【随時更新】A's若手選手名鑑 〜2019シーズンここまでの振り返り〜

AAAからの階級順に、そして評価の高い順に書いていきます。

AAA ラスベガス

 -ホルヘ・マテオ(24, SS/2B, No.8)  評価:A+

[打率].329  [出塁率].359  [OPS].919 (6/16時点)

ソニー・グレイとのトレードで2017年にNYYから加入した韋駄天遊撃手。

2018年は初のAAAでのシーズンで未熟な打撃のアプローチが露呈し評価を下げた一年になったが、今年は適応し大活躍。
指摘されていた四球の少なさは改善されるどころかさらに減っているが、三振も同様に減らしていて、昨今のMLBのトレンドである好球必打のアプローチに習っているのかもしれない。
また、HR10本、三塁打はそれを超える11本など長打力も進化している点も大きな成長だ。

マテオといえば”80”評価を受ける快足とそれを活かした守備がセールスポイントの選手だが、今年は15盗塁を決めて失敗7、守備でも既に12エラーを記録していて粗さが抜けていない。
早くも24歳を迎えたが、まだまだマイナーでの修行が必要だろう。


 -フランクリン・バレト(23, 2B/SS/CF, 卒業済)  評価:A

[打率].282  [出塁率].381  [OPS].886 (6/16時点)

STでは絶好調だったが、開幕ロスター入りから漏れるとマイナーでは絶不調に。4月は打率.195、94打席で驚異の32三振を食らうなど踏んだり蹴ったりの日々だった。しかし、不調時でもインスタの自撮り投稿は止めない鋼のメンタルと、スイングの修正が奏功し、5/23からは打率.361と打棒を振るっている。

ここまでキャリアの中でもベストのBB%、BB/Kを記録していて、絶不調の時期にあっても高い出塁率を記録していたのは大きな成長と言える。二遊間だけでなく、CFにも挑戦していて使い勝手の良さからMLB昇格候補の一番手はやはりバレトだ。
今昇格しても正二塁手のプロファー以上の活躍は見込めるはずだが...

 -スカイ・ボルト(25, OF, No.19)  評価:A+

[打率].321  [出塁率].392  [OPS].991 (6/16時点)

ルール5ドラフト対策としてプロテクトされ、40men-roster入りして迎えた今季は開幕から好成績を残し、MLB昇格も経験。MLBではデビュー戦にいきなり二塁打、少ない出場機会ながらも守備でもプラスの数値を残すなど印象的なプレーを見せた。

ベストツールはかっこいい名前だと散々言われているものの、実際はパワーとスピードを兼ね備えるアスレティックなところが持ち味。今季もその持ち味は健在だが、アプローチの粗さは改善されておらず、打者有利なラスベガスの本拠地や、今季からメジャーの球に変わったことの恩恵を受けての好成績だろう。

 -ダスティン・ファウラー(24, OF, 卒業済)  評価:C

[打率].267  [出塁率].323  [OPS].751 (6/16時点)

マテオと同じくソニー・グレイのトレードで移籍してきた俊足の外野手で、昨年はMLBのリードオフにも一時定着したが、ラモン・ロレアーノの台頭で立場を失った。

左打ちの外野手プロスペクトは一定数いるため、今年は重要な年のはずだが停滞気味。打者有利な条件の多く揃うAAAでもこの成績は少し致命的なものがある。

9HRこそ救いだが、四球が少なく三振の多いアプローチは変わらず、盗塁成功率も70%と能力を活かせていない。
同キャラのスカイ・ボルト、ニック・マティーニや、AAにもルイス・バレラがいてマイナーでも立場を失いかねない状況にいる。
どうにかして調子を上げて欲しいものだが...

 -シェルドン・ノイジー(24, 3B/LF, No.9)  評価:A

[打率].316  [出塁率].399  [OPS].923 (6/22時点)


ショーン・ドゥーリトルの絡むトレードでヘスス・ルザードとともに移籍。
移籍二年目の昨年はマテオと同様に初のAAAで大きく苦しんだ。中距離打者でありながらも172個の三振(K%は32.0%)を記録した昨年の大不振から一変し、今季は復活のシーズンを送っている。

特筆すべきはアプローチの改善でK%は21.2%に減少し、BB%も二桁の11.2%としている。昨年5本しか出なかったホームランも既に10本放っていて、パワー面での適応力も上々である。

ただ粗めな三塁守備は相変わらずで強肩を生かして外野の両翼にコンバートと言う線もあり得る。

もっともどれだけ好成績を残そうとも、A'sのホットコーナーにはマット・チャップマンがいるため、A'sで日の目を見ることは難しいだろう。
25歳になる前の今年のうちにトレードチップとして役立ってもらうのが現実的なルートである。

(追記)MLB.comの三塁手Top10リストにランクインしました!

 -パーカー・ダンシー(24, RHP/SP, No.18)  評価:A

[試合] 13  [W-L] 4-6  [ERA] 3.51 (6/22時点)

2017年ドラフト7巡目指名がとんとん拍子でマイナーの階段を駆け上がっている。
今季はAAで開幕を迎えると、ERA1.89の活躍ですぐさまAAAに昇格。

AAAでは少し壁に当たり、自責点5以上の先発が3試合あったが、それ以外は必ず2点以下に抑えている。AAAでもK/9 8.67とそれなりに三振を奪ってい流のも良いポイント。

ダンシーの改善点はAAAに昇格してから悪化した制球力とフライ系投手の宿命である、どう被本塁打を少なくするかの二つである。

指にかかりやすいと言われるAA以下のクラスの球から、MLB球を使うAAAに昇格したことがダンシーの制球力を狂わせたのかもしれない。
また、空気の乾いたラスベガスに移ったことと、それと飛びやすいボールに変わったことで被本塁打も増えている。

ダンシーは適応力の高さが武器の投手なので、AAAで長く修行するよりもMLBで試行錯誤したほうが成功に近づくのではないかと思っている。来年中のローテ定着のためにもこのまま好投を続けてMLBの舞台に駆け上がってきてほしい。

 -ミゲル・ロメロ(25, RHP/RP, なし)  評価:C

[試合] 23  [W-L] 2-1  [ERA] 4.67 (6/23時点)

STでユニフォームがはち切れんばかりの肉体から豪速球を投げ込む姿が印象的だったリリーフ右腕。

平均94~97mphで最速98mphの速球に加え、良質なスライダーとCIN、SDなどで活躍したマット・レイトスのそれと比較されるナックルチェンジの二つのプラスピッチが持ち球。

なんだめちゃくちゃ良い投手っぽいじゃないか、と思われるであろう。

しかしながら、このロメロ。
目下AAAでとんでもない制球難に見舞われている。

BB/9は5.71で、K/9が11.68という優秀な水準にありながらもK/BB2.05という有様...なんというか、数学90点ながらも英語赤点みたいな状況である。

元来速球のコマンドが不安視されていた投手ではあったものの、AA以前では力任せに押し切ることができていたのだろう。しかしAA-AAAではポテンシャルだけで投げるのは厳しかったのか。

既に25歳という年齢ながら余りにも洗練されていると言えるところからかけ離れたピッチングを展開するロメロだが、まだまだ私の期待度は高い。
上手くいけばフェルナンド・ロドニーになるのではないかと本気で思っている。

制球難をどうにかして早く昇格してほしい!



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