オフシーズン展望
停滞したウィンターミーティングが終わり、2019年を迎えたこのタイミングでやっとストーブに火がついてきた感じがします。
我らがオークランド・アスレチックスも地味ながら堅実な動きを見せていますが、まだまだ編成の穴も多々ある上、アスレチックスのオフが味気ないまま終わるというのはなんとも寂しい話です。
今回もスタンスを変えずに、これまでの選手の獲得やら、年報調停の行方やらを振り返って、今後のストーブリーグに関する妄想を書いていきます。
目次
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1.キープレイヤーとなりそうな3人を獲得
2.年報調停について
3.これからどう動く?
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1.キープレイヤーとなりそうな3人を獲得
これまでのアスレチックスのオフシーズンで起こったことと言えば、このくらい。
実績ある救援投手のホアキム・ソリア、「元TEXの未来」ことUTのジュリクソン・プロファー、昨年途中加入で活躍を見せたマイク・ファイアーズを2019年のチームに加えたことです。
その中でもとりわけインパクトのあったプロファーのトレードは別記事に書いております。
ここでは特に取り上げていなかったソリアとファイアーズの契約についてまとめていきます。
12/21に昨年、CWSとMILでプレーしたホアキム・ソリアとOAKは契約に合意しました。
契約の中身を見ていきます。
2年総額1500万ドル(15M) 2019年:650万ドル 2020年:850万ドル
ジュリウス・ファミリアは3年30M、ザック・ブリットンは3年39M(最大で4年53M)、デビット・ロバートソンは2年23Mと一流リリーバーは軒並み20M以上は確実に掛かる好条件で契約しているため、ベテランながら安定感のあるソリアは安上がりながら堅実な選択と言えるでしょう。
ここでソリアのスタッツを見ていきましょう。
ソリアは2007年~2011年はまだ弱小だったKCの守護神で”Mexicutioner(メキシコの死刑執行人)”なんてカッコいい二つ名がつくような優秀なクローザーでした。
そこからTJ手術などもありましたが、TEXでカムバック。その後はFAで古巣KCに復帰したり、そこからトレードなどで移籍も繰り返しすっかりジャーニーマンになっていますね。
そんなソリアですが、昨年と一昨年の2年間はWARも救援ながら1.7以上、FIPも二点台前半という素晴らしい成績を残しています。
66試合 3勝4敗16S 13HLD 3.12ERA 2.44FIP 11.13K/9 2.37BB/9 WAR1.8
シーズン途中にはCWSからMILに移籍し、MILの超強力ブルペンの一翼を担いました。
ソリアの加入でブルペンの層もまたグレードアップされました↓
☆トライネン ◎トリビーノ ◎ソリア ○ロドニー ○プティート ○ヘンドリクス ○ウェンデルケン ○バクター(LHP)
トライネン、トリビーノという昨年のリリーフエースたちが来年も勢いを継続できる保証はどこにもありませんが、ソリア&ロドニーというクローザー経験のあるベテランが控えているのは心強いでしょう。
共に伸びのある豪速球を武器とする”オープナー”のヘンドリクスと若手のウェンデルケン、酷使もどんとこいのミドルリリーバー・プティートなどその他のタレントも豊富ですが、シーズン通しての”ブルペニング”戦略をとる上でのオプションとしては不十分であると私は見ています。
もう一つの契約、ファイアーズについて見ていきましょう。
ファイアーズは今年の12月初めに一度、ノンテンダーになっています。
このノンテンダーの際には、「ファイアーズがワイルドカードゲームでの首脳陣の決断をおおっぴらに批判していた」ことが原因に挙げられていましたが、なんのことはなくただ調停で年俸が高騰することを嫌っていただけのようです。ケチですね。
ただ、先にWSHに移籍したアニバル・サンチェスがOAKにとってメインターゲットだったらしく、ファイアーズとの再契約はサンチェスを取り逃がしたからでしょう。それにOAKからFAになったトレバー・ケイヒルがLAAと1年9Mという好条件で契約を結んでいたのも一因でしょう。
そのファイアーズの契約内容です
2年14.1M 2019年:6M 2020年:8.1M
年俸調停では10M近く高騰することが見込まれていただけに、このお手頃価格での獲得はグッドと言えます。
