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クリス・バシットのブレイクの要因は何か

クリス・バシットが止まりません。
4月下旬からローテ入りするとそのままローテを守り、QSとキャリアハイペースでの奪三振ショーを見せ続けています。
また、夏場に入ってからは一段階ギアを上げた支配的な投球でチームを支えています。 

それまでの4年のキャリアで4勝しか上げていない平凡な投手が急に化けることができたのか?この記事ではその要因をまとめていきます。


キーワードはファストボール

 -1. 球速アップ

シンカー 91.8mph→93.0mph 
4シーム 92.4mph→93.8mph 
スライダー 86.5mph→88.2mph 

この突然の球威上昇にはいかがわしいお薬の関与などは関係ないようで(らしいぞ!モンタス^^)、2017年に受けたTJ手術以前の感覚をようやく取り戻せたことが原因らしいです。

また、面白いのはバシットのマネーピッチのスローカーブの球速だけは70mphでしっかりキープしているところですね。なにか気を使っているのかもしれません。

 -2. 4シーム増&スライダー減、投球割合の変化

これは球速アップにも関係のある話題ですが、4シームの割合が昨年の2倍近くに大きく増やし、代わりにシンカーとスライダーを減らしています。

特にスライダーは25.4%→15.5%と大幅減。これが効いているのではないかと思います。
バシットのスライダーはカッター気味のムーブメントは少なめの、かといって手元でキレるわけでもない微妙な球種でした。それは数字にも現れていて、被打率.302、被長打率.512というビックリのスタッツを記録。

逆に何故ここまでスタッツの悪い球種を4分の1の割合で投げていたのか、ということが疑問ですが、それはA'sの方針が絡んでいそうです。

昨年までのOAKは2017年途中に獲得したトライネンにスラッターを多投させることで覚醒を促したり、2018年途中に獲得したJ.ファミリアに対してもスライダーの割合を増やすことで奪三振力を高めたりするなど、シンカーボーラーとスライダーの組み合わせに自信を持っていたような節を感じます。

対する今年は、単純に投手の入れ替えがあったこともそうですが、チーム全体のスライダー投球割合は18.9%(8位)から14.3%(28位)に減りました。

もう一つの変化である4シームは今季かなり優秀な数字を収めています。被打率.194、奪った三振39個は全球種の中で最多と、バシットの大きな武器にまでなっています。

バシットの4シームは球速、スピンレート共に目立った数字ではないのですが、なぜここまで優秀な数字になっているのでしょうか?

その大きな要因は高めのゾーンに投げ込んでいること&変化球との相乗効果が生まれてることだと思います。

上の図で見れば一目瞭然ですが、高めに速球系を投げ込む意識があるのがわかります。

最近の投球ハイライトですが、ほとんどは高めの速球で三振を奪っています。

また、昨年以降はシンカーは右打者の内角低めに集めよう、カッターは対にして外角低めにという意図が見られますが、今年は高めの速球と対になるのは低めのスローカーブという配球をしています。

ベストピッチであるカーブをより活かすための配球に変更したことが、奪三振力の開花につながっているのでしょう。

まとめ

フランキー・モンタスが出場停止になったことで危ぶまれた先発ローテの出来ですが、バシットを初め各投手の奮闘でむしろ先発投手がチームを引っ張っているのは興味深いですね。

仮に逆転プレーオフを掴んだとして、誰がワイルドカードゲームに先発するのかという問題がありますが、それはファイアーズでもルザードでもなくこのバシットという可能性があります。

2015年からチームに在籍し、低迷期を支えたバシットが日の目を見るといいのですが。。

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