中で野営が必用なレベルを食料無しはマジでやべーよライオス……そりゃ辞表出されるよ……。
 むしろ、マルシルよくついてきてくれたよ、ライオスのパーティで唯一、多分何の見返りもない子……!

 さらに、別れた仲間も別れながらもファリンのこと諦めてないというのも……救われるね!
 ファリン、とても愛されていた良かった……愛されている、信頼されている子で……。
 ライオス、おまえもなんとか……なんとかならんかったのか……!?(悲痛)

・コボルト族とノーム族

 う、うわ~! この世界ノーム族がいるゥ~!

 コボルト族は2巻でもチラっと出てきてて、ライオスの反応から珍しい種族であり、あまり人と行動もしない種族ではあるけど、まれに人と交流している……って感じかな?
 元々、コボルトは山に付く妖精という伝承の存在だから、基本的には山岳地で同種族とあまり出てないんだろうな……とは思うんだけどね。大体は臆病だし、群れて行動するのが得意だろうから。
 群れが壊滅したとか、何かしら恩義があってパーティ入りしたんだろうなぁ……推測だけど。

 そして、ファンタジー世界だとドワーフとコボルトってそんなに仲良くないんだけど、コボルトつれているパーティにもドワーフがいるし、センシも倒れているコボルトをそれほど忌避してない……?
 いや、倒れている時はさすがに助けないのは人道的に良くないのはあるだろうけど、この世界はドワーフvsコボルトの対立があまりないか、冒険者はそういうのあまり気にしないのかな?

 だいたい、ドワーフ族もコボルト族も鉱山に住む事が多いから、領土争いなんかでいざこざがおきやすいんだよね、この二つの種族。
 だから仲違いしている事が多いんだけど、仲違いしてないで生活できているならきっと良かったんだろう……良かったね、名も知らぬコボルト……!

 ともかく、獣人族と一緒に旅できるのは羨ましいよな、ライオス
 わかるよ……となりにデカめのモフモフがいる喜び……ナッ!

 そして、ノーム族!
 ドワーフよりさらに小柄で手足が大きめ? 耳は獣人族みたいにやや高めの位置についてて、鼻が大きいのが外見特徴かな?
 鼻は少し赤みがかっているのかもしれない。
 エルフ族を下に見ていたり、精霊信仰をしているあたり、この世界ではノーム族が森に住む種族で、なおかつ信仰が神ではなく精霊なので、基本的な居住地域は森かな?

 エルフ族も森に住むパターンが多いから、エルフのマルシル(何度もサビのように繰り返しちゃうけど、個人的にはマルシル、ハーフエルフでは? と思っている。あまりに街慣れしていて森に住んでた経験なさそうなので。母エルフ、父トールマンのハーフエルフ。なぜ父がトールマンだと思うのかって? だいたい、男は美人に弱く無理矢理女を連れ出すほど強引なのは男だからだよ!)を敵視しているのかもなぁ。

 ノーム族はどちらかというと妖精族に近い……より精霊に近い存在という認識なので同じ森に住むのでも、エルフ族はトールマン文化に迎合し、ノーム族は自分たちの集落で精霊信仰が強いのかな?

 ノーム族も長命族だろうからで、成人するのがそもそも遅いみたいなイメージだけどダンジョン飯だとどうだろう。
 ハーフフットが短命だから、ノームはもっと短命の可能性もある……?
 にしても、エルフのいざこざにくわしいからやっぱり同等の長命と考える方が普通かな。

 エルフ族とノーム族
 ノーム族が設定上いない場合、エルフ族がノーム族のもつ特性である精霊信仰や、他種族に対して厳しい姿勢を継いでたりするから別々であると、エルフ族がより人間っぽさがでる感じだね。
 お互い長生きをしているから、歴史で多くの戦争やいざこざを見てきているだろうから仲は悪いんだろうね……。

・ライオスの興味

 ライオス、迷宮にいるモンスターのこと好きだなーと思っていたけど、クラーケンの生態やけろっぴ(嫌いな人のための柔らかな表現)については詳しくないのを見ると、地上に実際存在する生き物がデカくなっただけの存在には興味がないのでは?

 人間にも興味はないけどそれだけではなく……一般的に見られるもの全般にあんまり興味なくて……ダンジョンに存在する奇妙な生態に興味があるのでは……?

 そう思うと、生物が好きというより本当に魔物が好きなんだな……って思えて……そういうところ、キショいって言われるんだな!
 って改めて実感しちゃった!

・不死のダンジョン

 この世界は蘇生魔法があるんだな~。
 なんて漠然と、RPGの世界観的な救済措置として思っていたら、蘇生が出来るのはあのダンジョン内だけだという事実により「マジでここ、死者の世界では……」「現世に無理矢理呼び出された幽世じゃねーの!?」ってなってビビっちゃった……。(震)

 肉体の損傷が激しいと、魂が戻ってきても元の人格が破綻しちゃうか……あるいは、長時間迷宮に魂が留まることで、魂がダンジョンに定着して他のものと混ざり合ってしまうタイプの領域かな?

 ダンジョン内で生と死が両方とも存在するので、現実世界に無理矢理存在させた冥府というより、生死のエネルギーがダンジョン内で完結している空間。

 行ってみればすごく小規模な宇宙、あるいは細胞がダンジョンに構築されている感じなんだろうね。
 宇宙も細胞も代謝が存在するだろうから……むしろ代謝の激しさは細胞よりかも?