ファイアーズは昨年の8月にトレード加入した後、移籍前と比べ防御率は悪化したものの、K/9などの内容は移籍後の方が充実しています。
これはフライ系投手に有利なコロシアムの特性が極端なフライ系投手であるファイアーズとマッチしたこと、かつての相棒だったジョナサン・ルクロイと再合流を果たしたことなどが要因ではないかと思われます。
とにかく怪我がちな先発投手陣においてファイアーズは唯一計算が立つ存在で、悪くとも先発5番手のパフォーマンスはできるでしょうし、上手くいけば昨年の後半戦のようにフロントスターター級の活躍を見せてくれるでしょう。
ソリア、ファイアーズの両投手ともリスクの少ない補強で、間違いなくチームにとってはプラスでしょう。
2.年俸調停について
5人の選手が年俸調停を回避して、1年契約を結びました。
以下、一覧です。
………………………………………………
クリス・デービス:16.5M
マーカス・セミエン:5.9M
ジュリクソン・プロファー:3.6M
マーク・キャナ:2.05M
ライアン・バクター:1.4M
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ショーン・マナエアについてはまだ分かっていないようです。
そして1人残っているのが、クローザーのトライネンで、予想では5.8Mほどになると見られています。
クリス・デービスは予想されていた18Mほどとは行かないお値段でした。来年はFAイヤーですが、是非とも残留してほしいところです。
この中でもセミエンは高い評価を受けていますが、キャナやバクターはやや過小評価気味な金額です。
戦略の多様化につれて、古典的なスタッツを重視する年俸調停では出場機会の少ないUTプレイヤーやリリーバーはどうしても年俸が抑えられてしまう状況は良いものとは言えません。
そろそろメスが入るでしょうか。
3.これからの動きを予想
まず何が何でも、捕手と先発投手を獲得しなければなりません。
ただ目下、選択肢は減るばかりであり、かなり限られた選択肢の中から選ばなければならないでしょう。
まず考えうる捕手のターゲットは以下の通り
………………………………………………
マーティン・マルドナード(LAA)
ニック・ハンドリー(SF)
デビン・メソラコ(NYM)
レネ・リベラ(ATL)
………………………………………………
主だった名前はこんなところです。少ない。
マルドナードについては捕手市場の枯渇のせいでかなり高くつきそうです。OAKへの移籍はあまり現実的ではありません。
もう1人のハンドリーは同じベイエリアのSFの選手です。ちなみにDRS-18、そしてフレーミングのRAAでは-16.4という成績は、あのルクロイよりも低い数値です。
またトレードの方でもPITのフランシスコ・セルベーリなどはマッチするんじゃないかと思います。
最近の風潮では捕手の打撃は重視される傾向にありません。インサイドワークに優れた守備型捕手の獲得が望ましいです。
対する先発投手市場の方は幸いにも、有力なベテランが残っています。
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クレイ・バックホルツ(ARI)
エドウィン・ジャクソン(OAK)
ブレット・アンダーソン(OAK)*LHP
ジオ・ゴンザレス(MIL)*LHP
ウェイド・マイリー(MIL)*LHP
ジェレミー・ヘリクソン(WSH)
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恐らくこの中から獲得するかと思われますが、トレバー・ケイヒルやマット・ハービーの契約を見るに、思ったより年俸が高騰してしまうかもしれません。
これ以上、ベテランとの複数年契約を増やすことを嫌うかもしれないので、理想としてはブレット・アンダーソンとのマイナー契約ではないでしょうか。ジョシュ・トムリンも穴です。
また、まだFAの安価ながら実力のあるリリーバーもいるため、更にブルペン強化に動く可能性もあります。
最後に
ここまでは特に大きな噂もなく、静かなオフとなっているOAK。
オフに最も話題になったのが、カイラー・マレーというのは寂しい話です(ミュートはしている)。
世界をアッと言わせるサプライズに心中期待しつつ、見守っていこうと思います。
駄文にお付き合いいただいてありがとうございました。
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