 蘇生魔法にも成功率があるのも、恐らくはダンジョンの機構として、取り込まれた死者の魂(エネルギー)がダンジョンに取り込まれて、また新しい別の命をその魂(エネルギー)から産む、みたいな仕組みがあるからかなぁ?
 蘇生が必ず出来ないのは、ダンジョンが蓄積したエネルギー群に魂が混ざりすぎると、元々の形と全く変わってしまい、元の器と合致しなくなり、そして齟齬をおこして、元の身体に戻れなくなる……って感じ?
 適合しない魂があまりにデカくなっていると、きっとそのまま魂の力に押しつぶされて灰になったり、ロストするんだろうね。

 そうなると、1巻で入り口で意味ありげな言葉を発して崩れ落ちた人はただのメッセンジャーではなく、ダンジョンの機構として……ダンジョン内で生死を巡るように構築されている存在が、外に出てそのルールから逸脱し、外の世界の摂理に触れたので本当の死を迎えた、って解釈なのかもね

 ファリンを助けるには肉体の損傷も少ない方がいいけど、死亡してから早くに戻さないと魂のかたちが変わってしまう……。
 でも、それって「変わってしまった魂の形にあわせて肉体を構築すればセーフ」理論……あるんじゃねぇの?(邪悪な閃き顔でs)

 つまり、人間の器にあわない魂になってしまったら……モンスターの器で蘇生すれば……ワンチャン?

 ファリン!
 お前の大好きなライオス兄さんが大好きなモンスターになれるチャンスだぞ!
 なっちゃうの……モンスターに……!?

 そう思ったら「急がなくても、モンスターの形になって生き返れるかも」なんて考えてしまいました。
 この可能性、ライオスが知ったらガチで「……もうちょっと待とう、ファリンがドラゴンになれるかもしれない!」とか言い出しそうだねこわいね。

・ライオスとファリンの神性

 マルシルが過去を語った時、ファリンがもともと洞窟のような場所に臆さない性格だというのが明らかになったので、ライオスとファリン、この二人
「兄妹神」というイメージで描かれているのでは……?
 なんて思いを抱いてしまいました。
 神話において兄妹神は夫婦にてはじまりの存在だしね。

 ライオスはダンジョン(仮に冥府的な場所とする)にいる生き物を慈しみ、必用なら狩り食らう(罰を与える)存在
 冥府の王として、君臨に罰を与えるという神性を持っていて……。

 ファリンは、元々、ダンジョンに臆さず、そこにいる生き物を慈しめる性格。闇の安寧、不浄を慈しむ女神という神性をもっているので……。

 ダンジョン飯、ひょっとしてライオスとファリンが冥府(ダンジョン)の守り神という、神性に近い才能を創造する話では……って気持ち、強くなってきちゃったね。

 ライオスが冥府の魔物を統べる神格の器なら、ファリンは冥府の魔物を守り慈しむ神格の器
 マルシルは、現世と幽世を渡す渡し守みたいな存在なんじゃないかな……?

 イメージとして!
 ライオス・ファリンはかなり兄妹神の側面が強く、マルシルはその二人をどちらも好意的に……ライオスのことは好意的じゃないな……ファリンのことは好意的に受け入れているけど、マルシルは徹頭徹尾、魔物に対して「ヤダーーーーーッ!」しているので、彼女は現世の象徴。

 だから、冥府側の二人の渡し守みたいな存在になっていくのかな……
なんて思うのは、2巻から急激に「こ、これ黄泉の話だ……」を感じたので、3巻から「こ、これ、神話だ……冥府が生まれる神話だ……」って気持ちを抱いちゃったというワケです。

 どちらにせよ、ライオスとファリンが統治する世界。
 何か楽しそうでいいね……。

・それは狂った魔術師なのか

 ダンジョン飯、最初の段階で迷宮に「狂った魔術師がいる」ってニュアンスで語られるよね。
 Wizardryだと「狂った魔術師」は文字通りやべー奴だったけど、ダンジョン飯の「狂った魔術師」は、人の死を悼み取り返せないという悲しみを取り除くため、生死が全てあの空間で完結する世界を魔法で構築してしまったのでは……?
 なんて、そんな気がするんだよね。

 王が失った我が子を取り戻したいと願うようになり、それをかなえようとした結果とか。
 そういう優しい理由が発端だったのでは……?

 という気持ち、あります!

 もちろん、だからといって世界をそんな風に構築をするのはとんでもねぇ傲りな訳だし、それを成し遂げるのは狂った犠牲があったろうけど……。
 印象的にはただ、私欲のためというより、自分の能力、知識、魔力で出来る事と、求められているコトがかみ合ってしまった結果のような気が……しちゃうんだよなぁ。
 迷宮の魔術師、一体何者なんだろうね……。

・かわいいね!

 ライオスがチルチャックのことをとっさに「チル!」と呼んだりするのはかわいいね。
 報酬前払いとかしてても、やっぱり一緒に冒険する仲間なんだなぁ……。

 マルシル、日数経過のタイミングで髪型が変わってる?
 と思ってたけど、ぐったりしている時とかでは伏せる髪型をしていてお、女の子……! となってしまった。
 かわいいね!

 センシ、はじめて兜を脱いでる所が出たけど、兜をかぶっとる(駄洒落になってしまった)時はくりくり目で可愛い、デフォルメされたドワーフだな~と思ってたら、兜を脱いだらゴリッゴリのドワーフが出てきて「ワッ!」ってなっちゃった。
 かわいいね!

 4巻も楽しみです♥

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